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ひたすら手作業の果樹栽培 さくらんぼは凍霜害にあいながらも順調に生育中

2023年05月29日 | くだものの生産者

 田植え最盛期の山形県。種まきは機械で自動化され、主な管理作業は水やり。田圃では畔に除草剤を播き、肥料散布機で肥料を播き、トラクターで代かきし、田植えも苗箱を田植え機に積んだら機械まかせで、ほんの一部は手植えで補植する程度。除草剤を散布するので、稲刈りまでは水の管理のみ。途中の殺菌、殺虫はラジコンヘリで散布を依頼し、仕上げはコンバインで刈り取れば終わり。80代現役も多く、スマート農業を導入するまでもないほどに効率化された稲作農業。
 これに対して果樹はひたすら手作業。雪どけを待たずにのこぎりを使った剪定作業を行い、枝を集める。剪定後は、枝一本ずつすべてに手作業で摘蕾、摘花、摘果と何度も作業が重ねられていく。収穫前となれば仕上げの摘果、葉摘みと、これも枝一本ごとに行われる。防除にはスプレイヤー、草刈りには乗用式の草刈り機が導入されながらも、ようやく収穫となると、すべて細心の注意を払いひとつずつ摘み取られ、さくらんぼのバラ詰めであっても、一粒一粒詰め込まれる。高品質な果物づくりのためにはひたすらひたすら手数で勝負する果樹栽培。
 水稲や根菜類の栽培のように効率化、規模拡大ができないだけでなく、数カ月で収穫できる野菜や米などと違い、果樹は収穫まで10年近くも要するため、新品種や別作物の導入も難しく異常気象への対応も限りがある。
 今年も霜害で収量を落としながらも秀品率を高めて収入を確保するしかないのが現状。今年は開花が早い、つまり収穫期も早い。すると夜温が低い時期に収穫ができ、糖度が高く甘いさくらんぼになる可能性が高い。全有連生産者も余剰があれば、価格の安い一般市場に流すことに。これを最少にすることが収入確保の手立てなのです。

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