今日という一日

書くことが大好き!日々の気づきを楽しく書いていきます。

アラスカへの旅 - 序章7

2009-08-30 10:23:12 | アラスカ

青崎涼子さんの短いイントロダクションの後で、上映会は始まった。

このDVDは、湯口公さんという飛行作家によって製作されたもので、彼は航空自衛隊のF-15戦闘機パイロットだった時に、アラスカ州で実施された演習に参加して、アラスカに魅せられ、パイロット職を辞して、家が一軒買える位の中古の飛行機を買って、飛行作家として活躍している人らしい。

兎にも角にも、スケールが違いすぎる。飛行機を自分で買って、アラスカを飛び回っている日本人がいるなんて。途方もなさ過ぎて、現実感が沸かず、空中から撮影した映像にフワフワと乗って、夢旅行をしているような感覚になった。

映像の中のコメントにあった、「好きなことをやりたいのであれば、一歩前に踏み出せば実現する」 という言葉に頷いた。

映像が終わると、涼子さんから今回企画した3つのアラスカ旅行についての説明があった。

涼子さんのいでたちは、潔良い程のシンプルさで、アウトドアとアラスカから連想されるイメージと重なった。

淡々とアラスカの素晴らしさを語る口調には、静かな自信が感じられた。単にアウトドア好きが高じてこの仕事をやっているというよりも、もっと知性のようなものを感じた。一体どういうバックグラウンドの人なんだろう、どんなすごいものを見てきた人なんだろう、と涼子さんに対する興味が沸いてきて、この人と一緒に旅行ができたら素晴らしいだろうなと思った。

実はアラスカ行きは、DVDの映像を見始めた、5分後ぐらいにはもう決めていたような気がするのだが、涼子さんが言ったこの言葉がダメ押しになった。

「朝起きて、テントから見る景色がこれです。これは銀座の高級ホテルに泊まるよりも、ずっと贅沢なことで、お金では買えないものです」

決まった!と思った。


アラスカへの旅 - 序章6

2009-08-27 19:03:48 | アラスカ

『こんなところに本当に旅行代理店が?』

新宿御苑駅を出て、地図を片手に歩くこと数分。人通りの少ない住宅地のようなところに入ってしまい、一瞬間違えたのではと不安になり、引き返そうかと思った矢先に地球探検隊の三角看板が目に入った。

『ここ?』

ビルの入口は、地方によくある学習塾のような外観で、私のイメージの中にある旅行代理店のそれとはかなり違うものだった。オフィスのある2階を見上げ、一瞬戸惑ったが、ここまで来て帰るわけにはいかない。慎重に一歩一歩、外階段を登って2階に行くと、入り口から入りきれないほどの数のお客さんが、今や遅しと上映を待っているのが見えた。まるで自主作成映画の上映を待っている映研の学生といった雰囲気。言うまでもなく、みんな若い!

『完全に場違いなところに来てしまった。どうしよう…』 

会場から溢れてくる熱気に圧倒され、中に入れなくて立ちすくんでいる私の背中を押してくれたのは、スタッフの女性の笑顔だった。

「○○様ですよね。今日はお忙しいところありがとうございました。今日はかなり混んでいてご迷惑をおかけしますが、あちらに席がありますので、どうぞお掛けください 

あー、よかった。声かけてもらえて助かった!こんな素敵な笑顔で対応してくれるスタッフがいる会社なら、間違いなさそう。

勧められた席にぎこちなく座り、部屋中に貼ってある写真を眺めていたら、青崎涼子さんが登場し、ほどなくして、上映会が始まったのでした。


アラスカへの旅-序章5

2009-08-26 20:49:52 | アラスカ

「アラスカねぇ」、と思いながら、マウスをクリックして、PCの画面に現れた写真に目が釘付けになった。

 「氷河を海から眺めたい! 夏のアラスカ シーカヤックキャンプ」~ シーカヤック、原野キャンプ、氷河、海の野生動物 ~

さっきまで見ていたモンゴルの茶色の景色とは違い、海の蒼さ、空の蒼さ、氷の蒼さが目に飛び込んできた。モンゴルの写真から漂ってくる、土、草、馬の匂いとは全然違う、どこまでも透き通った冷たい空気の匂いを感じた。

