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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

10月句会の投句が集まりました。  遅足

2019年10月16日 | Weblog
今回の題詠は「秋思」です。難しい題でした。
どんな句が集ったのか?ご覧ください。

題詠「秋思」
①吾が秋思メトロノームに急かされて
②素描する筆先にある秋思かな
③捨てられぬカセットテープ秋思あり
④レジかごのかさ減るたびの秋思かな
⑤秋思あり肩に雲おき御嶽山
⑥玻璃戸より浅間眺めし虚子秋思
⑦靴箱に 毬栗ひとつ 秋思かな
⑧母のゐし畳照り映え秋さびし
⑨馬もまた睫(まつげ)伏せゐる秋思かな
⑩親指の先より秋思生まれけり
⑪秋思わく吉田山荘賑ひて
⑫姑の逝きて身深き秋思かな
⑬雲流れ飽かず眺むる秋思かな
⑭里の秋 落ち葉踏みしめ なに思う
⑮旧姓や呼ばれて秋思うわのそら
⑯取り込みし干し物冷やり秋思かな
⑰頬杖にちょっと秋思のポーズして

自由題
①照る月や死臭腐臭の波の音
②秋思などなぎ倒してのトライかな
③夕焼に誘われすすき野原歩く
④龍淵(ふち)に潜(ひそ)むや風に立つ水面
⑤実柘榴の採られず道に落ちつぶる
⑥新涼の声の乗りこむ無人駅
⑦虫すだく圧増す夜の奥の底
⑧秋祭りひとり静かにいなり寿司
⑨「不自由展」慰安婦像の愁思かな
⑩金橘の 甘煮転がす 舌の先
⑪田籾焼くけぶりは先祖供養かな
⑫冷まじき現世の夕や鳰の海
⑬墓石にゆらりふわりや秋のてふ
⑭なゐのわきあきつのしまの生きがたし
⑮曼珠沙華言葉やさしく皮肉られ
⑯台風や 神輿出るかな そわそわと
⑰新米の新種整列悩ましや



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テレビ、老人のツブヤキ   敬一

2019年10月15日 | Weblog

私は今回の台風19号に備えて、9月11日の夕方から車で30分位のところにある愛知県

豊田市のビジネスホテルに2泊しました 。

テレビの情報番組を見て、今回はこれまで経験したことのない大型の台風が襲来する

とのことで、古い我が家に一人いては危ないと思っての処置でしたが、幸いこの地方は

大きな被害もありませんでした 。

被災された地区の方々には心からお見舞い申し上げます 。


今回の場合 、特に12日の午後から13日にかけてが一番、危険とのこと 。

この日が土曜、日曜というのが 間が悪い 。

通常、テレビの土日編成はNHK、民放局とも、再放送ものや完パケ( 放送できる状態に

仕上がった完全パッケージ作品 )が多い 。

私はホテルでずっとテレビを見ていましたが、まず12日( 土 )の午後、民放局は前日、

金曜の午後の情報番組であんなに危機感を煽っておきながら、案の定、通常の番組を

流すばかり。

これに比べて、さすがNHKは直ちに台風特番に切り替えて、アナウンサーが入れ替わり

立ち替わりながら、深夜、早朝を問わず刻一刻、詳しく台風情報を伝えていました 。

働き方改革でNHKは土日や祭日はアナウンサーが生で出る番組はニュース以外 、殆ど

見かけませんが、いざという時はやはりNHKという印象を今回も見せつけてくれました 。

今回の台風が私の居る所から離れてからも、私はラグビーの試合をみる気分にもなれず、

ずっとNHKの台風情報を見ていました。

民放局はようやく、台風が去った14日(月) になって通常の情報番組や特番で被災地から

の中継を入れて、その惨状や今後の対策を伝えていました 。

勿論、それも必要でしょうが、私達の一番の関心事は台風襲来の直前、直後 。

今回の場合では12日 ( 土 )から 13日 ( 日 )にかけて自分の住む地区の最新情報でしょう 。

来るぞ来るぞという事前の情報、襲来後の報告、対策などは二の次です 。

民放局はコマーシャルでがんじがらめになっていて、どうしょうもないことかもしれませんが、

今回のように 「 これまで経験したことのない大型の台風 」の場合、もっと柔軟に

対応する体制を日頃から真剣に考えておく必要があるのではないでしょうか 。

そうでないと、一層、信頼を失うことでしょう 。( 余計なお世話かもしれませんが )

