人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

戦後政治の終わりに

2008-09-25 23:14:43 | Weblog
 安倍さんが最初に放り出し、福田さんが後に続いた。総理大臣の
職を職務半ばで放り出してしまったのだ。一般の職場では考えられ
ないことである。簡単に放り出されるのであれば誰も悩みはしないし、
心身症で傷つくこともない。

 何しろ前代未聞の事だけに、その驚きは衝撃的であった。そして
誰でもががっかりさせられた。そして今回の自民党総裁選挙で選ばれ
たのが麻生さんだ。この人は前の人より少しは根性が座っている
だろうか。失礼な話だが、顔だけで判断すれば前の二人よりは多少
根性が座っているように見えるのだが。

 実は、そう見えるだけかも知れない。そして、ばたばたと畳みかける
ように各ポジションの大臣の顔ぶれが決まった。見れば大半の大臣は
二世、三世議員だ。失礼ながら親の七光りの中で苦労知らずで育った
人ばかりだ。過去からの名門だ閥だと言われた出の人が少なくない。

 麻生さんは、あの吉田茂氏の孫だと言うから根っからの坊ちゃん
育ちである。この人は学生時代から一年に三十万円もするような高級
スーツを十着は作ると言うから、おおよそ私達庶民とはかけ離れた人だ。

 このような苦労知らずで育った人に年金だ高齢者医療だと言って
ピンと来るのだろうか。口では大変だとか同情するようなことを言って
はいるが本当の大変さが分かっているのだろうか。


 江戸時代は三百年続いて終わった。幕府もそれに従う各藩も全てが
世襲であった。先祖の功績によって家老職は家老職を引き継ぎ、下級
武士は下級武士に甘んじた。ひたむきな努力も切磋琢磨も必要なかった。
また努力しても報われなかった。

 その結果、三百年後にはどの藩も莫大な借金を抱え疲弊しきって
いた。先進的な藩では世襲は世襲としながらも藩内の武士や町人を
問わず優秀な人材を抜擢し財政建て直しを行った。こうした努力を
しながらも長い間続いた幕藩体制は徐々に崩壊をしていった。

 その崩壊を助長したのが黒船を初めとする列強各国からの開国を
迫る圧力であった。諸外国の開国の圧力に押され尊皇攘夷で国内は
大混乱に陥った。いち早く異常事態に反応したのが長州や薩摩や
土佐の先進的な考えを持つ下級武士達であった。
 また、世襲によって受け継がれてきた幕府の大老達も為すすべなく
幕藩体制は崩壊し、明治維新へと移行せざるを得なかった。

 こうして過去を振り返って見ると何かしら今の政界の状態とどこか
似通ってはいないだろうか。似通っていると言うよりはそっくりだと
思うはずである。

 今の自民党や公明党を中心とする政治体制は完全に賞味期限が
過ぎてしまった。彼らの中で幾ら総理大臣の首をすげ替えても
変わりはしない。もうここらで体制を変えるべき時代ではないだろうか。
 たとえ民主党に何かと問題があっても、このままの自民党政治が
続くよりはよほどましだと思うのだが。

 さて、今日の新聞記事には新内閣の支持率が48パーセントと書いて
あった。前の福田内閣より更に支持率は下がっている。もはや国民の
多くは現自民党政治には何ら期待していないと言うことではあるまいか。
総裁に選ばれた麻生さんは自信たっぷりであったが、この支持率をみて
どう思うであろうか。

 そして、何もかも壊すだけ壊して小泉さんは颯爽と政界から去って
いった。小泉さんは幕末における井伊直弼に似ていなくもない。
ある種の恐怖政治のようなことをやって自分の意見に反するものを
切り捨てた。

 いずれ自分の後継には自分の息子を考えているのだろう。終わりの
ない世襲政治がなおも続くのかと思うとうんざりしてくる。「地盤、
看板、鞄」と言われる選挙基盤がないと政治家にはなれない今の
選挙制度こそ問題である。

 そして自民党の政治家は地方に大きな事務所を構え、多くのスタッフ
を雇っている。いったいこの莫大なカネがどこから出てくるのか
不思議には思わないだろうか。そして、それぞれの政治家達に寄り
かかって生きている人達は自分の生活がかかっているから政治家の
政治生命を守ろうと必死である。

 ここに政治汚職や政治家とカネの絡む事件の温床がある。丁度、
藩が取りつぶされないよう必死に藩主を守っている江戸時代の藩主と
藩士の関係に似ている。藩主の資質が問題なのではなく藩主は飾りで
あって居てくれるだけで良い。

 これでは日本の政治は良くならない。真に国を憂うる政治家が何人
居るだろうか。今必要なのは世襲の政治家ではなく真に憂国の政治家
である。
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目に見えない世界の大きな変化

2008-09-25 22:50:41 | Weblog
 昨今は異常続きのお天気だが、この気象異常は小さな昆虫の世界に
まで及んでいるようだ。一昨年、昨年、今年と三年続きの夏場の異常
高温は私達人間だけでなく、多くの動植物にも色んな変化をもたらして
いるようだ。

 異常気象の一つが夏場における西日本地方の渇水期の異常な長さだ。
その上に昼夜を問わず高温期が続いてきた。その結果、充分な灌水
設備がない畑の果樹は弱り果ててしまった。
 水が切れてしまった畑では、これが柿の実かと思うほど小さく
縮んでいた。表面には大きなしわが寄っている。それでも落果しない
のは、すさまじい生命力と言うべきだろうか。
 我が家では急激に雨を吸った蜜柑類が中身の膨張に追随できず皮が
裂けてしまった。

 人でも動物でも体力が失われていくと病気にかかりやすくなる。
人間で一番影響を受けやすいのは高齢者ではないだろうか。一夏中、
病院の世話になったお年寄りも少なくない。健康なものでもほんの
少しのことでも病気にかかりやすくなる。

 植物の場合は病害虫の被害に遭いやすくなっている。その一例が
柿の木やスモモでの度重なる食害であった。アメリカシロヒトリと
イラガの幼虫が同時に発生したものだから、ひとたまりもなく一枚の
葉も残らず裸になってしまった。
 一夏にこんなに何度も発生することはなかったし、イラガとアメリカ
シロヒトリが同時期に発生することもなかった。それも一本だけでは
なく何本もの木が同じような被害にあった。

 私達には見ることも感じることも出来ないが、彼らの異常発生を
促すような条件があるのではないだろうか。彼ら昆虫にも必ず天敵の
ようなものがいるはずだし、異常繁殖を妨げるような要因があるはず
である。それにも関わらず、ものすごい数の発生が生じている背景
には、異常高温以外にも何らかの要因があるに違いないと思っている。

 それは何なのか。私達の目には見えないこうした異常現象は生命の
底辺を支えている微生物界にも大きな変化を生じさせているに違い
ないのである。それは異常気象と長年使用してきた農薬や除草剤や
化学肥料による複合汚染によるものなのかも知れない。
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