先週末、果樹農家の奥山さんが資材をとりに来ました。「奥山さん今年の遅霜はどうですか?」と聞くと「まだ何とも言えないけど、一昨年に似た気候だな」と顔を曇らせます。果樹農家にとっては半年分の収入を支えるサクランボが、今年は遅霜にやられそうなのです。
天童周辺でもここのところ毎日のように広報車が廻っていて「遅霜注意」を呼びかけています。一昨年全滅に近い被害を受けた阿部さんの畑が心配です。昨年は4月末には「もう蜂も飛んでいたので大丈夫です」の言葉どおり平年作でひと安心でしたが…。
奥山さんの地域は天童の成生地区です。農協の調べでは「一昨年を上回る不作になる」と注意警報が出ています。今年はどこも同じように不作になると想定されているようです。
蔵増地区の五十嵐さんの話ではみな戦々恐々のようです。五十嵐さんの手がける品種は大粒の「やまがた紅王」(べにおう)です。その「紅王」がもっとも危ないと言われているのです。
いまは霜対策を講じながら遅霜に向き合う構えでいます。第一波は3月31日ころでした。
その日に合わせての霜対策をしたのです。効力は一週間持つそう。第二波が間もなくきます。「昨年は紅王の実割れに効いたので、これに賭けてみる」というのです。
翌日の朝、屋根々を真っ白に染めて大雪が降りました。阿部さんの園地に行くと「雪でよかったですよ、雪ならまあ大丈夫だな」と一言。今日は霜対策しました、と安堵の表情。
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