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身に沁むや 多摩川流る 車椅子  殿

2019年10月15日 | Weblog


いつまでも案山子ではいけないと、
罹災した友人宅へ手伝いに行きました。
友人の家は二子玉川にあります。
近くの多摩川を流れてゆく車椅子。
自然と人生の狭間にある寂寥を痛切に感じました。
罹災された方への深い追悼と復旧をお祈りいたします。

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エッシャーの 迷路彷徨う 案山子かな   殿

2019年10月14日 | Weblog


案山子<かかし> 1.田畑にたてる藁人形 2.役にたたない人

災害に戸惑う自らの無能を詠みました、と殿様。

          

関東・東北・信越など各地に大きな被害をもたらした台風19号。
多摩川が氾濫、千曲川などが決壊。
亡くなった方35人。行方不明17人。(中日朝刊)

今日は朝から雨が降っています、(遅足)
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秋光や棒高跳びの空を蹴る  狗子

2019年10月13日 | Weblog

台風一過の青空。60年前も同じでした。
今はテレビで千曲川の決壊。
自衛隊のヘリコプターによる救助がリアルタイムで。

台風は鋼となって日本の真ん中を駆け抜けていきました。
命が失われ、家が流されて・・・。
被災された方々には心からお見舞い上げます。
これから大変な時間が待っています。

そして、それでも明日はやってきます。
そして、人にはガンバルこころがあることに気づきます。
伊勢湾台風の経験から学んだことのひとつです。

どうか諦めないで・・・。(遅足)
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台風接近中です。   遅足

2019年10月12日 | Weblog

台風19号が東海・関東に接近中。
行楽シーズンの3連休の初日。新幹線は計画運休。
困った顔が目に見えるようです。

15号で大きな被害の出た千葉などのみなさん。
ご心配だと思います。
どうか、風雨が・・・、と祈るばかりです。

60年前の伊勢湾台風。
すごい台風が近づいているらしい、とは聞いていました。
そして翌朝は快晴。
被害の大きさは全く想像も出来ませんでした。

巨大な自然の力の前に人間の小ささを実感させられます。
これから風雨が強くなります。
私も気をつけて、戸締りなどの確認をもう一度・・・。

  台風来猫に烏にゴキブリに   
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いわくありきちきちばった跳ぶ売地  晴代

2019年10月11日 | Weblog
下句の売地で決まりましたね。
バッタも最近は見ませんが。
でも、景色が浮かびます、と結宇さん。

どんないわくがあるのでしょうか。
光景が目に浮かびます、とすみさん。

町内のあちこちに空地が出来、いつの間にか
「売地」の立札が立っています。
すぐに売れる土地もあれば、売れ残る土地も。

数年前に孤独死のあった家がそのままに。
草木が伸び放題の家もあります。

少子化社会ってちょっとサミシイですね。(遅足)

       

台風接近中。家の周りを片付けないと。
充分、気を付けて。
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ブライクコ&レイコ  龍泉寺編   麗

2019年10月10日 | Weblog
雲一つない気持ちのいい秋晴れとなった昨日。郁子さんとふらっと守山区にある龍泉寺を訪れました。
節分の時期は多くの人でにぎわうお寺ですが、昨日は参拝客もなく静謐な空間となっていました。

その昔、最澄が熱田神宮に来たとき、龍神のお告げを受け、龍の住む池のほとりでお経を唱えると龍が天に昇り馬頭観音が出現したのでこれを本尊として祀ったそうです。また、空海も熱田の剣を龍泉寺に納めたことから竜泉寺は熱田の奥の院と言われているとのこと。尾張四観音のひとつとして名古屋城を鎮護しています。

本堂にお参りしたあと、境内に鐘があったのでまた二人でついてみました。その鐘の前に「次の私へ」という文字があり、このところ次なる目標がみえず焦っていたのですが、心を静めて「ご~ん」と鐘をつくとなんだか心も穏やかに。いつまでも響く鐘の余韻とともに眼下見える庄内川や名古屋の町を見下ろしました。気持ちのいい秋風にふかれ、一緒に楽しくお参りできる幸せを感じました。
帰りにはかわいい猫ちゃんたちにも会えましたよ。
その後、小幡駅近くの白山神社へ向かいましたが、駐車場が解らず断念。古墳の上に神社があるそうです。これは次回のお楽しみにしました。郁子さんの故郷守山区はなかなか奥深いところです。

