人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

温暖化問題をすり替えるな

2008-01-21 11:37:22 | Weblog
 先の記者会見で町村官房長官からガソリンなど揮発油税の暫定税率
に触れ、地球温暖化防止のためには今のままの方が良いとも受け取れる
ような発言をしている。

 そもそも暫定税率とは昭和30年代から40年代にかけての高度経済
成長著しい時代に道路網整備のため儲けられたガソリンの上乗せ税だと
聞いている。

 いずれにせよガソリンの消費が伸びれば税収は増え、全国各地に
高速道路が作られ、この道路網の整備費用が公共事業として建設業界
に空前の好景気をもたらした。

 政府自民党にとっては大スポンサーである建設業界に公共事業費と
して税金をばらまき、その一部は政治献金として戻ってくる。また、
道路網が整備されれば自動車の台数が格段に増え、産業界が潤う。

 その上、ガソリンの消費量は更にアップするという、いわば「打ち
出の小槌」のようなものであった。暫定と言うからには、ほんの一時期
だけのものであるはずが、今日まで続いてきた背景には、それだけ
手放せないうま味があったに違いない。

 今になって地方振興策のために道路網の拡充は必要だと言っているが
それでは何故、地方にもっと目を向けてこなかったのだろうか。暫定
税率が問題視され初めて急に地方が地方がと言うのは、如何にもとって
つけたような感は免れない。

 地方の問題は単に道路整備だけの問題ではない。もっと大きな視点
で考え直す必要がある。事もあろうに、これほど大きな問題である
ガソリンの暫定税率を地球温暖化問題にすり替えるとは温暖化問題に
対する冒涜としか思えない。

 地球温暖化問題は自民党からも民主党からも聞こえてこない。社民党
だけが環境税のことを言っているようだ。いったいこの国の政治家達
は地球温暖化問題をどのように考えているのだろうか。

 今日の朝日新聞の朝刊には、スウェーデンの記事が掲載されていた。
この国では与野党足並みを揃えて2030年までに石油由来の二酸化
炭素の排出をゼロにすると言っている。しかもこの国では産業の停滞
を見ることなく二酸化炭素の排出を削減している。

 国の人口や産業構造など異なる事は多いが、参考にすべきではない
だろうか。日本の政治が二流、三流と陰口をたたかれても仕方がない。
今、一番急がなければならないのは、むろん生活の問題ではあるが、
それ以上に大事なことは地球温暖化問題である。

 地球温暖化問題は超党派で議論すべき緊急課題である。自民党が何も
しようとしないのであれば、民主党が主導権を握って今国会で議論
すべき事である。

 民主党は単に人気取りや政権を取ることだけ焦点を合わせるのでは
なく、国際的な問題に目を向けるべきである。その事が遠回りのよう
に見えても政権を担う党への近道である。

 今の民主党、特に小沢代表に政権を取ろうという意欲が感じられない
のは私だけであろうか。その心が連立へと傾かせたと見えなくもない。
ともあれ、他国に遅れを取ることなく、産業界を巻き込んで地球温暖化
問題に取り組まなければ、私たちが住むところでさえ失ってしまう
のではないだろうか。
コメント (2)
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