今日という一日

書くことが大好き!日々の気づきを楽しく書いていきます。

NZ旅行記 クライストチャーチ編 2日目郊外~市内

2008-07-31 22:10:17 | ニュージーランド

バスは丘を尾根伝いに港に向かって走っていった。結構なカーブの道を運転しながらも、おっちゃんはずっとしゃべり続けていた。アメリカ人のお母さんはおっちゃんの話し相手になっているが、高校生の娘さんは超おとなしくて、ほとんど何もしゃべらず、写真ばかり撮っていた。こんなシャイなアメリカ人もいるのね。小野さんが「フランスでワインの勉強がしたい」と言った時だけ、「私もフランスに行きたいの」と目を輝かせていた。可愛い!

      

ずっときれいな景色が続いていたのだが、バスの中から撮った写真はこんなのばっかりになってしまった。残念。小野さんが隣で、「天気が良ければね」とずっと言っていた。天気のいい時のクライストチャーチを見せたかったんだろうな。私も見たかった! 次回は夏がいいな。

天気はさえなかったけど、一応クライストチャーチの主要なポイントは見て回り、あちこちに普通に羊が群れている光景を自然に眺めながら、また元の大聖堂に戻って来た。おっちゃんに「ありがとう」と言い、アメリカ人母娘に「明日またクィーンズタウンで会うかもね」と言い、バンを降りた。

さあ、どうしようか。とりあえず目の前にある大聖堂の中に入ってみようという事になった。だってこれがクライストチャーチの目玉商品だしね。驚いたことに小野さんも今回が初めて中に入るらしい。えー!?

大聖堂の中では特に礼拝が行われているわけではなく、観光客がゆっくり展示物を見たり、写真を撮ったり、椅子に座って休憩したりしていた。天井は木組みが施されており、そのせいか質素なんだけどあったかい感じがした。

出口付近で塔へ登る入口を発見。好奇心旺盛な私は、乗り気じゃない小野さんを無理矢理説得して、チケットを買う事に成功。入口を管理しているおばさんにチケットを渡すと、塔に登る扉を開けてくれた。「行ってらっしゃい」という声とともに中に入って階段を目にしてすぐに後悔した。おばさんが扉を閉める前に、「ちょっと待って、何段あるの?」と聞いたら、「150段よ」と涼しい顔で言われ扉を閉められた。ヤラレタ!

螺旋階段というか塔の先端まで真っ直ぐ伸びた鉄柱の回りをグルグル回りながら、「今何段?」「まだ?」「あとどれぐらい?」とか意味のない事を言い続けてようやく展望室に到着!きっと素晴らしい景色が広がっているはず……

       

うーん、はっきり言って微妙。この労働が報われたと言う実感には程遠いなぁ。東西南北に出口があって一応全部チェックしたけど、どれもイマイチなんだよなぁ。高さが中途半端なのかなぁ。「登ったけど大した事ないってことを経験したことが大事だよね」と小野さんと納得し合って、「さっ、帰ろう」と、とっとと降りたのでした。あー、足が疲れた。

この後ショッピングに行き、私達の長い夜はまだまだ続くのである。

つづく

 

 

      


NZ旅行記 クライストチャーチ編 2日目市内~郊外

2008-07-30 20:56:37 | ニュージーランド

バンに乗り、発進するのを待っていたら、何の前触れもなくいきなりガイドのおっちゃんの声がマイクを通じて聞こえてきた。車は動かないけどマイクの声だけは抑揚なく続いている。あれっ、と気づいたら唐突に市内観光は始まっていた。どうやらクライストチャーチ大聖堂について説明をしているらしいが、困ったことにニュージーランド英語が全然聞き取れない。その上超早口。後で聞いて分かったのだが、NZ人は早口の人が多いらしい。こんなのんびりした環境なのになぜ?

