今日という一日

書くことが大好き!日々の気づきを楽しく書いていきます。

夕去り

2008-09-30 23:14:51 | 茶道ときもの
日曜日(9/28)、ひろみさんにお借りしたお着物を着て、夕去りの茶懐石に出発。1週間前の予行練習でイメージトレーニングはバッチリ。折敷が出てきたら、飯椀の蓋と汁椀の蓋を同時に取って、汁の蓋を飯の蓋にかぶせて右側に置いて、飯を一口食べて……、と電車の中でお作法をぶつぶつ復習しながら目指す新大久保の駅に着いた。先生、ひろみさん、美知子さん、みんな綺麗にお着物を着て余裕たっぷりで登場。私大丈夫かな?まぁなんとかなるでしょう。今日は茶懐石の流れを経験するのが目的だから、何事も勉強勉強。

茶懐石は「益田屋」というお茶道具屋さんの3階にある、正芳庵茶室で行われた。本格的な茶室の隣に大きな厨房があって、ここで料理が作られていた。本日の参加者は9名。誰が正客をやって、誰が亭主をやるのか、その場で相談が始まった。相談と言うよりも、とっても遠慮深くて謙虚な押し付け合い(?)ちょっと言葉が不適切だけれど、これはお茶会に行くと必ず行われる年中行事のようなものと思っている。この役だけは熟練者じゃないと務まらないので、初心者の私は成り行きを見守る傍観者の気持ち。

さて本日のお献立の発表です。

 裏千家茶事教室 お献立    

向付      新子烏賊酢味噌掛け  浅月  花穂
汁       石川芋  辛子
椀       萩新薯  三つ葉  柚子
焼       かます幽庵焼
焚       鰻豆腐  焼き茄子  菊菜  菊花  針生姜
預       印元  蓮根  笹身  黒胡麻和え
小吸物    茗荷
八寸     黄身西京漬け  冬瓜
香の物    三種


お料理はさすがプロの技、見た目も味付けも素晴らしかった。ご飯が3回出てきたが、炊き具合が3回とも違った。最初は柔らかめで、その後普通、最後は少し固めのご飯が出てきた。当時から日本人はご飯の炊き方にこだわりがあったんですね。ところで茶懐石ではかなりのお酒が振舞われ、亭主は客を一人ずつ回り、客の酌を受けるので、お酒も強くないと務まらないことを知った。「千鳥」っていうお作法があり、客の間をお酌を受けながら行ったり来たりするお作法なのだが、これマジに酔っぱらっていたら話になりません。

「夕去り」とは日が暮れる景色の変化を楽しむ茶事なので、日が暮れてからお茶席が始まるのです。今回は食事が終わった段階で一度退席し、その間に茶室を暗くして夕方の薄暗がりを演出してくれる凝り様でした。つくばいで手を清めて、にじり口から入ると、行燈のろうそくの火がゆらゆらと室内でゆらめいていて、何とも幻想的。この美意識の高さは日本人の誇りですね。この完成された空間に座っていると、自然と背筋がピンと伸び、緊迫感のある空気の中でお茶をたてる音だけが静かに流れ、目をつぶると、ふすまの向こうから江戸時代の茶人や武士が現れそうな錯覚に陥りました。

ろうそくの火に導かれ、茶道の奥深さに魅了された1日でした。日本人で良かった!