「あっ、やばい」、と直感的に思い、サイトを閉じて、あわててモンゴルの景色に戻ろうとしたが、一度見てしまった氷河の蒼さがイメージの中にしっかり焼きついてしまった。

DVD上映会に行ったら、きっとアラスカに行きたくなるような予感がし、「これはまずいことになったぞ」と、一人で勝手に葛藤した。

ずっと大好きだった恋人を、「もう愛していない(by 貴乃花)」、と言って、あっさり捨てて、突然現れた青い眼の外人に、急に心変わりをする不義理な女になったような気持ち。だけど、モンゴル青年も私の方を振り向いてくれないんだから、お互い様よね、なんて一人芝居をしながら、DVD上映会に行こうかどうしようかと考えながら、数日が過ぎた。

考えていても仕方がないので、百聞は一見にしかず、行ってみるか、と決断したのは、当日のお昼すぎ。電話をかけて、まだ席が空いているかどうかを確認し、場所を聞いて、新宿まで出かけていき、そこで青崎涼子さんに出会ったのです。


アラスカへの旅 - 序章4

2009-08-25 19:06:21 | アラスカ

 「モンゴル騎馬隊への参加を決めたので、予約したいのですが」

「実は申し上げにくいのですが、週末に申し込みがあり、残りの2席が埋まってしまったんですよ」

「えっ………

「キャンセル待ちにお名前を入れるのであれば、お早めに申し込まれた方がいいと思います」

「はぁ………

そんなバカな…。電話を切って、しばらく茫然自失状態。しまった!すぐに決断していれば…。週末を挟んでの、この数日間の葛藤は一体何だったのか?

予想外の展開に、行き場を失ってしまった私のモンゴルへの想いが宙をさまよった。

運命的な出会いだと思って決断したのに、この仕打ちはひどすぎる。でも運命ならきっとキャンセルが出て、行けるはず、と運命を信じて連絡を待ったが、一向に連絡が来ない。

やっぱりダメなのかなぁ、と諦め始めた頃に、地球探検隊からメールが届いた。

たったひとつの風景で、人生は変わるかもしれない
 ~アラスカ極北飛行 DVD上映会のご案内~

アラスカ?興味ないなぁ…。 アラスカじゃなくて、モンゴルなんだけど… と、まだこの時はモンゴルへの思いを引きずっていたのでした。


アラスカへの旅 - 序章3

2009-08-24 18:33:28 | アラスカ

モンゴル騎馬隊の日程、旅費は何とかなることが分かった。後は決断するだけ。

ここまではトントン拍子で来たのだが、一つだけ気がかりなことがあった。それは、「馬が怖い」ということ。

いざ、馬に4日間乗り続けるという現実を考えると、「大丈夫なんだろうか」という不安が過ぎり始めた。昔カナダのバンクーバーで馬に乗って、泣きそうになった経験がトラウマのように蘇ってきた。

地球探検隊の、「初心者の方も沢山参加していますので、問題ないですよ」という答えを聞いても、いま一つ心が晴れない。

怖い思いをするために、馬に乗ろうと考えた割には、いざとなったら馬が怖くて決断できないなんて、どこまで間抜けなんだろうか。

変なところで負けず嫌いな私は、自分の気持ちを高めるために、いろんな人に話して、モンゴル行きを既成事実にしてしまえばいいんだと思い、早速友人にメールを送ってみた。

「モンゴルに行くことにした!」

「モ、モンゴル!? い、いいかも…。それにしても大胆だなぁ」

うん、なかなかいい反応。驚かれると気持ちが高まるぞ。

週末のゴルフの仲間にも、モンゴルの話をしてみたら、「何でそんなことがしたいのか、さっぱり理解できない」と、呆れられた。

上等じゃん!こうなったら意地でも行ってきてやる!