参ったなぁ、こんな英語聞いたことないよ、その上バンは止まったままだし、つまんない、と思っていたら突然バンが動き出した。でも、30メートルぐらい進んで、次のポイントに止まってまた説明が始まった。結構キッチリ説明するツアーらしいことが分かったが、私にとってはおっちゃんの声が一方通行で頭の上を通り過ぎていくだけ。だから最初に言っておきますが、何も覚えていませーん。

       

       

これは"Botanic Gardens" の中にあるお家で、瀟洒な家が20軒ぐらい川沿いに並んでいた。この公園はPublic なので誰でも自由に出入りでき、対川沿いのお家も好きなだけ見て行ってねって感じ。このエリアに家が持てるのは成功の証らしいが、バスの観光客にじろじろ見られて、写真まで撮られて居心地がいいのだろうか?NZでは夏の間は"Private Gardens" ツアーなんてのも企画されている。要するに人ん家の庭に行って、じろじろ見て帰ってくるツアー。ガーデニングにはかなりこだわる国民のようだが、それにしてもNZの人ってオープンなんですね。

       

"Sign of the Takahe" というお城みたいな建物の中にあるレストラン。市内から約30分ぐらいの郊外の丘の上にあって、昔はハイキング客のレストハウスとして使われていたらしい。レストランの営業はディナータイムだけで、昼間は下のリビングでお茶が飲めるようになっていた。

ガイドのおっちゃんに「日本のプリンセスが来たんだよ、"なみなみ"っていう名前のプリンセスがいるだろう」って言われ、誰のことを言っているんだろうと思っていたら、レストランの中に「紀宮さま」の写真を発見した。「なみなみじゃなくて、のりのみやだよ」って教えてあげたのだが、おっちゃんは「のりのみや」が発音できなかった。「なみなみ」って聞こえるんだろうか?不思議だ。

       

レストランから見える景色。写真じゃ全然分らないけどうっすらと虹が出ていたんです。きれいだったー!高台から海を眺める景色も実際はきれいだったんだけどなぁ。

レストランでのコーヒー1杯分はツアー代金に含まれていて、おっちゃんがこっちこっちとリビングに手招きをしていた。暖炉の前でコーヒー飲みながらくつろいでいたら、ロスから来たお母さんが、ロスで新築の家を作る場合は法律で暖炉が作れなくなると言っていた。どうやら大気汚染を防止するための政策らしい。「馬鹿げてる」とお母さんはかなりお怒りの様子だった。

おっちゃんの娘は日本に留学していたらしいことを知った。日本人の留学生もホームステイさせたことがあると言っていた。へぇー、案外日本通なんだ。いい人そうだな。

コーヒー飲みながら少しづつ仲良くなってきた私たちは、またバンに乗り込んで残りの観光を続けるのであった。

つづく

 

 

 


NZ旅行記 クライストチャーチ編 2日目市内

2008-07-27 19:31:34 | ニュージーランド

大聖堂広場にあるインフォメーションセンターで、ワイパラのワイナリーツアーに参加できるかどうか聞いたところ、そのツアーはもう出発してしまったのでダメだと言われ、半日市内観光に参加することにした。要するに「はとバスツアー」みたいなものです。バスの出発時間までに小一時間あったので、街中のデパートに行ったり写真を撮ったりして過ごした。



写真はクライストチャーチ大聖堂で150年ぐらい前の建造物。英国ゴシック様式の教会らしい。この銅像は教会を建てた人か何かだと思うが、鳩が頭の上に乗っているのが面白くて撮ってみた。

前に回ってみるとなんと、

頭から顔にかけて鳩の糞だらけで、顔がまだら模様になっていた。可哀想だけど、大笑い。銅像ってあんまり高いところに作るもんじゃないんですね。鳩のえじきになるなんて、作った人にとっては想定外だろうな。小野さんに「何一人で笑ってたの?」と言われ、「顔がすごいことになってた」と教えてあげた。