帰宅するとノーベル化学賞を大阪出身の吉野彰さんが受賞したという嬉しいニュースか飛び込んで来ました。先生の「柔軟性と執念深さ」が研究者には必要という言葉を聞きました。「なんとかなる!」という先生の明るい笑顔と言葉を、次の私への励ましのメッセージとして受け取りました。
郁子さん、楽しいドライブありがとうございました。秋思が吹っ飛びました。

          秋風に吹かれ眼下の町を見る   麗子
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薬師寺塔あかねだちたる風の色  千香子

2019年10月09日 | Weblog
上五は「薬師寺や」でどうでしょうか?
読者は塔までイメージしてくれると思います。

中七の「あかねだつ」の「だつ」は
動詞「た(立)つ」の接尾語化したもの。
名詞や形容詞・形容動詞の語幹などに付いて、
そのようなようすを帯びる、
そのような状態が現れるという意を表す。
と辞書にありました。
したがって、「茜色がかった」という意味に。

明け方、あるいは夕方でしょうか、空の色が茜色に。
それを風の色が茜色と詠んだ句。

この風の色は、薬師寺の塔にもかかっていきます。(遅足)
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白驟雨エッシャーの街彷徨いて  殿様

2019年10月08日 | Weblog



エッシャーはどこかで見てますよね。
本当にさまよう感じが出てます、と結宇さん。

白驟雨(はくしゅうう):秋に降る激しい驟雨(俄雨)。
驟雨とは短時間で降り止んでしまう雨、
もしくは降水強度の変化が激しい雨のことだが、
「白」がつくと、断続的に激しく降る秋驟雨のこと。

秋の激しい雨。見慣れた街も別世界。
エッシャーの迷路のように彷徨います。
*マウリッツ・エッシャー。迷路を描くオランダの版画家。

以上の解説、そして写真は殿様から。

付け加えることは何もありません。(遅足)


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10月句会が近づいてきました。  遅足

2019年10月07日 | Weblog
秋らしくなりました。今回の題詠は「秋思」です。

秋思。もののあわれを感ずる秋。
コトに寄せて、あるいはモノを見ては、
人生の儚さ、さみしさを感じませんか。
そんな気分を表す季語です。
春は春愁といい、秋は秋思といいます。
愁いに比べ、思いは少し乾いた感じが。

唐の時代の詩人・張籍に「秋思」という詩があります。

洛陽城裡秋風見る、で始まるこの詩。
洛陽の城中も秋風に木の葉が散る頃になると、
何となく物淋しく故郷が恋しくなると、
秋のさみしい思いを述べたもの。

日本人の好みにぴったり。
中国語の「秋思」がそのまま日本語に、そして季語にも。

  寄りあひてはなれて石の秋思かな  桂 信子

大和言葉では「秋あはれ」「秋さびし」です。

  秋さびし手毎にむけや瓜茄子 芭蕉 

みなさんの心には、どんな秋思が・・・。
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秋風や嬉し寂しい滑り台  すみ

2019年10月06日 | Weblog

中七をどう読むのでしょう?
秋風の中、滑り台で遊ぶ子供。
最初は嬉しくてはしゃいでいました。
しかし時が経つと・・・寂しそうに。
滑り台にひとり。

時間の経過をあらわす「やがて」は?

 秋風ややがて寂しき滑り台

 滑り台やがて寂しき秋の風

新鮮味がありませんね。

 滑り台やがて寂しき風の色

 観覧車やがて寂しき風の色

難しいです!(遅足)
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ありがとうございました   竹中敬一

2019年10月05日 | Weblog

私はここ3年位 、遅足さんご夫妻の陰の支援もあって、週一回 拙文を掲載させて

もらって きました 。私はまもなく86歳になります 。主にこれまで経験したこと

や学んだことの中から後世に伝えておいた方が良いと思われる事柄を記録させて

もらったつもりです 。( おこがましいのですが )

