写真師の「新カメラ日記」

JRP会員の橘が日々の事、撮影日記などを記録していきます。

カメラで何を撮り何を表現するのか

2009年06月04日 | 写真
5月31日の「しんぶん赤旗」読書欄の[本と人と]で丹野章さんの新著「撮る自由」が取り上げられ、写真家からの問題提起として「肖像権」と「撮る自由」の問題に一石が投じられている。
この記事の中で丹野さんは写真家にとってスナップや人が主役の写真が撮り難い状況にあることで、かつては世相を反映した写真が多かったアマチュア写真の世界でもカメラは人を避けて、すばらしい四季の美しさや動物・山・外国などに向かい、誰もが「・・・絵葉書やカレンダーを作ろうとしているようで行き過ぎだと思います」と語りカメラを持つものに撮ることの意味を問いかけています。
確かに私自身の意識のなかにもできるだけ問題を避けたいという部分があり、人物を撮る場合も写真のリアリティーを増すための点景として使ったり、横顔や後ろ姿を撮ることが多く正面から人の顔を撮ることはよほど必要な場合を除いてはまず無いと言ってもよい状況です。
そして人物写真と言えばイベントや祭り、そしてモデル撮影か外国でのスナップ写真が多くなっています。
「リアリズム写真」を標榜する日本リアリズム写真集団に所属する者としては一度真剣に考えなくてはならない問題を提起されていると感じる記事であり著書でした。
丹野章著「撮る自由」本の泉社刊 本体価格952円

今日の写真は荒れる竹林でボランティアを続けている方のタケノコ掘りの一場面です。
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