これは市内を走るトラム。約20分で市内をグルグルっと一周して帰ってきます。

小一時間ぐらい街を歩いたら、方向音痴の私でも大体の位置関係が分かってきた。実はとっても小さい街で、道路はきれいに碁盤の目に広がっているので、適当に歩いていてもちゃんと見覚えのあるところに戻ってこれる。とっても私向きの街で、すぐに馴染んでしまった。「安全だし、分かりやすいし、歩きやすくていいね」、なんて能天気に浮かれながら言ったら、「私が一緒だからでしょ!」とカツが入った。はい、その通りです。

バスツアーの出発時間近くになり、集合場所に向かったら小さなバンが止まっていた。「はとバス」じゃなくて普通のバンで、お客は私達の他に、ロスから来たアメリカ人の母と娘の2人。たった4人の客とドライバー兼ガイドのおっちゃんの5人で、バンで巡る市内観光が始まったのでした。

つづく

 

 

 


NZ旅行記 クライストチャーチ編 2日目朝

2008-07-26 21:17:46 | ニュージーランド

が鳴った。「あれー、ごめん。まだ寝てた?」と明るい声が電話の向こうから聞こえてきた。「うん」とも「うーん」ともつかないような声を喉の奥から絞り出した。「あのね、今日大学行こうと思ったんだけど、朝ジェーンから電話がかかってきて……、だから今日大学行かないことになったから遊べることになった!」と一気にまくしたてられ、自分がどこにいて、今日は何をする日で、今はどういう状況か数秒の間に焦点が定まった。「嬉しい!じゃあ今から準備をするから1時間後に!」ということになり、ホテルのロビーで1時間後に会うことになった。

なぜ寝坊したかちょっとだけ弁明すると、今朝は早起きしてヨーロッパ・カップのファイナルをテレビで見たのであった。正確に言うと見たというよりベッドの中から眺めていたのだが。日本と3時間時差があるNZでは試合開始は朝の7時。昨日街中にあるスポーツバーの看板でチェックし、一瞬「早起きして見に来ようか」、なんて無謀なことを考えたりしたが、そこまでしてスペインVSドイツを見てもね、ってことになりやめた。

試合の結果が気になったのは、うちの会社のスイスジャーマンの社長に、「どっちを応援するの?」と聞いたら、「当然スペインだ!」と断言していたのを思い出したから。「スイスジャーマンなのに何でドイツじゃないの?」と単純な疑問をぶつけてみたら、「ドイツ人以外でドイツを応援するヨーロッパ人なんていない!」、との事。何をくだらないことを聞くんだ、当たり前だろうって感じで社長は言っているが、この辺りの感覚は分からないなぁ。とにかく彼の家族や友人達の間では一人としてドイツを応援する人がいない事だけは分かった。スペインが1ゴールを守りきって優勝したのを見てホッとしてまた寝てしまった。

電熱ポットでお湯を沸かしてインスタントコーヒーを作った。コーヒーは安っぽいインスタントなのに、コーヒーミルクだけは大事そうにきれいにトレーに並べられて冷蔵庫の中にある。テレビをつけてみた。CNN、BBC、ローカルニュース、スポーツ、お天気、ディスカバリーチャンネル、映画…、あれっまたCNNに戻った。もしかしてチャンネルこれだけ?後で小野さんに聞いて知ったのだが、小野さんの家も一応衛星は入っているけど、5~6チャンネルぐらいしか映らず、つまんないからほどんど見ないらしい。

外の天気は朝からのちのちのちのちって感じではっきりしない。ちょっと肌寒いが日本から着ていったトレーナー素材のパーカーで十分過ごせそう。ロビーに下りてソファーに座ったら、通りの向こうから小野さんが走ってくるのが見えた。

ホテルから歩いて3分ぐらいの所にある人気のベーカリー(コペンハーゲン)でブレックファーストを食べることにした。ガラスケースの中にパンやケーキやパイが並んでいる。全部美味しそう。ビーフとチーズのパイを選んで温めてもらい、カプチーノをオーダーした。濃厚なデミグラソースがチーズと溶け合ってパイの中からあふれ出てきた。美味しい! ここで今回の旅行で初めてスーツを着たビジネスマンを見た。珍しい人を見たような感覚。一応この辺りはオフィス街なので、たまにスーツを着た人を見かけるらしい。たまにってどういうこと?