美知子庵

2008-09-24 23:41:04 | 茶道ときもの
日曜日(9/21) は、来週参加する本茶懐石「夕去り」の予行練習のために、美知子さんが本番さながらの茶懐石を自宅で準備してくれました。あまりにも見事な御献立だったので紹介します。

御献立

向付   刺身盛り合わせ(鮪 鯛 烏賊)  茗荷 菊の花 胡瓜

汁     合わせ味噌  青のり  京胡麻豆腐  三つ葉

飯    1ッ盛り 

煮物椀  枝豆信田と比内鶏の炊き合わせ

焼き肴  鰆西京漬け  はじかみ生姜

預け鉢  北あかりビーフシチュー
      (くりぬいたジャガイモの中のビーフシチューをお楽しみ下さい)

強肴(しいざかな)  紅鮭博多(伏見) ゴボウ鰻巻き かに茶巾

強肴(しいさかな)  栗仕立てほや薫製 

箸洗い  一口吸い物  うに豆腐 紅葉ゆり根 枝豆 ジュンサイ    
    
八寸    アワビ礒煮  からすみ  きゅうり金山寺味噌添え

香の物  沢庵 壬生菜 柴漬け

湯桶 

生菓子

お濃茶

干菓子

薄茶 


改めて献立を見直してみて、凄すぎます、美知子さん。それから今日これを書きながら気づいたのですが、ここに書かれているお料理を3日経った後でも全部覚えているし、味までちゃんと思い出せます。これはスゴイ!亭主のおもてなしの心が客を感動させるというのはこういうことなのでしょうね。時間をかけてこれだけのものを準備し、客を損得抜きでもてなすという心意気にただただ感動(涙)。これは本番以上ですよ。

美知子さん、素晴らしい1日をありがとう!


命日

2008-09-23 23:13:44 | 家族
今日は父の26回目の命日。

父は26年前50歳の若さでこの世を去った。

ガンが発覚してから約半年間闘病生活を送り、少しずつやせ細り、少しずつ食べれなくなり、少しずつ痛みを訴えるようになり、少しずつ言葉数が少なくなり、少しずつ声がかすれ始め、少しずつ小さくなって小さくなって、そして居なくなってしまった。

死を宣告されても動揺することなく、自分の天命を受け入れて、まるで悟りを開いたかの様に穏やかな表情のまま、父はお彼岸のお中日に静かに一人で逝ってしまった。

病室で毎日何を思っていたのか、死の恐怖にどうやって立ち向かっていたのか、何も話さずにただただその時が来るのを待っている父だった。聞きたいことは沢山あるけれど、多分今会って聞いても、何も話さずに静かに笑っているのだろうな。そんな父だったのです。

合掌


NZ旅行記 クィーンズランド3日目アミスフィールド

2008-09-13 18:35:34 | ニュージーランド

最後に行った「アミスフィールド」は大型観光バスも止まっているようなワイナリーで、セントラル・オタゴの代表格っぽい感じだった。少し小高いところにあって眺めも最高!ピノも美味しい!商売っ気も一番あってワインがどんどん売れている。同じバスのNZ人も小野さんもワインを買い始めたのを見て、私も白赤取り混ぜて6本買った。1本NZ$30だから高級ワインだ。

結局4軒回ったが、軍配はここに上がった。というか人間の心理として最後に買う人が多いんじゃないかな。これきっと戦略があるんだろうな。とりあえず念願のワインも買えたし、日本へ帰ってからの楽しみも増えた!

     

さてこの頃には私たちは例のNZ人と写真を撮り合ったり、一緒に写真に納まったりするようになっていた。私たちが「マオリ」と呼んでいた、「おっさん」じゃない方のNZ人はセミプロのカメラマンらしく、バスの中からでもワイナリーでもずっと写真を撮り続けていた。

バスで来た道を戻り、見覚えのある景色が現れ始めた時に、「マオリ」が私たちに言った。「僕達はこれから ○×△ っていうパブで飲むんだけど君達も一緒に来て飲まない?僕達は仲間といつもそのパブで飲むんだけど、サイコーにいけてるパブで、めっちゃいい感じだから君達もまじ気に入ると思うよ。超ごきげんなパブだから、まじ行かないと後悔するよ。Come on!」現代日本語に翻訳するときっとこんな感じ。だってCOOL って単語を10回ぐらい使っていたから。

「Sounds great! But let me think about ……」って言いかけてる私の隣で小野さんが、「OK!  We are going !!」、って言っているのを聞いた。「えっ、えっ、えっ、行くのぉ?」 軽くビックリしている私の隣で小野さんがどんどん話を進めている。いつも正義感にあふれ、不届き者をバッサバッサと切り捨ててきた小野さんだから(もちろん仕事上のことですよ)、こんな誘いには絶対のらないだろうなと思っていたので意外だった。バスは意外な展開を乗せてホテルに到着。

ところで、あれー、ナンパされたの、私たち?

