三千院を満喫し上にある来迎院へ向かう。
所在地:京都府左京区大原来迎院町537
宗旨:天台宗
御本尊:薬師如来
創建:天仁2年(1109)
開山:良忍
【歴史】
当院は魚山橋の東呂川に沿つて山道を300米程登り
外界と隔絶した雰囲気をもつ天台宗の古刹である。
この来迎院のある大原は平安時代初期日本天台宗を開宗した
伝教大師最澄の直弟子の慈覚大師円仁(794-864)が
声明(仏教歌謡)の修練道場として開山した。
円仁が中国(唐)に留学した際、五台山(山西省)の太原を中心に
五台山念仏(声明)が流行していたのを学び、帰国後比叡山に伝えた。
この大原の地形は中国の太原と類似していたので声明の根本道場と定められた。
声明とは経文に音曲をつけて歌詠するもので、
音楽的な色彩が強く後の邦楽(今様・浄瑠璃・謡曲・民謡など)に強く影響を与えた。
藤原時代には俗化した叡山を離れた念仏聖が修業する隠棲の里となり、
寂源が勝林院(1013)を叡山東塔の堂僧であった
聖応大師良忍(1072-1132)が来迎院(1109)を建立した。
創建当時の来迎院は三尊院と称し多数の堂塔伽藍があったが、
応永33年(1426)11月火災で焼失した。
この後大原は上院来迎院と下院勝林院を中心として
坊が集落化する別所となり魚山大原寺と総称した。
平安時代末期来迎院を建立された良忍上人は円仁が伝えた声明を
統一し魚山流声明を集大成された。
この魚山流はその後天台声明の主流となる。
盛時には坊が49あったといわれ声明を修練する僧侶や貴族が数多く集まり
妙音のこだまする里として隆盛をきわめた。
そこで叡山は梶井政所(現三千院)を設置し(1156)魚山大原寺の統括を計った。
良忍上人以後来迎院からは湛智、宗快、喜淵などの声明理論家を輩出し
声明の本山としての血派を守り続けた。
【良忍上人】
良忍上人は13才で叡山に登り檀那院良賀(実見)に就いて出家し天台の教相と観心を学び、
園城寺禅仁に大乗戒を受け仁和寺永意に金剛・胎蔵・両部の潅頂を受け
顕教にも密教にもすぐれた聖であった。
平安時代末期の叡山は自他救済の仏道実践が行じ難くなったので
修行の地を求めて大原へ隠棲された。
大原隠棲後38才で来迎院を建てここに止住し、
如来蔵を建て大乗三蔵(経・律・論)をおさめた。
良忍上人は毎日法華経を読誦し大乗経典を書写し念仏六万遍を唱え、
手足の指を燃して仏に供養された。
さらに音無の滝(律川300米上流)で滝に向い声明を唱えられたり、
獅子が良忍上人の唱える声明の調べに陶酔し、
堂内をかけめぐり岩になって残った(獅手飛石)などの三昧行に精進された。
その結果永久5年(1117)46才の時念仏三昧中に阿弥陀仏から融通念仏の教えを授けられた。
融通念仏とは一人の念仏と衆人の念仏とが互に離通しあって往生の機縁となることで、
この教えをもって良忍上人は弟子達によって布教にあたらせ都や畿内にその教えは流布され、
やがて河内(大阪府)平野の大念仏寺を総本山として融通念仏宗を開宗するようになる。
良忍上人は、天承二年(1132)2月1日60才来迎院で入寂された。
【朱雀門】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/1f/5bfdaaee319195480e487b926c5245af.jpg)
三千院の朱雀門の表です。
石段とか苔生して何も手入れをされていないようですが、
これがまた「味」となって何とも言えない雰囲気なんですよ。
これぞ三千院の魅力の成せる業ですね。
【参道】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/28/4067eaf253089975f12b918f05127c17.jpg)
少し登り坂になります。
どうやらここに訪れる観光客は少ないようです。
【浄蓮華院】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/00/54c4883e35a8e939caed94ddd6fbfeed.jpg)
来迎院のすぐそばにある宿坊。
御朱印をいただけるということで裏手に回ってみたが、
何と言うかちょっと広い他人の庭に無断で入っているようで退散。(^^;
恐らく宿坊に泊まった者だけが本堂拝観出来ると思うので、
宿坊に泊まった時以外は御朱印をいただくことはしないことにした。
【山門】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/a9/f08fe8583060754249d6fb3ffaf9c4d0.jpg)
【参拝入り口】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/18/cf6cb10a38ab9c51e3d06d155d388113.jpg)
受付けで拝観料を支払い本堂へ向かう。
期待は高鳴る。
【鐘楼】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/df/8a4016cb30d5c030c208fe52da4e0f3e.jpg)
【本堂】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/76/5a6f096a33e4db0b7e31bc55dd2acd9c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/bd/59a027c450b425b48565ecfecb331cfc.jpg)
室町時代後期に再建されたものですが実に渋い。
これはいい。
早く近くで見たいとダッシュしたくなった。(^^
【内陣】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/eb/03f3b269a367a747437cec8b8aed1482.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/36/ed11f7e266b7236c6968bb49e9bdc094.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/61/6affdfe40d475ab7cdca12db4042a6ec.jpg)
これが凄いのなんのって。
全て重文の阿弥陀如来、薬師如来、釈迦如来を始め、
脇侍の不動明王と毘沙門天が文字通り脇を固めた仏様達に見惚れました。
20分以上ずっと見ておりましたが全く飽きませんでしたね。
写真撮影はOKなんで撮りましたが、
ちょっと暗いのでイマイチはっきりと撮れてません。(泣)
ということで是非とも生で拝仏していただきたい。(^^
【天女図】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/3f/73c587b0ae56945e9555bc69b52da1ce.jpg)
