庭の鉢植えに黄色い花が咲いた。
「暖かい春がきたら忘れずに咲きなさいよ」と教えていったと想う。
そして今月末には途中で止まった52回目の結婚記念日も忘れずにやってくる。
「失うのは一回きりだとしても、人は何かを失ったとき、それを失い続けるともいえる」
宮地尚子
大切な人を失った人はその喪失感をいつまでも反復せざるをえない。食卓での
些細な会話、もう洗うこともない泥だらけのユニホーム、しがみついてくる
小さな手。予感に体が動いてしまうが応えはない。「あるべきものがそこにない」
というより「もうあるべきでないものが、そこには確固としてある」と表現した方が
正確だと、精神科医は言う。 「母がうまれる」から
今朝の朝日新聞「折々のことば」が心に沁みた。
ことしで4回目の花を咲かせた「庭の花」