もう昨日になるが、兵庫県の丹波を訪れた。例の森林ビジネス塾に関する謀議を開き、ついでに?講演してきたのだが、この地域の名所が、写真の「木の根橋」。
そのままだが、ケヤキの大木の根が、川をまたいで橋のように架かっている。天然記念物にもなっているが、なるほど、不思議だ。
さて、この根は、どうして川をまたいだのか。枝じゃあるまいし、地面に触れずに空を伸びることはなぜできたのか。
が、おそらく正解は、根が川の上を伸びたのではなく、根の下の地面が水流でえぐられて川となったのではないか。それが自然現象なのか、何らかの意図があったのかわからないが、根と川の主客が逆転してはいけない。
同じような現象は、兵庫県村岡町でも見た。「水を生み出す桂の木」である。
その場所を訪れると、たしかに巨大な桂の根っこから水が湧きだしており、そこを源流とする小川が流れていた。
が、これも考えてみると、桂の木が生えたから水が湧いたのではなく、水場に桂が芽吹き、やがて大木となって湧き口を覆ったのだろう。桂だけではなく、ブナは水を呼ぶともいうが、理屈は簡単。湿気の好きな桂やブナは、水辺や地下水位の高い土地に生えやすいのである。
案外、現象を逆転して見ていることは多いのではなかろうか。
「巨木を語ろう全国フォーラム」の記念すべき第一回開催地ですよね(全国巨樹巨木林の会初期会員のひとりとしてはここに言及しなくてはなりますまい)
>桂
たしかに源流が桂という例は珍しくないですね.岩手県浄法寺町の天台寺の桂に至っては木の下が池になってしまっているし.
沢沿いに点々と巨大な(幹周り10m弱のも珍しくない)桂がならぶという光景は,周囲の暗さもあいまって実に迫力あるものです.そして谷壁斜面には桂は僅少.桂って本当に水気のあるところがすきなのだなとわからせてくれる光景でもあります.
樹形マニアというのもいいかも。