【如来蔵所蔵絵画春季特別公開】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/f1/c33af6f5aa2215824f88401f0eec99cf.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/e1/3d27c285f3a5fa0b0316498c5b5f6fb2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/60/1a27162694156d41773c88fcef46e011.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/f1/f8cc9cf4c407e5ba171a753b9f31fa2e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/a6/d0b06aeb218fa6007d1f1b1c716d4fda.jpg)
こちらも貴重なものを見せていただき大満足です。
【聖応大師良忍上人御廟】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/71/c58bf54c2a71c4ec534c097deaf4980e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/ae/90c65998d3ee04227fe1f4cd67caa12d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/17/f333f778321e20af5c389f10ae9690d2.jpg)
やはり御廟らしく寂しい場所にあります。
この三重石塔は重文です。
【鎮守堂】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/2f/99980f5e48d4d64422dac515bbe042f9.jpg)
【五輪塔】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/02/18e35ab7e4145a255dce309adbccafa6.jpg)
【地蔵堂】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/bd/4260e417855bddf1310bf918fc5efa54.jpg)
【如来蔵】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/0b/fd11712501e5df68ebdf426ae73dc22a.jpg)
上人創建と伝えられております。
【御朱印】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/2d/1597178c4eef7b6c815fc4b2bd8718fc.jpg)
何とも下手くそである。(^^;
習字の先生が見たら怒るでしかし。(苦笑)
このお寺は御朱印の墨書き以外はとても満足しました。(^^
でもライトな観光客は興味が薄いようで。
折角素晴らしい仏様達がいらっしゃるのに実にもったいない。
まぁ、大原に来る観光客の最大の目的は三千院であり、
大原の雰囲気を楽しみに来られているから仕方ないですね。
所在地:京都府左京区大原来迎院町537
宗旨:天台宗
御本尊:薬師如来
創建:天仁2年(1109)
開山:良忍
【歴史】
当院は魚山橋の東呂川に沿つて山道を300米程登り
外界と隔絶した雰囲気をもつ天台宗の古刹である。
この来迎院のある大原は平安時代初期日本天台宗を開宗した
伝教大師最澄の直弟子の慈覚大師円仁(794-864)が
声明(仏教歌謡)の修練道場として開山した。
円仁が中国(唐)に留学した際、五台山(山西省)の太原を中心に
五台山念仏(声明)が流行していたのを学び、帰国後比叡山に伝えた。
この大原の地形は中国の太原と類似していたので声明の根本道場と定められた。
声明とは経文に音曲をつけて歌詠するもので、
音楽的な色彩が強く後の邦楽(今様・浄瑠璃・謡曲・民謡など)に強く影響を与えた。
藤原時代には俗化した叡山を離れた念仏聖が修業する隠棲の里となり、
寂源が勝林院(1013)を叡山東塔の堂僧であった
聖応大師良忍(1072-1132)が来迎院(1109)を建立した。
創建当時の来迎院は三尊院と称し多数の堂塔伽藍があったが、
応永33年(1426)11月火災で焼失した。
この後大原は上院来迎院と下院勝林院を中心として
坊が集落化する別所となり魚山大原寺と総称した。
平安時代末期来迎院を建立された良忍上人は円仁が伝えた声明を
統一し魚山流声明を集大成された。
この魚山流はその後天台声明の主流となる。
盛時には坊が49あったといわれ声明を修練する僧侶や貴族が数多く集まり
妙音のこだまする里として隆盛をきわめた。
そこで叡山は梶井政所(現三千院)を設置し(1156)魚山大原寺の統括を計った。
良忍上人以後来迎院からは湛智、宗快、喜淵などの声明理論家を輩出し
声明の本山としての血派を守り続けた。
【良忍上人】
良忍上人は13才で叡山に登り檀那院良賀(実見)に就いて出家し天台の教相と観心を学び、
園城寺禅仁に大乗戒を受け仁和寺永意に金剛・胎蔵・両部の潅頂を受け
顕教にも密教にもすぐれた聖であった。
平安時代末期の叡山は自他救済の仏道実践が行じ難くなったので
修行の地を求めて大原へ隠棲された。
大原隠棲後38才で来迎院を建てここに止住し、
如来蔵を建て大乗三蔵(経・律・論)をおさめた。
良忍上人は毎日法華経を読誦し大乗経典を書写し念仏六万遍を唱え、
手足の指を燃して仏に供養された。
さらに音無の滝(律川300米上流)で滝に向い声明を唱えられたり、
獅子が良忍上人の唱える声明の調べに陶酔し、
堂内をかけめぐり岩になって残った(獅手飛石)などの三昧行に精進された。
その結果永久5年(1117)46才の時念仏三昧中に阿弥陀仏から融通念仏の教えを授けられた。
融通念仏とは一人の念仏と衆人の念仏とが互に離通しあって往生の機縁となることで、
この教えをもって良忍上人は弟子達によって布教にあたらせ都や畿内にその教えは流布され、
やがて河内(大阪府)平野の大念仏寺を総本山として融通念仏宗を開宗するようになる。
良忍上人は、天承二年(1132)2月1日60才来迎院で入寂された。
【朱雀門】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/1f/5bfdaaee319195480e487b926c5245af.jpg)
三千院の朱雀門の表です。
石段とか苔生して何も手入れをされていないようですが、
これがまた「味」となって何とも言えない雰囲気なんですよ。
これぞ三千院の魅力の成せる業ですね。