よし!やっぱりここは運命に逆らわずに、モンゴルだ!と決断し、週明けに地球探検隊に電話をしたら、予想外の答えが返ってきてしまったのです。


アラスカへの旅 - 序章2

2009-08-23 18:21:04 | アラスカ

「それだったら、地球探検隊で行くといいですよ」

「ち・きゅう・たん・けん・たい?」

同じ射手座でB型の会社の同僚は、年齢こそ一回り以上違うのだが、人生や旅行に対する価値観が似ているところが沢山あり、迷うことなく彼女に相談してみたら、この答えが返ってきた。

「何だか怪しそうな名前。それって大丈夫なエージェントなの?」

「大丈夫ですよ。私はイギリス留学中に、多国籍ツアーに参加してモロッコに行ったけど、すっごく楽しかったですよ!」

それならばと、早速ネットでチェックしてみたら、確かにネーミング通り、地球を探検するための、様々なツアーが並んでいた。その中に、これ以上直球ど真ん中なツアーはないと思えるものを見つけた。

『モンゴル騎馬隊』

キター!これだ!これしかない!

実は落ち込んでいた時のもう一つのテーマが、「馬に乗る」ということ。どうやってこの落ち込みから抜け出そうかと考えた時に、「死ぬかと思った」というほどの恐怖を味わえば、抜け出せるかなと思い、「そうだ、馬に乗ろう」と単純に考えたのです。今思えば浅はかな考え。人間、落ち込んだ時はろくでもない事を考えるものですね。

とにかく、モンゴルだし、馬だし、「これしかない!」、と思った私は、早速電話で空席確認をしたら、2席空いているとの回答。ひとまずホッとして冷静になり、見積もりを出してもらうことにした。

「そうだ、旅行に行こう」と考えてから、モンゴル騎馬隊に行き着くまで、わずか半日。運命の出会いだとしても、さすがに日程、旅費、ツアーの内容をきちんと冷静に考えようと思ったのでした。

しかしこの決断の遅れが、次なる運命に繋がったのでした。


アラスカへの旅 - 序章1

2009-08-21 16:39:46 | アラスカ

『アラスカに行こう!』

と決めたのは、全くの偶然の成り行き。ある事件をきっかけに、大いなる勘違いと思いこみから深く落ち込んでいた私は、気分転換を求めて、「そうだ、旅行に行こう!」と、突然思い始めたのが2ヶ月前。でも、それまで何も考えていなかったので、行き先が思いつかない。「どうしよう」と考えていたら、会社の同僚が尋ねた。

「ずっと行きたいと思っていた国とかないの?」

「行きたい国ねぇ……。うーん…… あーっ、ある!モンゴルだ!」

そうだ、モンゴルがあった!モンゴルはずーっと昔に聞いたある話をきっかけに、ずっと行きたい、いや行かなければいけないと思っていた国なのです。

その当時、私は地元の自動車部品メーカーに勤めていて、海外からのお客さんを対象に工場見学の案内をするのが私の仕事の一つ。ある日のお客さんは、モンゴルからの国費留学の医学生グループで、その中に遊牧民出身の男性がいて、休憩時間の話題に私は度肝を抜かれてしまい、その時から私のモンゴルへの興味が始まりました。

彼の話は遊牧民をしている家族に会うときの話。遊牧民は定住地を持たずに、どんどん移動してしまうので、彼はモンゴルに帰省しても、元の場所に家族がいるとは限らないのです。じゃあ、一体どうやって自分の家族を探すかを、身振り手振りを加えて説明してくれました。

「移動する前に家族が住んでいた地域の郵便局に行って、『私の家族はどこに行きましたか?』と、聞きます。そうすると、あっちの方と方角を指差してくれるので、その方向に向かって車で2日間ぐらい、大体200~400キロぐらい走れば家族を見つけることが出来きます」

「はぁ………!? あっちの方向に向かって200キロ?車で2日間?見つかるんですか?」

「はい、今まで見つけられなかったことはないので、問題ないです」

ぽかーんと口を開けたまま、言葉が出てこなかったのを覚えています。自分の想像をはるかに超えたスケールに驚愕し、モンゴルの遊牧民生活に興味を覚えて、現地に行ってこの感覚を味わいたいとずっとずっと思いつづけていました。

よし、モンゴルに行こう!今まさにこの思いを実現させるチャンスが到来した!と直感し、「今だ」と思ったのですが、一体どうやってモンゴルに行って、どうすれば私が思い描いていたモンゴルを見ることができるのか、次なるアクションが思い浮かばず半日が過ぎジリジリしていたところ、モンゴルへの道は意外なところから光明が差し込み始めたのです。 


I am back from Alaska

2009-08-19 20:38:40 | アラスカ

「お帰り~! お疲れ様! 無事でよかった!

