北京1日観光で同じバスに乗り合わせたメンバーです
エジプト人のビジネスマン2名とインド人のおばあさんとお孫さん姉妹2名とクリスティーンと私。
インド人のファミリーは国際ファミリーで、お姉さんはロンドンで働いていて、妹は北京で働いていて、
おばあさん(76歳)は、インドからたった一人で飛行機に乗ってやってきたそうです。
インド人で、しかも女性が海外一人暮らしをするなんて、相当特別な、恵まれた家庭の人たちだと思うけど、
女性は強しですね~。
そして私たちはどこにいるかと言うと、中国療法をやってくれる有名店にいます(連れてこられた)
そして、脈拍を取るだけで、その人の何が悪いかを言い当てて、その人に必要な漢方薬を処方してくれるという
先生をここで待っているのです。
怪しい雰囲気がプンプン。カモが7匹も連れられてきました。
まず登壇したのは、30代ぐらいの肌つやのいい医師。この施設の素晴らしさと東洋医学のミラクルさを熱く語り、
その後で、うわさの大先生が英語の通訳の女性を連れて現れました。
よっ、待ってました!
先生は軽~く私の脈を取り、憂いを帯びた神妙な顔つきで、通訳の女性に何かをボソボソ伝えます。
『な、何だ???』 とドキドキしていたら、通訳の女性に「睡眠障害はありませんか?」 と言われた。
「いいえ」 だって寝つきは自慢できるぐらいいいです。
私の返事を通訳して先生に伝えると、次の質問がきた
「頭が痛くなることはありませんか?」
「いいえ」
また脈を取って、何かをボソボソ伝えている。
「内臓はどうですか?消化はいいですか?」
「あっ、消化はそんなに良くないです」
私の答えを聞いて、先生は、ハッと意を得たりと言う表情になり、通訳の女性に何やらいろいろ話し始めた。
それを聞きながら通訳が、漢方薬のリストの上に丸を付け、おもむろに私にそのリストを渡し、
とうとう始まりました、漢方薬営業トーク。
『結局こういうことか、分かってはいたけど、やっぱり薬を売るのね』 と思いながら女性の話を聞いていたのですが、
その時の先生と通訳の表情が演技そのものに見えたのは私の錯覚?
『心からあなたの体調を気の毒に思い、何とかしてあげたいと思っています』 という雰囲気がありありと伝わってきました。
これは良くないビジネスですね。人の弱みに付け込んだ○○商法と同じ。
大体、脈取っても、悪いところ言い当てられなかったし、何回か質問を繰り返せば、そのうち当たるに決まってんじゃん。
そんなのを信じるほど、バカじゃないんですけど…。
でも相手は高名な先生らしき人なので、十分敬意を払って、お礼を言い、
「今回は結構です」
と言ったら、さっきの神妙な顔がさっと変わり、椅子を持ってとっとと出て行ってしまいました。
変わり身が早いっ!
中国は謎だらけです。