ベーカリーを出て、今日の軍資金をATMで下ろし、インフォメーションセンターのある大聖堂広場に向かった。

ようやく旅行らしくなってきたぞ。

つづく


NZ旅行記 クライストチャーチ編 1日目夜

2008-07-23 21:09:00 | ニュージーランド

NewZealand Cuisineを食べに行こうということになり、歩いて川沿いのオシャレなレストランが並ぶエリアに行った。お店の前はオープンテラスになっていて、ストーブにあたりながら外で食べているカップルも居る。ヨーロッパの一画に居るみたい。1軒1軒メニューを覗きながら、お店の賑わい具合を見ながらどこにしようか、店の前を行ったり来たりした。だがどこの店も繁盛しているという状況からは程遠く、店の中には数人の客しか居ない。小野さんに「空いてるね」と言うと「日曜日だからね」という回答。ふーん、ニュージーランドの人は日曜日にレストランには行かないんだ。

ところで一体何がNewZealand Cuisine なのかイマイチ分からない私たちは、メニューとしばらくにらめっこしていたら、中からお店の人が出てきた。「NewZealand Cuisineが食べたいんだけど」と言うと、「カンタベリーのラム肉がお薦めだ」と言う。やっぱりラムなんですね、NZは。とりあえずラムは押さえておこうと思い、このお店に入ることにした。

お店の中には年配のカップル客が一組居るだけ。好きなところに座ってくれと言われても、広すぎてどこに座ったらいいのか。ちょっと寒そうだけど入り口近くの川が見えるところに座り、あらためて店の中を見回してみると、内装は現代風で天井が高く奥にバーカウンターがある。こんな様な店、六本木にあったなぁ。

Appetizerにムール貝を注文し、Main をお薦めのカンタベリーのラムにした。小野さんが、ムール貝に合うワインは何がいいか楽しそうに聞いている。こういう会話をしている時の小野さんは本当に楽しそう。なかなか決まらないので、ウェイターが迷っているワインを2種類ティスティングさせてくれると言う。もちろんサービスで。へぇー、優しいな、その上ちょっとカッコイイ。

ムール貝はトマト味で美味。との相性もバッチリ。ウェイターは暇なのか、ワインはどうだ、料理はどうだと何度も聞きに来る。ウェイターにお財布を失くし、それが見つかった話をしたら、自分の事のように喜んで、「見つかって本当に良かった。NewZealand はいいところだろう」と自分の国を誇りに思うような事を言った。私も思いっきり、「NewZealand は素晴らしい!」と褒めちぎった。

Mainのラムが出てくるころには、私はかなり酔っ払っていた。良く考えたら朝からずっと飲んでいる。遡れば飛行機の中でもを飲んだし、空港でも飲んで、小野さんの家で2杯飲んで、そしてレストランでこれで3杯目?でもあんまり悪酔いしないのは良いワインだからかな?

ラムを食べながら、店の外でメニューを覗いている客が入ってくるかどうかそんなたわいもない話をした。ウェイターが呼び込みに勢い良く出て行くのを見ながら「がんばれー!」と心の中で声援を送ったが、ことごとく失敗している。それにしてもこんなに空いていて商売が成り立つのだろうか?ほとんど貸切状態。他人事ながら心配になってしまう。

とどめのデザートのボリュームに圧倒され、お腹いっぱい大満足で店を出た。二人で$100ちょっと。クォリティの高さと量を考えれば日本よりもちょっと安いのかな?

もう一度川沿いを歩いてホテルまで戻った。時間はまだ9時前なのに、ほとんど人が歩いていない。「人が歩いてないね」って言うと「日曜日だからね」と言う答え。そうなのかなぁ?