ナンパ編につづく

 


NZ旅行記 クィーンズタウン3日目アロータウン

2008-09-10 21:31:43 | ニュージーランド

4軒目のワイナリーに行く前に、アロータウンに立ち寄った。ここはその昔1860年代にゴールドラッシュで栄えた街で、開拓時代の面影が残っている街だ。博物館やおしゃれなカフェやレストランで観光客に人気の街になっているらしいが、今回は通過しただけ。へたくそな写真だけど、雰囲気だけ見て楽しんでください。

     

     

    

    

街をゆっくり見る時間がなくて後ろ髪を引かれる思いだったが、仕方がない。今度来た時にゆっくり見ようっと!完全にもう一回来るつもりになっている私。

さて残すは最後のワイナリーだ。まだワイン買っていない。いいワインにめぐり合えるかな?

もう少しつづく


NZ旅行記 クィーンズタウン3日目ワイナリー

2008-09-09 22:04:47 | ニュージーランド

2軒目のワイナリーは、1軒目のクラッシックな手作り感のあるワイナリーとは正反対で、遠くから見るとソーラー電池の巨大温室、入り口は現代アート美術館のような外観だった。

     

ワイン樽の保存方法も現代的で、ガラスケースのような室内に巨大な樽が平置きされ、整然と並べられていた。21世紀のワイナリーって感じだが、何から何まで掟破りな感じがして、人工的な空間と私の中にあるワイナリーのイメージが一致しなくて居心地があまり良くない。ただこういうのも「あり」なんだなというのは勉強になった。酒屋でワインを買っているだけじゃ絶対分からないこと。

      

ワインテイスティングもお洒落なワインバーで飲んでいるような雰囲気。やっぱりここでも白3種類と赤のピノが出てきた。白は何だかよく分らなくなってきたが、赤はさっきのよりもこっちの赤の方が深いんだけど飲みやすい。人工ワイナリーも悪くないのかも。 

      

さて三軒目、ここは全くやる気なしのワイナリーだった。お店の人が私たちのテーブルに座りこんで、「全く暇でさぁ、今日は客も来ないしもう締めちゃおうかと思うんだよね」とか平気で言っている。何か勘違いしているんじゃございませんか?どうして客があんたの愚痴につきあわなきゃいけないんだよ!そんなんだから客が来ないんだよ!!! やる気出せーーー!

ちょっとイライラってしていたら、日本人の若い女の子が二人レンタカーでふらっとやってきた。カウンターで静かにワインをテイスティングして、お買い上げして帰って行った。キャー、カッコいい、やるなぁ、日本人女子!

     

テイスティングとは言え、4杯×3を既に飲んでいるのだが、何か調子いい。元々アルコールは強くないけどまだいけそうだ。

さぁ、次はどこかな?

まだつづく 

      

 


NZ旅行記 クイーンズタウン3日目ギブストン・ヴァレー

2008-09-07 11:14:41 | ニュージーランド

「あいのり」バスに揺られること30分余り。真っ直ぐな一本道を雄大な景色を見ながらひたすら真っ直ぐ走ったら、ごく自然に最初のワイナリー「ギブストン・ヴァレー」に到着した。あまりにもあっけなく到着したので少々拍子抜け。

     

     

