Gomaler's~神社仏閣巡り~癒しを求めて

主に関西の神社仏閣巡りと御朱印集めが趣味です。

正歴寺(2012年9月29日参拝)

2012-10-22 | 仏閣
まだ時間もあったので見知らぬ神社仏閣を探すことにした。

田舎の山奥に行けば渋い神社仏閣に出会える確率も高いので、
あてもなく車を走らせる。

やっぱり田舎の田園風景を見てると心が落ち着くなぁ。(^^


20分くらい車を走らせていると正歴寺の看板を発見する。
正歴寺まで8キロとなってるけど車だと楽勝ですよね。

でも、山奥の細い道で苦しむ時もあるけど。


寺に近づくにつれ山奥に進んでいく。
すると当然ながら恒例の対向車が来たらヤバい道に。

でも、ここはほとんど対向車が来ない所だから大丈夫です。(^^


所在地:奈良県奈良市菩提山町157
宗派:菩提山真言宗
御本尊:薬師如来
創建:正暦3年(992)
開祖:兼俊僧正




【縁起】
一条天皇の勅命を受けて兼俊僧正(藤原兼家の子)によって創建。
山号を「菩提山」、院号を「龍華樹院」と号します。
創建当初は堂塔・伽藍を中心に86坊の塔頭が渓流をはさんで建ち並び、
勅願寺としての威容壮麗を誇っていました。

しかし、1180(治承4)年、平重衡の南都焼き討ちの際、
その類焼を受け全山全焼、寺領は没収され一時は廃墟と化します。

その後、1218(建保6)年、興福寺一乗院大乗院住職信円僧正(関白藤原忠通の子)が、
法相宗の学問所として再興して昔に勝る隆盛を極めました。

また13世紀初め(建暦年間)の頃に、蓮光法師(法然上人の弟子)が
この地に草庵(本殿を安養院・別殿を迎接院)を結び浄土門の法灯を掲げたこともありました。
江戸時代以降は衰退し、ほとんどの堂塔・伽藍は失われました。

現在では福寿院客殿と本堂・鐘楼を残すのみとなっています。




【供養塔・仏像群】


もうすぐ寺に到着という所のバス専用駐車場の近くに供養塔・仏像群がありました。

これだけ一同に集まっていると圧巻です。


【泣き笑い地蔵】




結構古いお地蔵さんのようです。


【社号標】


ここから更に車を進め駐車場へ。

紅葉の時期は駐車場も有料になるらしいが、
この日は参拝客もほとんどいなく無料でした。


【日本酒発祥の地】


へー、ここが発祥の地なんて知らなかった。

ちなみに私の好きな日本酒は而今です。


【発祥の地 所以】
本来、寺院での酒造りは禁止されていましたが神仏習合の形態をとる中で、
鎮守や天部の仏へ献上するお酒として荘園からあがる米を用いて寺院で自家製造されていました。

このように荘園で造られた米から僧侶が醸造するお酒を「僧坊酒」と呼んでいます。
正暦寺は創建当初は86坊、多い時には120坊を抱え、
大量の「僧坊酒」を作る筆頭格の大寺院でありました。

当時の正暦寺では仕込みを3回に分けて行う「三段仕込み」や
麹と掛米の両方に白米を使用する「諸白もろはく造り」、酒母の原型である「菩提酛ぼだいもと造り」、
さらには腐敗を防ぐための火入れ作業行うなど近代醸造法の基礎となる酒造技術が確立されていました。

これらの酒造技術は室町時代を代表する革新的酒造法として、
室町時代の古文書『御酒之日記』や江戸時代初期の『童蒙酒造記』にも記されています。

このように正暦寺での酒造技術は非常に高く、
天下第一と評される「南都諸白なんともろはく」に受け継がれました。
そしてこの「諸白」こそが現代において行われている清酒製法の祖とされています。
このことから現在の清酒造りの原点を正暦寺に求めることができます。

以上のような歴史的背景は正暦寺が日本清酒発祥の地であると言われる所以であります。


【参道】



【供養塔・墓石群】


本堂下にもこのような供養塔・墓石群がありました。
こちらは歴代僧侶のものだそうです。


【石段】


なかなか登るには厳しい石段は観世音菩薩の誓願の数にちなんだ33段と、
阿弥陀如来の誓願の数にちなんだ48段、合計81段になっています。
この石段をすべて登りきることで観世音菩薩と阿弥陀如来のご加護を受けられるとされています。


【本堂】


不定期で本堂は開扉されるようですが、
本日は閉まってました。


【境内】


奥の方に小さなお地蔵さんが祀られていました。


【鐘楼堂】





【鎮守社】



【お堂】


本堂下から更に奥に進むとあるお堂。
何のお堂なのか外から見た限りでは分かりませんでした。


【福寿院】




重要文化財。


拝観料500円で少し迷いましたがお堂を拝観させていただく。

通されたお堂には孔雀明王像と愛染明王像が祀られていました。


孔雀明王像は日本では高野山金剛峰寺と正暦寺しか
祀られていないと言われる貴重な仏像。

孔雀王という漫画が好きだったので、
この仏様に会えて嬉しかったですね。


孔雀はコブラなどの毒蛇の天敵であることから、
孔雀を使って毒物、災害から人々を守護する仏として信仰されている。

また孔雀明王は人の心の毒を食べると言われている。

どうか、私の心の毒を食べてください。
きっとお腹いっぱいになると思います。(泣)


堂内は撮影禁止でした。


【借景庭園】




緑でも充分美しい庭園ですが、
紅葉の時期は素晴らしい景色が堪能出来ると思います。


【護摩堂】


中には平成に造られた若い不動明王が祀られていました。
堂々とした体躯の不動明王像でした。

こちらも撮影禁止でした。


【御朱印】




あてもなく偶然に訪れたこのお寺。
予想以上に良いお寺でした。

こういう出会いがあるから神社仏閣巡りはやめられない。


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