奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

暮らしと家具とインテリアのバランスで変化するライフスタイルのイメージ設計、家具選びを暮らしのデザインから紐解くダイニングテーブルのサイズ感。

2024年05月30日 | 収納・片付け・暮らし・インテリア

暮らしと家具とインテリアについて。
 
ダイニングテーブルの
奥行を考えるという事で変化する
空間の印象と使い勝手。


※空間の比率を検討し提案時にイメージしやすいように行うデザインCG設計
 
空間比率という考え方を大切に。
 
ダイニングテーブルは、
比較的暮らしの中心の場となりやすく
同時に家の「顔」としての
役割をも持つ重要な家具です。
 

※家具レイアウト前のLDKの状態
 
それだけに
ダイニングテーブルを選ぶ際には
デザインだけでなく、
間取りと暮らしとの調和や
サイズについても
十分に検討したうえで
決定する必要があります。
 
間取りとあわせて
扉の開閉方向や
室内を移動する際のゆとりなども視野に。

※空間比率の趣をそのままカタチにしたLDK空間と家具レイアウト
 
 
そして、
そのサイズを検討する際、
「幅」はしっかりと検討しているものの、
「奥行」はなんとなく
選んでしまっていることは
ないでしょうか?。

※居心地の良さと多様性のデザインを間取り構成と空間構成に設計提案を行っています
 
 
ダイニングテーブルの奥行の決定については
一定の基準を考えるべきです。
 
その基準を理解したうえで
検討することが「失敗のない」
テーブル選びに繋がります。
 
奥行が「狭い」。
テーブルの奥行を狭くすることで
享受できるメリットがあるとすれば、
壁までの距離や
収納との間隔が空くことです。
 
これはチェアの
引きしろ(出し引きに必要なスペース)に
余裕が確保できるということにも
繋がります。
 
同時に空間を
広く見せることになります。
 
しかし、
このメリットは
テーブルを使用する際の
快適性を損なうリスクもはらんでいます。
 
テーブルのサイズ決定に際して
スペースとの兼ね合いは
重要ですが
「極端に狭いサイズにしない」ことが、
使い易いテーブルの
ポイントです。
 
食事や何かの作業を行う場合、
個人の快適な作業性を
高めるスペースとして、
その奥行は40センチは必要。
 
これを2人分確保する、
つまり互いが正対する状態では
80センチとなります。
 
基本的にテーブルの奥行は
ここを目安にして、
それ以下にならないように
極端に狭くしないことを
お勧めしています。
 
もちろんそれを想定した
間取りと空間提案を行う前提です。
 
常時4人以上が使う想定の
ダイニングテーブルでは
おおよそ80センチ~90センチ、
サイズの大きいもので
95センチ~1メートルの
奥行が標準になっています。
 
これは「長方形としての美しいバランス」も
考慮されたものですが、
それ以上に
「使い勝手」や「距離感」が
重要視されています。
 
向かい合った際の
距離感が近くなりすぎてしまうことを避け、
向かい合う人同士の足が
テーブル下で干渉しないという点が
配慮された「根拠」があるんです。
 
互いの間に大皿を置く際の余裕も、
この奥行を
適正なものにすることで
叶います。
 
家具は暮らしの道具であると同時に
インテリアであり、
常に「見える」ものです。
 
あまりアンバランスなものは
やはり見栄えが良くありません。
 
空間の構成にも配慮が必要です。
 
テーブルの奥行は
向かい合う人が余裕を持って
使用できるものを。
 
そのうえで使い勝手も良く
美しく見えるものを
選ぶのが鉄則です。
 
奥行が「広すぎる」テーブルで
起こることは
テーブルの奥行が広すぎると
対面で座る際に
互いの距離が遠くなるため、
会話やその他のやり取りが
行いにくくなります。
 
ダイニングテーブルは
食事をする用途だけでなくて、
日常会話も行う「コミュニケーションの場」です。
 
ダイニングスペースは
家族が集まって会話がしやすい場所に
したいと考える人も多いかと思います。
 
それが不便になるのは
避けたいものです。
 
また、
奥行が広すぎると
テーブルの中央に
料理を置いた際に
腕を伸ばしても手が届かない、
という事もありえます。
 
これは少々大げさな例ですが、
椅子から少し立ち上がらなくては
料理に手が届かないような
状況に陥るのは
やはり不便かと思います。
 
ダイニングテーブルのサイズを決める上で
押さえておくべきポイントのひとつに、
食事をするときに
必要な1人分のスペース
という考え方があります。
 
ランチョンマットの
標準のサイズは横50センチ×縦35センチ。
 
このサイズなら
マット上に大小のお皿2枚、
ボウル1つ、
グラス1個の1人分の
食事のセットを置くことができます。
 
腕を動かすスペースや
ゆとりを考えると
1人分の食事に必要なスペースは、
幅50センチ~70センチ、
奥行き35センチ~50センチです。
 
この基本的なサイズを
把握しておくだけでも
テーブルの選び方は変わります。
 
椅子の引きしろ、空間とのバランス。
 
テーブルのサイズを考える際に、
もうひとつ大切なポイントがあります。
 
それはテーブルを
設置したい場所において
「テーブルの周りのスペース」についても
考慮できているか、
という事です。
 
テーブルの周りのスペースが
狭すぎると、
立つ・座るといった動作がしづらくなり、
心地よくテーブルを
使用することができません。
 
テーブル周りの
必要なスペースを
生活動線
※普段の生活で部屋の中を移動する経路
と言いますが、
普段の生活を思い出しながら
テーブル周りの生活動線が
確保されるかどうか
イメージする事が大切です。
 
具体的な数値をみていくと
チェアの引きしろの理想は
テーブル天板の端から
80センチ~90センチ。
 
これだけあれば、
アーム付きチェアの
スムーズな出し入れ、
そこでの立ち座り、
着座している人の後ろを
別の人が通過する、
という動作を
スムーズにこなすことができます。
 
また、
壁やキッチンに対して
どのように家具を配置するのか、
部屋との関係性も踏まえ
レイアウトを間取りと共に
イメージする時間も大切。
 
僕がいつも間取りを考える前に
インテリアショップへご案内するのは
そういう意味もあるからです。
 
テーブルのサイズを選ぶ際は、
用途や人数に合わせた
サイズの想定、
テーブルを置く部屋の広さに加えて
テーブル周りのスペースも
考慮する事で、
暮らしに程よく合った
ダイニングテーブルを
選ぶことができます。
 
ダイニングテーブルの奥行は、
人が食事をする際に
必要となるスペースと
生活動線を考慮したサイズを
選ぶように。
 
自身のライフスタイルを思い浮かべながら、
基準もふまえた
バランスよいサイズを選ぶのが
最適と言えます。
 
住まいの空間の間取りから
最適なテーブルサイズを割り出し、
レイアウトをご案内します。
 
そしてテーブルの
レイアウトだけではなく、
お持ちの家具との相性や配置、
照明や観葉植物に至るまで、
空間全体を捉えた
ご提案を設計として行っています。
 
テーブルのサイズの決定だけではない
「空間提案」と「暮らしの提案」を丁寧。
 
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■やまぐち建築設計室■
 建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
https://www.y-kenchiku.jp/
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