【参道】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/28/4067eaf253089975f12b918f05127c17.jpg)
少し登り坂になります。
どうやらここに訪れる観光客は少ないようです。
【浄蓮華院】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/00/54c4883e35a8e939caed94ddd6fbfeed.jpg)
来迎院のすぐそばにある宿坊。
御朱印をいただけるということで裏手に回ってみたが、
何と言うかちょっと広い他人の庭に無断で入っているようで退散。(^^;
恐らく宿坊に泊まった者だけが本堂拝観出来ると思うので、
宿坊に泊まった時以外は御朱印をいただくことはしないことにした。
【山門】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/a9/f08fe8583060754249d6fb3ffaf9c4d0.jpg)
【参拝入り口】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/18/cf6cb10a38ab9c51e3d06d155d388113.jpg)
受付けで拝観料を支払い本堂へ向かう。
期待は高鳴る。
【鐘楼】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/df/8a4016cb30d5c030c208fe52da4e0f3e.jpg)
【本堂】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/76/5a6f096a33e4db0b7e31bc55dd2acd9c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/bd/59a027c450b425b48565ecfecb331cfc.jpg)
室町時代後期に再建されたものですが実に渋い。
これはいい。
早く近くで見たいとダッシュしたくなった。(^^
【内陣】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/eb/03f3b269a367a747437cec8b8aed1482.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/36/ed11f7e266b7236c6968bb49e9bdc094.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/61/6affdfe40d475ab7cdca12db4042a6ec.jpg)
これが凄いのなんのって。
全て重文の阿弥陀如来、薬師如来、釈迦如来を始め、
脇侍の不動明王と毘沙門天が文字通り脇を固めた仏様達に見惚れました。
20分以上ずっと見ておりましたが全く飽きませんでしたね。
写真撮影はOKなんで撮りましたが、
ちょっと暗いのでイマイチはっきりと撮れてません。(泣)
ということで是非とも生で拝仏していただきたい。(^^
【天女図】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/3f/73c587b0ae56945e9555bc69b52da1ce.jpg)
【如来蔵所蔵絵画春季特別公開】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/f1/c33af6f5aa2215824f88401f0eec99cf.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/e1/3d27c285f3a5fa0b0316498c5b5f6fb2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/60/1a27162694156d41773c88fcef46e011.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/f1/f8cc9cf4c407e5ba171a753b9f31fa2e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/a6/d0b06aeb218fa6007d1f1b1c716d4fda.jpg)
こちらも貴重なものを見せていただき大満足です。
【聖応大師良忍上人御廟】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/71/c58bf54c2a71c4ec534c097deaf4980e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/ae/90c65998d3ee04227fe1f4cd67caa12d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/17/f333f778321e20af5c389f10ae9690d2.jpg)
やはり御廟らしく寂しい場所にあります。
この三重石塔は重文です。
【鎮守堂】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/2f/99980f5e48d4d64422dac515bbe042f9.jpg)
【五輪塔】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/02/18e35ab7e4145a255dce309adbccafa6.jpg)
【地蔵堂】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/bd/4260e417855bddf1310bf918fc5efa54.jpg)
【如来蔵】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/0b/fd11712501e5df68ebdf426ae73dc22a.jpg)
上人創建と伝えられております。
【御朱印】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/2d/1597178c4eef7b6c815fc4b2bd8718fc.jpg)
何とも下手くそである。(^^;
習字の先生が見たら怒るでしかし。(苦笑)
このお寺は御朱印の墨書き以外はとても満足しました。(^^
でもライトな観光客は興味が薄いようで。
折角素晴らしい仏様達がいらっしゃるのに実にもったいない。
まぁ、大原に来る観光客の最大の目的は三千院であり、
大原の雰囲気を楽しみに来られているから仕方ないですね。