三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

竹田恒泰『語られなかった皇族たちの真実』

2006年05月07日 | 天皇

竹田恒泰『語られなかった皇族たちの真実』をおそまきながら読みました。
著者は男系天皇論者であり、旧皇族の皇族復帰を主張している旧皇族の人ですから、予想通りの内容でした。

なぜ、天皇は尊いのか。それは皇祖、つまり初代天皇の血を受け継いでいるからである。歴代の天皇は、皇祖の血を受け継いできている。それゆえに天皇は尊いのである。

神武天皇の血がありがたいわけです。
とにかく天皇や皇族は特別な存在だということです。

となると、旧皇族の著者も皇祖の血を受け継いでいるから、一般の人とは違うんだということになります。
そのあたりエリート意識が見え見えで、ちょっとねえ、という感じ。

でも、皇別摂家といって、五摂家のうち江戸時代に皇族が養子に入って相続した家(近衛家・一条家・鷹司家)、およびその男系子孫がいます。
こちらのほうが竹田恒泰氏たち伏見宮家とその分家の人たちより天皇の血は断然濃いはずです。

天皇や皇族がいなければ日本という国は成り立たない、その一例として戦争中の皇族の活躍(対米開戦を避ける、終戦工作をする、さらには東条英機暗殺を)が書かれています。

竹田恒泰氏は戦争責任をすべて東条英機に押しつけていますが、東京裁判史観に賛成なのでしょうか。

『昭和天皇独白録』によると、昭和天皇は東条英機に好意的です。

元来東条と云ふ人物は、話せばよく判る、それが圧政家の様に評判が立つたのは、本人が余りに多くの職をかけ持ち、忙しすぎる為に、本人の気持が下に伝わらなかつたことゝ又憲兵を余りに使ひ過ぎた。


あの時、非戦闘員の玉砕には極力反対してゐたが、世間では東条が玉砕させた様に、至つてゐる。

 

又彼が大東亜各地を飛んで廻つた事も、彼自身の宣伝の様に云はれて評判が悪いが、これも私の許可を得てやつた事である。

 

私は東条に同情してゐるが、強いて弁護しようと云ふのではない、只真相を明らかにして置き度いから、之丈云つて置く。


謡の先生は、家元制度はなくならないだろう、後継者がいなければ養子をもらえばいい、と話してました。

継承者がいなくて困っているのは現在の皇室だけではない。伝統芸能の家、代々続く老舗などでは男子がいなければ同じ苦悩を抱えている。

このように竹田恒泰氏は言うわけで、家を継承すべきだということなら、天皇家も女系でいいように思います。

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2 コメント

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男系じゃなきゃ伝統が保てないなんて (杉山真大)
2006-05-11 04:22:17
よほど硬直化して柔軟性を保てなくなっているんでしょうな。池坊なんて女性の家元になっているし、商家の婿取り(=女系)相続なんて昔からあったのですから、別段"伝統"なぞ男系だろうが女系だろうが現実には差し支えないのです。
竹田天皇よりも (円)
2006-05-11 16:01:46
コメントありがとうございます。

おっしゃるとおりだと思います。

私としては、竹田恒泰天皇より、黒田さんの子供が天皇になるほうがいいです。

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