その願いが最近一つ かなえられました 。

2年前 、私はこのブログで 「 伊勢湾台風とテレビニュース 」と題して3回 掲載

させてもらいましたが、この記事がNHKのデイレクターと名古屋大学減災センター

の先生の目にとまったのです 。

伊勢湾台風60年の今年、まずNHKのデイレクターから連絡がありました 。私は当初、

番組の企画に協力するだけで出演など考えていませんでした 。

しかし、その後 、私も出ることになり、古巣のCBC会館で 老体を晒しながら当時の

ことをたどたどしく話ました 。( この年齢で一応 、歩いて 喋っているだけで良しと

してもらうか、と自分を慰めています 。)

8月30日を皮切りにこれまで3回、東海北陸地方に25分間の特番がNHKとEテレで

放送されました 。もちろん、当時、開局していたNHK名古屋、東海テレビの関係

者も出演しました 。

また、名古屋大学減災連携研究センターからは去る9月20 日、お招きを受けました 。

ここでは、「 防災、減災 」をテーマに毎月「減災カフェ」を開いており、誰でも

見学できます 。

丁度、減災カフェ100回記念ということもあって、80席位の会場は満席 。

その道の専門家の方々も多く、とても緊張しました 。元NHKの科学記者だった司会

の方の巧みなリードのお陰でなんとか終えることができました 。

終了後、一般参加の若い女性からも 「 テレビがどう対処したか、興味深かった 」と

言って頂きました 。

私は当初、予定していなかったHカメラマンのことが思い出され、話の流れの中で

触れていました 。

先日のNHKの特番を見た彼の奥さんから電話があり、木曽川下流の死屍累々の映像を

撮ったのはHカメラマンだったこと 。あの映像を撮ったことがいつまでもトラウマと

なって心に残り、それが原因で名カメラマンだった彼が若くして他の部署に移ったこと 。

特に、死屍累々の中に生存者の方が居て手を振っていたのに助けてあげられなかった

ことを生涯、悔やんでいたこと等がわかってきました 。

私と一緒によく仕事をしたHカメラマンは2年前 亡くなりましたが、話の最中、急に

几帳面で正義感が強かった彼のことが脳裏に浮かび、不覚にも少し涙腺がゆるんで

しまいました 。

CBCテレビ 「 チャント」の伊勢湾台風特集でも台風が襲来した当日、生中継の準備を

するスタッフの中に25歳だった私の姿があり、これを手掛かりに少し喋っている

シーンが流されました 。これも私がこのブログで書いていなければ実現しなかったこと

でしょう 。

父が持っていた若山牧水創刊の短歌雑誌 「 創作 」878冊を宮崎県立図書館に寄贈できた

のも、このブログがきっかけでした 。

お陰様で暖かい人の繋がりを感じました 。ありがとうございました 。


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路地の奥露草色の風揺れる  能登

2019年10月04日 | Weblog

路地の奥というのが、いいですね。
普通、路地というと行き止まりです。
揺れる風はどんな感じでしょうね、と結宇さん。

露草。
道ばたや庭先でよく見かける秋の草です。
あざやかな青い花を咲かせます。
古くは染料にも使われてきたそうです。
ネーミングが詩的ですね。

青い花が風に小さく揺れているところを
「露草色の風揺れる」と表現、素晴らしいです。

上五に何を置くか?
句のイメージが様々に変わるでしょうね。(遅足)
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彼岸花千手観音への古道   麗

2019年10月03日 | Weblog
彼岸花の美しい季節です。実りの季節を迎えた田んぼのわきに、土手にと、道ばたにと、「おっ!ここにも!」と燃えるような赤に目を奪われます。毒もあるし、墓地にも多いことから不吉な花のように思われますが、よく見るととても繊細な針状の花で私には千手観音の救済の手のように思えました。

千手観音は私の好きな観音像。42本の手にさまざまな法具を持ち、あらゆる苦難を取り除いてくれる観音様と言われています。
以前米原あたりで見た千手観音には光があたって、千手の影が壁に映りそれはとても幻想的でした。

古道(こどう)は小道(こみち)とした方がよかったのか悩みましたが、千手観音の古めかしい感じと、信濃比叡の古道(東山道)の近くで見た今年初めての彼岸花だったので「古道」としました。

             金色の田んぼ縁取る彼岸花  麗

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