菜の花丼のために一本残したハクサイ
菜園をやっている人だけが食べられる丼を紹介する。「菜の花丼」だ。毎年春になるとこのネタを取り上げる。それだけ春を感じさせる自慢の一品だと私は思っている。この菜の花はハクサイである。菜の花といっても多くの種類がある。幾多の菜の花の味を試したが、ハクサイの菜の花がいちばんうまい。
ハクサイはトウが立ってくると引き抜いて放ってしまう。ハクサイの菜の花を見る機会はないはずだ。そのため菜の花を食べるには畑にいつまでもハクサイを残しておかなければならない。ほんとうはすべてきれいに片付けたいのが本心だが、菜の花を作るためにはどうしても残しておく。春には食べたい贅沢な一品なのだから、この春は1本だけ残しておいた。
菜の花丼の作り方はいたって簡単。本当にうまいの?と問われると、「春が来たなと感じさせる味だ」と言っている。お試しあれ。といってもなかなか手に入りにくい。自分で菜園をやている人は問題ないのだが、そうでない人は近く畑があれば分けてもらうという手がある。
きのうは、この菜の花を摘んだ。晩酌に「菜の花和え」、そして締めに「菜の花丼」を作った。まさに春だね。もうこれだけで十分春を満喫した気分になる。質素だが贅沢な食卓になった。
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