緑のそよ風コンサート終了

2018年05月05日 | 日記
昨日「みどりの日」に、緑のそよ風コンサートを無事終えることができました。出演者一同、ご来場の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
実は、5月4日がみどりの日であることに、出演者4人とも全然気が付いていませんでした(爆)。ただ何となく「新緑の季節ですよね~」ということで自然に浮かんだネーミングだったのです。
それはともかく、4人でのジョイントコンサートを自主開催するのは初めてでした。主幹のM先生の力強いバックアップがあればこその企画でしたが、個性の異なる4人がそれぞれの持ち味を生かしつつ調和するコンサートにするためには、プログラミングに工夫が必要です。特に今回は、ピアニストのUさんにとっては長年のブランクからの復帰コンサートでもあったので、お客様に楽しんで頂くという大切な目的と併せて、M先生が曲目や演奏順などを吟味して下さいました。
コンサートはUさんの「トロイメライ」から始まりました。いつもながらUさんのトロイメライは絶品です。楽屋で聴いていると泣けてきました。続けて私の大好きなバッハの「イタリア協奏曲」の2楽章、3楽章。ややもするとだらだらになりやすい2楽章が胸に響いてきました。3楽章はスリリングなほどのアップテンポで、まるでカーレースを見ているようでしたが、まさに「血沸き肉躍る」という感じ。
Uさんのソロが無事終わり、フ~~と息が抜けていきました(まだ自分の演奏は始まっていないのに(笑))。続いてメゾソプラノのIさんが登場して、城ヶ島の雨、六騎、風の子供、たあんきぽーんき、4曲の日本歌曲が披露されました。Iさんはスローな曲も軽やかな曲も自在にこなします。よく練れた、素敵な歌声でした。
次が私の出番だったのですが、舞台に出たとたん、あれ、最初の曲何だっけ??とアタマの中がまっしろに。伴奏のM先生を見つめると、出だしのきっかけだと思われて前奏が鳴り出しました。ピアノの最初の音を聴いたとたん「あ、「お菓子と娘」だった!」と思い出した私は、何と前奏をすっとばしていきなり歌い出してしまいました(爆)。朝ドラばりの「やってまった!」なのですが、そこはお互い剛の者(?)、何事もなかったかのようにそのままどんどん先に進み、無事1曲終了。曲をご存じのお客様には当然バレていたでしょうが、こういう編曲だと思って頂くことにしよう、と心の中で呟きながら(笑)十八番の「からたちの花」へ進み、次は鬼門の「たんぽぽ」です。この曲は、どうしても「た」がうまく出なくて音程が狂うのが常だったのです。「あ」が短すぎるのよ、と指摘されるのですが、それを意識すると「たあんぽぽ」みたいになっちゃうし、何度やってもうまくいかなくてトラウマになっていました。あんまり考え過ぎると曲のイメージが無くなってしまうので、えーい、ままよと腹を括って歌ったら、音程は何とか決まりましたが、「たんぽぽ」の部分の声が出過ぎて、何だかオニユリみたいになっちゃいました(笑)。そして最後に「夢みたものは」。今の自分の心境に一番ぴったりな曲です。幸せは足もとにある、というメッセージに感謝と祈りをこめて歌いました。
前半の最後は二重唱です。さくらさくら、緑のそよ風、荒城の月、花、と春の歌を4曲メドレーで歌いました。歌っていてとても楽しかったです。やっぱり日本語の歌はいいですねえ。
休憩をはさんで後半。二重唱からスタートです。今度はドイツもので、モーツァルトの「春への憧れ」とシューマンの「田舎の歌」の2曲ですが、シューマンの方は昔アルトを歌ったことがあるため、アルトパートがしみついていて、ソプラノ先行の時につい待ってしまったり、アルトに無い歌詞が出てくるところがなかなか覚えられなかったり、練習ではいろいろ大変でした。本番は、やっぱり歌詞が飛んでしまったところがありましたが、何とか破綻せずに歌えて一安心。
次はIさんのソロで、ドイツ歌曲、ロシア歌曲(ドイツ語)、スペイン歌曲と彼女の真骨頂を遺憾なく発揮した曲目です。最後の曲の後にはブラボーが出ました。続いてUさんとM先生の連弾、「汽車は走るよ」という中田喜直の楽しい連弾曲(M先生はかつて、中田喜直先生とこの曲を連弾されたとか)と、ご存知「ハンガリー舞曲第5番」の2曲で盛り上がったところで、ラストステージは私のソロ。シューマン、ブラームス、シュトラウスとドイツ歌曲オンリーでまとめました。大好きな曲ばかりです。思い入れが強すぎると体が揺れて発声が崩れ、かえって表現をこわしてしまうので、なるべくセーブしたつもりですが、やっぱり体が動いてしまいました。まだまだ修行が足りません(-_-;)でも、ブラボーおじさんが親切にブラボーと叫んで下さいました(笑)。
アンコールとして最後に4人で「アメイジング・グレイス」を演奏して、約2時間のコンサートはつつがなく終わりました。終演後、ダッシュでロビーに向かい、お客様にご挨拶。たくさんの友人知人が声をかけてくれました。思いがけない顔もあり、皆さんとても楽しんで下さったようで、こういう触れあいの時間が本当に嬉しいですね。
終演後は、IさんとUさんはそれぞれ遠方から駆け付けられたご親族とお食事に。私はM先生と、今回もスタッフをやってくれたアシスタントのSさんの3人で回転寿司で打ち上げをしました(笑)。M先生は今回も、最初のUさんのソロ以外は出ずっぱりでした。その上「明日は福岡で本番」と仰るではありませんか。まったく、あのエネルギーはどこから来るんでしょうね?いずれにしても、企画から本番まで、M先生のお支え無しにはあり得ないコンサートでした。今日からまた、コツコツ精進していきたいと思います。
5月12日には熊本県立劇場コンサートホールでM先生のピアノリサイタルがあります。お時間がおありでしたら、どうぞご来聴下さい。いろんな意味で型破りのコンサートになると思います(笑)。