NHKの朝ドラ「あさが来た」が始まって約2か月。
視聴率は好調のようである。初の幕末スタートで舞台のほとんどは明治という歴史系の設定なのだが、評判もよい。
が、私にとってのこの番組は、土倉庄三郎(に相当する人物)が登場するかしないかが最大のポイントである。というのも、主人公の「あさ」のモデルは、明治の女実業家・広岡浅子であり、彼女の眼目は(つまり朝ドラにとっても最大の見せ場は)、日本女子大学の創設への協力である。
実は、成瀬仁蔵が日本女子大学を創設するのにもっとも力になったのは、土倉庄三郎なのだ。成瀬が頼ったもの庄三郎なら、庄三郎も自らの娘を全員高等学校に進学させて、次女はあり目利留学までさせるほど、女子教育に熱心だった。
そして成瀬に広岡浅子夫人を訪ねるよう指南したのも庄三郎。その後、浅子と庄三郎は債務保証までして、二人三脚で大学創設のために成瀬に力を貸す。
だから「あさが来た」にも庄三郎に相当する人物が登場するかもしれない、と期待している。だから番組も見ている。
……しかし、今のところ期待は薄れていくばかりだ(-_-)。。。
だって、番組は歴史的な事実関係をぶっ飛ばして、朝のホームドラマ……それもコメディになっているからだ。このままでは庄三郎は登場しないか、してもチラリ! で終わりそうである。
かなり事実と違う部分もある。たとえば、浅子が炭鉱開発に取り組んだのは、明治の後半、彼女にとっても人生後半(40歳近くになってから)のはず。それを明治初年に設定しているし、回りの人物関係の年齢もかなり違う。また明治維新の混乱時に加野屋に相当する加島屋を支えたのは、大旦那や大番頭連中であるのに、番組の中ではみんなフヌケ状態に描かれているし、五代友厚なんぞは、ほとんどロリコン? でルー大柴的な道化扱いだ。
私の感想としては、「織田信長や豊臣秀吉、徳川家康らが登場するドラマというから、歴史大河かと思いきや、主題はおねが秀吉の浮気に怒ってドタバタ繰り広げるホームコメディであって、気がつけば本能寺の変もスルーされていた」番組……気分(^^;)。
ま、まだドラマは半分も達していないから、今後に期待しましょう(⌒ー⌒)。
なお、別の観点から気になるところがある。姉の「はつ」の描き方だ。史実としては、早死にするのを生きていることにしたのはいい。ただ天王寺屋が破産して、夜逃げ……した先が百姓?
これって、落ちぶれたら農業をやるという発想ではないか。明示初年でも、金もないのにどうして農地を手に入れたか。技術もないのに農作物つくれるのか。そして野菜つくるだけで家族が食って行けるのか。農業をなめてるんじゃないか。
あげくに和歌山でミカン栽培ですか。。。甘く見ているなあ。