人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

指が生えてくる

2010-04-15 15:09:29 | Weblog
 トカゲの尻尾が生えてくるとか、カニの爪が取れても生えてくることは
私達の世代であれば何度となく目撃していることである。これら脱皮を
繰り返しながら成長する動物にとって珍しいことではない。

 しかし、これが人間に生じたことであるとしたら話は別である。しかし
目の前でその現実を見せられると、その意外性に驚嘆せざるを得ない。

 いったい、その再生に用いられている薬剤に、どんな秘密が隠されて
いるのだろうか。その謎解きは、これからのようだ。ブタの膀胱から作る
この再生薬は使用が先行し、科学的な裏付けは、これからのようである。

 人間の体の中にある再生を司る働きの何かにこの細胞外マトリックスと
称されている白い粉は作用するようである。この研究が更に進めば、摘出
した内臓の一部さえ残っていれば、元のように修復できる日も遠くない
ような気もするのだが。

 実に医学の進歩は日進月歩である。一方、内面的なもののいっこうに
進歩しない人間というものの一面と、こうした科学技術の進歩の乖離は
激しさを増すばかりである。

 地球温暖化問題は多くの問題を内在している。それは気候変動の異常
に止まらない。多くは私達の生き方の問題として目の前に突きつけられて
いる。

 さて、その温暖化問題がもたらす様々な問題を一挙に解決するかも
知れないと言われているのが「ミドリムシ」だ。葉緑体を持つから植物
とも言えるし、鞭毛をもって動き回るから動物だとも言える。

 いわば生物の進化の狭間に誕生した奇妙な生き物である。実はこの生き物
の存在自体は早くから知られていた。しかし、この生き物に、このような
働きあることが判明し、しかも今日的な問題を解決できる生き物だという
ことが確信されたのは、つい最近のことのようである。

 ミドリムシは葉緑素を体内に持っているので光合成を行う。光合成を行い
ながら栄養素と太陽の光と二酸化炭素があれば猛烈な勢いで細胞分裂し
その数を増やしていく。

 その増殖スピードが速いが故に、他の植物に比較すると炭酸同化作用の
量がすさまじい。二酸化炭素の吸収スピード(固定化)のスピードが速い
のである。

 そして、これ自体が植物と動物の両面を合わせ持っているので、完全食
として活用できるという、まるで夢のような生き物なのである。

 また、ミドリムシからは油も抽出できると言うから、増殖を続ければ
際限なく油を手に入れることさえ出来るのだ。まさに、資源の枯渇時代に
登場した夢のような生き物である。

 私はEMのことを調べていて、行き着いたのは光合成細菌という古細菌
であった。この光合成細菌にもクロロフィルという光合成物質を持って
いて、この細菌が原始地球の二酸化炭素などを分解吸収しつつ、今日の
ような空気組成を作り出したことを知った。

 実は、私達は私達の祖先である、こうした微生物たちの気の遠くなる
ような働きによって、今日の環境を手に入れ、更には微生物たちが作り
貯えてきた地下資源を惜しげもなく使い、挙げ句の果ては地球環境を
壊し続けているのである。
 
 地球温暖化問題は祖先に対する冒涜であり、そのために罰を受けても
仕方のないことである。その微生物によって再び助けてもらおうとして
いる。何という巡り合わせであろうか。運命の皮肉という他はない。
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