森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

モンゴルの至宝展

2008-08-23 11:34:27 | 時事ネタ

21日に、大阪の大丸ミュージアムで開いている「チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展」に行く。

入ってすぐに気づいたのだが、これはモンゴルと名打っているが、実は内モンゴル、つまり中国領の博物館との提携で実現した展覧会だった。だから、民族名はほとんど漢字(匈奴、鮮卑、突厥など)で、しかもチンギス・ハーンを謳っているわりには征服王朝の色合いが薄い。う~ん。

それはともかく、展示しているのは金属製品も多いのだが、これらはどこで作っていたのだろう。モンゴルと言えば草原の民で、年中草原をウマで駆けめぐっているイメージがあるが、それなりの工芸品を生産しようと思ったら工房も必要だし、金属なら精錬過程もなくてはならない。彼らは定住していたのではないのか。それとも、生産はみんな征服した異民族にやらせていたのか。それではモンゴルの至宝になるのか……なんて考えてしまった。

モンゴルを草原のイメージだけで捉えてはいけない。ちゃんと町があり、定住者が商工業、それに農業もやっていたに違いない。もしかしたら数ある湖で漁をするモンゴル人もいたかもしれない。

……ここに入る前に見た「スカイ・クロラ」(HPの生駒通信参照)の世界でも、古くさいレシプロ軍事機を生産する未来の工場を想像してしまったが、社会の奥行きを考えることなくして目の前の事象の本質がつかめないのではないか。