皆さんにお気遣いいただいた私のアラスカ大冒険旅行は、無事に終了し、怪我もなく、事故もなく、熊に遭遇することもなく、生還しました。一息深呼吸(フー)

アラスカに行こうと突如決めて、申し込んだのが7月5日。それから出発(8月9日)までの1ヶ月間、スポーツショップをはしごして買い物に明け暮れ、星野道夫の本を読んで遠いアラスカに思いを馳せ、「into the wild(DVD)」を見てちょっぴりアラスカが怖くなり、トレッキングシューズを履いて出勤し(足慣らし)、新しい防水用デジカメと双眼鏡を買い、旅行中に読む本を準備して、生まれて初めてのカヤックに備えて葉山でカヤック1日体験に参加してと、盛りだくさんのスケジュールを精力的にこなし、山盛りの荷物の前で腕組みして、パッキングに悩んでいたのがわずか10日前だなんて、うそのよう。楽しい時はあっという間ですね。

同じ24時間でも、その1日の重み、密度の濃さが、普段の1日とこんなにも違うことを今回は改めて感じる日々でした。1日を精一杯過ごし、見るもの、聴くもの、食べるもの、触れるもの、五感を全て使って、体中で感じてきたアラスカ。

アラスカに行く前と帰ってきた後で何が変わったのか?それは今すぐ目に見える形で現れるわけではないと思うけど、確実にきっと私の中で熟成されていると思います。

それが何なのかを10日前に遡って探しに行こうと思います。

それでは私のアラスカ大冒険旅行の始まり……。


シーカヤック体験

2009-08-02 23:32:43 | 東京
海は広いな大きいな~ 月がのぼるし 日が沈む ♪
海にお船を浮かばして、行ってみたいなよその国 ♪

よその国に行ったわけではございません。
これは葉山の大浜海岸沖でシーカヤック一日体験に興じる私と友人。

海には全く縁のない、全く日焼けしていない真っ白な肌でいきなり紫外線の中に突入していきましたが、場違いなよそ者でも、1時間もオールを漕げば、それなりに様になりました。

今までやったことあるマリンスポーツ(?)は、海水浴、ウィンドサーフィン(1回だけ)、ジェットスキー(1回だけ)、シュノーケリング、体験ダイビングといろいろあるのですが、シーカヤックはそのどれとも違う新しい感覚でした。体が水に浸からないのに、海に入っているような感覚で、水面がこんなに近いのに、水に入っていないという、(あれっ、同じこと2回繰り返してる?)不思議な新感覚でした。

波に乗るとちょっとしたサーフィン感覚で楽しいし、沖合いから海岸を眺めるというのも、ありそうでなかった経験。「おー、こんなところまで来ちゃったよ、すごーい」っていう、何がすごいのか分からないけど、達成感を感じました。

沖合いに薄気味悪く佇む、かもめが何万羽と停泊している岩山の中に、シーカヤックで入って行った時は、ヒッチコックの「バード」を思い出し、「かもめを怒らせませんように」と、ちょっと緊張しながら、静かに静かにオールを漕いでいた自分を思い出して、おかしくなりました。

海に行ったのなんて何年ぶり!たまにはこういう非日常的なこといいですねぇ。大海原に漂って、潮の匂いと、海風と太陽に包まれて、波に揺られてどんぶらこっこ。

おっとー、こんなに能天気にのんびりしている場合じゃありません。葉山は超安全な海なのですが、私がこれから行こうとしているところはアラスカの氷河。葉山のように親切なインストラクターがいつも守ってくれるわけじゃないので、ちょっと背筋が伸びます。

とりあえずトレーニング終了!さぁー、アラスカだ!     

ところで私が体験を行ったシーカヤック体験スクール 「もあなくらぶ」 の皆さんお世話になりました。とーっても楽しかったです。また行きますね。