セントラル・オタゴと言われる地域は世界最南端にあるワイン生産地として知られていて、特にピノノワールは極上ワインとして世界からも注目されているらしい。ギブストン・ヴァレーは国内最大と言われるワインカーブがあって、カーブの中に入ることができた。

     

ガイドの女性の説明を聞きながら、まずは白3種類をテイスティング。リースリングから始まって、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランを試した。こうやって順番に試してみると同じ白でも全然違うことが分かる。最初はソーヴィニヨンブランの青臭い味にちょっと抵抗を感じたが、その後これが私の一番のお気に入りになった。

そして、「さぁ、これがお待ちかねのピノノワールよ」と真打登場したピノをありがたく頂いた。ガイドの女性の鋭い眼光と自信に押されて「美味しくない」とはとても言えない雰囲気。実際美味しかったのだが有無を言わさぬ迫力にちょっと怖気づいた。真剣勝負だ。私以外の3人はワインには一言あるみたいで、私には理解できない質問をしている。なんか通っぽい。一人蚊帳の外で、「みんな何話してんのぉ」と既に4杯飲んで酔っ払い始めた私は、ケーブという異空間の雰囲気も相まって、意味もなく楽しくなってきた。

ケーブを出て隣接のレストランに向かった。光が燦燦と降り注ぐ明るいテーブルが4人分用意されていた。あれっ、一緒にランチするの?えー、メンドクサーイ。 急にトーンダウンした私だったが、仕方がないのでテーブルについて、仲良くおしゃべりしようと腹を決めた。

さっきバスの中でオークランドから来たって言っていたように聞こえたけど、オークランドなのかな、オーストラリアなのかなと思って、開口一番、「オーストラリアから来たんですか?」と無邪気に聞いてみた。するとムッとした顔つきで、「僕達はニュージーランド人だ。君は今取り返しのつかない大きな間違いをしたんだぞ。いいか、オーストラリアとニュージーランドは全く違うんだ。決して間違えてはいけない。これは日本人を韓国人と間違えるのと同じだ」、と怖い顔で言われた。そんなに怖い顔しなくてもちょっと間違えただけじゃんと思って小野さんに救いを求めたら、小野さんも「全く馬鹿なこと聞いて」、という感じであきれた顔で失笑していた。そういえば小野さんが旅行中何度か「ニュージーランド人はオーストラリア人が大っ嫌いなのよ」、と言っていたのを思い出した。こういうことなのか。すみません、無知なもので。。。大失敗!

私達がこっそり「おっさん」と呼んでいたかなり髪が寂しくなっている方のex-girl friendが日本人で、偶然にも私と同じ名前であることをコクられた。懐かしいような寂しいような目でおっさんは私を見つめて話しているが、こっちにとっては全然嬉しくない偶然。それよりも日本人がここでも活躍していたかと、またまたNZとの距離の近さを感じた。

1時間前にたまたま同じバスに乗っただけの人達と一緒にランチをするというのは、状況として無理があるよなぁと感じながら、ちょっとぎこちないランチではあったが、当たり障りのない話をして楽しんだ。一つ面白かったのは、ニュージーランド人の中にべジマイト派とマーマイト派がいるのを知ったこと。途中からバスガイドの女性がランチに参加してきて、「あなたはどっち派?」なんて聞いて盛り上がっていた。日本人だったら「赤味噌派?それとも白味噌?」、なんて感覚なのだろうか?べジマイトとマーマイト、どっちも食べたけど、う゛ぇーーーー。でもどっちか選べと言われたら私はマーマイトです。皆さんはどっち派ですか?(どうでもいいけどね)

レストランの横にチーズやみやげ物を売っている売店があって、お約束どおり覗いてみた。レジのNZ人女性は先月まで高知県に住んでいてジオスで英語を教えていたらしい。日本語もとっても流暢。いい加減、私もこの状況にもうあんまりビックリしなくなってきた。

そして「あいのり」バスは次のワイナリーを目指して出発したのであった。Let's GO!

まだつづく