明日は午前中は小野さんは大学に行くので、1時ぐらいにホテルで会おうということになり別れた。何だかいろんなことがあった長い一日だったなと思いながら、ワインの酔いと眠気で頭がもう働かない。半分眠っているような状況で、着替えて顔を洗ってベットに潜り込んだ。

明日はどんな1日になるんだろう。

つづく


NZ旅行記 クライストチャーチ編 1日目

2008-07-22 22:54:34 | ニュージーランド

まだ外は明るく、ディナーの時間には早すぎるので、ホテルを出て小野さんの住んでいるマンションに行くことにした。ホテルに来た時に比べると、胸のつかえが全て一掃され、重いスーツケースからも開放され、げんきんな私は打って変わって晴れ晴れとした足取りになった。

小野さんのマンションはホテルから歩いてすぐのところにあると聞いていたが、本当に歩いて5分ぐらいのところだった。すごいローケーション。東京に置き換えてみると、銀座の三越前から歩いて5分とかそんな感じ。マンションの外見もモダンな造りで、回りの建物と比較しても明らかに高級 すごいなぁ。

エレベーターに乗ってみるとドアが2つある。「これ何?」と聞いてみると、一つはゴミ置き場専用出入り口らしい。なるほど、ゴミを持ったままエントランスに出ることなくゴミ置き場に直行できるというのはGOOD IDEA さすが高級マンション。ニュージーランドって進んでいるんだなと関心。

エレベータを降りると通路全体にいい匂いが漂っている。香料会社に勤めている私は、匂いには敏感にアンテナが働く。天井近くに芳香剤のボックスのようなものがあるのを発見した。「あそこから匂ってるのかな」って聞いたら、「気がつかなかった」と言っていた。住んでいるとそんなものかな?

部屋は1DKで一人暮らし用にコンパクトに作られている感じがした。聞けば仕事で短期滞在する人が多く住んでいるらしい。日本で言うところのウィークリーマンションですね。家具も全部付いていて快適そう。海外で一人暮らしなんてしたことのない私は、ふと私だったらどういう風に暮らすんだろうなんて考えたりした。日本でやっている生活以外の生活がイメージできなくて、そういうことに対する想像力って案外乏しいのかなって思った。

ワインを勉強している小野さんの家には、勉強用のワイン()がたくさんあって、早速「白がいい?赤がいい?」と聞かれ、お薦めのリースリング(白)で乾杯した。 美味しいです(涙)。あー、ニュージーランドに来て良かった。いろいろあったけど、小野さんの家でこうしてワインを飲めるところまでたどり着けて本当に良かった。

最近私はプレゼントはオーデコロンと決めているのだが、日本からお土産に持っていったローズ系のオーデコロンも喜んでもらえた。

そしてこの後ディナーに行って延々と飲んだくれるのである。

つづく


NZ旅行記 クライストチャーチ編 Part2

2008-07-21 11:11:46 | ニュージーランド

フロントから電話があり、オークランド空港のLost Property の電話番号を教えてもらった。電話してもどうせ、「ない」って言われてガッカリするんだろうなと完全に戦意喪失している私は電話をかける意欲が沸かない。その上英語だしなぁ。

小野さんの方に向き直り、「小野さん、かけて」ってちょっと出来心で頼んでみたら、「何であたしが?」とキッパリ言われ、怒られた。あー、すみません、散々迷惑かけておきながら、その上頼った私が間違っていました。おっしゃるとおり、自分でまいた種なので自分で落とし前つけます。あー、人生って厳しい。

電話はすぐにLost Property につながった。国内線ターミナルのCafeにお財布の落し物がなかったかどうか聞いてみた。名前を聞かれ、お財布の形状を聞かれ、内容物を聞かれた。何やらチェックしている様子。すると電話の主は驚くべき事を言った。「今朝、一つお財布の届け物がある」と。えぇー、まさか…。 急に目が覚めた様に感じた。小野さんに「お財布の届け物が一つあるって言っているよ」と伝えると小野さんも驚いた様子。

