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おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

死にたい・死に体・シニタイ

2006-03-18 23:51:39 | 世間世界
 言葉というのは面白いものです。これは、日本語に特徴的な言い回しなのでしょうか。音が同じで、漢字も意味のまるで違うことば。昔から用いられた言い方ですね。「掛詞」などというのが、和歌の修辞法にありますから。
 なかでも、平安時代の美人歌人・小野小町の「はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに」は有名でしょうか。「ふる」に「降る」と「経る」をかけていますし、「ながめ」も「長雨」と「眺め」とをかけているようです。
 落語でも落ちに用いる場合もありますね。「地口」とかいうのではなかったでしょうか。それでも、こういった表現を使うと、せいぜい「しゃれ」、ひどいときは「だじゃれ」くらいにしか思われません。でも、本当は実に奥深い修辞法ではないかと思います。
 この言葉遊びをうまくせりふに取り入れているのが、野田秀樹の芝居ですね。「オーゴト」が「大事」とオーゴッド」(神さま!)となったり、初期の作品には多いですね。「伝染」病は「電線」を伝わって移るなどという、それを躍動的にかつ早口で(まさに口角アワを飛ばして!)動きながらしゃべるんですから、役者が。なかなか観客は、そのパワーについていけませんでした。そういえば、野田戯曲には、「オイル」と「老いる」とをかけた作品もありましたね。
 我々でも使いますね、小学生は「生姜くせい」とか「傘貸さない」とか「土器を見つけてドキッ!」「さみしいリル」・・・。ここまで来ると、分からない人には分からない表現ですが。どうも話題がずれてきて寂しくなってしまいました。
 英語でもありますかね。野田の作品では「ライト」を「右」と「正義」とに使い分けたり、「レフト」を「左」と「忘れ物」と言い直したりしたことがあったような。でも、結局、これもやはり日本語の遊び方なのでしょうかね。
 語呂合わせというものもこの類ですか。一番目に付くのが、何とか記念日ていうやつ。我が家のトイレにある「日めくり」には毎月18日は、「頭髪の日」とあるのも何かおかしいです。11月22日が「いい夫婦の日」なんてもいうのも、余計なお節介というやつですな。
 相撲の世界で、前に「板井」というしこ名のお相撲さんがいました。名前がよくない!「痛い」「遺体」に通じるからなどと苦情があって、改名するよう言われたことがあったようですが、変えずに押し通したというような気がします。その人ですかね、後に八百長を告発した人は。そうだとしたら、本当に「痛」かったのは、相撲協会ということになりますか。
 やっと本題。最近の新聞で、M党のM君はもう9月まで持たない、死に体だと書かれています。時にはコイズミさんまでも、政権維持に関して「死に体だけは避けたい」などというように書かれてしまいます。どうもこの「シニタイ」という表現はイヤで、使って欲しくない表現ですね。「シニタイ」「シニタイ」「シニタイ」ってイヤじゃないですか。もっとうまい表現はないのですかね。
 これは、もともと相撲用語から出たのですかね、それとも別な・・・。
 大手私鉄の経営者団体の名前が「民鉄協」になっているのも、「シ鉄」は「死鉄」に通じるからそれを嫌ってのことですから。
コメント
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