最初のかたちは、子の茹でた冷麦つつく父の箸、でした。
若き日、初めて父に好物の冷麦を茹でた(茹ですぎた)ことを思い出して詠みました。
俳句は散文とは違い説明的であってはいけない、ということを作句の本から学んで、
「伸びた冷麦」をどう表現するか、悩みました。
「子の茹でた」は直接的な表現だし、後で「つつく」という動詞があるから、
二つ動詞が入ってはいけないとかんがえなおしたのです。
皆が食べ終わった「昼過ぎ」に帰ってきた父はのこった冷麦をどんな感じかなと
箸で揺らして食べようとするという風にしたのですが、
全く伝わりようのない句になってしまいました。
そうですね。昼過ぎの冷麦父の箸揺らす、としてもすっきりしません。
そんな時は出発点に戻ってます。
父の箸娘(子)の冷麦をつつきけり
一応、ここまで作って後は句会の判断に任せましょう。(遅足)