しばらく待たされた後に、「コーチのお財布の届け物があります」と言われた。えっ、信じられない、それ私のお財布だ。OH MY GOD 続けて「あなたの名前のクレジットカードが2枚入っています」と言われた。えぇー、クレジットカードまで無事だったんだ。でもまさかお金はないだろうと思ったら、「キャッシュが$420入っています」と電話の主が言った。えー、本当に、本当に、本当にキャッシュまで無事だったの 「信じられない、信じられない」を電話口で繰り返した。だって本当に信じられない 電話の相手も明るい声で、「良かったですね!」と嬉しそうに言ってくれた。

今私はクライストチャーチに居て、7月5日にもう一度オークランド空港に行くのでその時までお財布を預かって欲しいと伝えると、Confirmation # とOperation Center の場所を丁寧に教えてくれて、7月5日にここに来れば受け取れると教えてくれた。

電話口で何度も、「本当に嬉しい、ありがとう 」と繰り返した。

電話を切ってからも、今言われたことが現実に起きたことだとは信じられなくてしばらくぼんやりしていた。今時お財布をなくしてお金が戻ってくる国なんて他にあるんだろうか?日本でもお金が戻ってくるなんて、過去の古き良き時代の話になっている。ニュージーランドってなんて素晴らしい国なんだろう。お財布見つけて中身を抜き取らずに届けてくれる人がいるなんて…。ニュージーランド、バンザーイ 

そして気がついてみれば、朝から起きた一連の事件は全て見事にリカバリーしてしまい、精神的な苦痛はあったものの、金銭的な損失はゼロ。きっと今回の旅行は旅行の神様がついていてくれるに違いないと、自分の運の強さを再認識したのであった。

そして私のニュージーランド旅行はようやくここから始まる。

つづく


NZ旅行記 クライストチャーチ編 Part1

2008-07-20 12:10:34 | ニュージーランド

空港からに乗り市内に向かった。小野さんが慣れた手つきでSUICAみたいなプリペードカードでバス代をまとめて払ってくれた。空港の無機質な空間から開放され、窓の外を見ながら人が住んでいる町の暖かさにホッとした。

それにしても空港で過ごした数時間、ジェットコースターのような体験だった。お財布を失くし真っ青になっていたことなんて、遠い昔のことのように思えた。小野さんが、「一応オークランドの空港に電話した方がいいかもね」って隣で言っているのを聞きながら、「うーん」と気のない返事をした。お財布のことはもう忘れよう!

バスは20分ぐらいでホテル近くのバス停に着いた。ここがクライストチャーチのダウンタウンなのかなと思いながら、バスを降りた。小雨が降っていたので、町並みを見るのは後回しにして、とりあえずホテルに急いだ。

Copthorn Central Hotelはゴージャスな装飾というのとは程遠いが、シンプルなホテル。日本だったら地方のプリンス系って感じかな?フロントに行くと「こんにちは」と日本人に挨拶された。なんでいきなり日本人?小野さんもビックリしていた。

Expediaで予約した時のメールコピーを見せてチェックイン手続きをしていたら、「クレジットカードをお願いします」と言われた。あー、きたきたと思いながら、「えー、あの実は…」とお財布を失くしクレジットカードは解約されたことを説明した。フロントの日本人はお財布を失くした私に同情的な顔見せると同時に困ったなという顔の両方を見せた。クレジットカードがない場合はキャッシュで$200 のdeposit が必要になると言われ、お金持ちの私は即金ポンとキャッシュで払った。どうだ参ったかって感じ。

さっきの小野さんの言葉がふと思い出され、「一応オークランドの空港に電話でお財布の落し物があるかどうか聞いてみようと思うんですけど」と言ってみたら、「そうした方がいいと思います。電話番号お調べしましょうか?」という答えが返ってきた。10分以内に部屋に連絡してくれるというので、とりあえず部屋に行って待つことにした。

部屋は殺風景だが、一人で宿泊するのには十分なスペースがあった。必要なものも全て揃っていて何も問題ない。スーツケースを置いてベッドに座ったらようやく緊張感から開放された。小野さんと部屋の点検してあれこれケチつけたりしながら、フロントからの電話を待った。

つづく


NZ旅行記 クライストチャーチ空港編 Part4

2008-07-16 21:25:11 | ニュージーランド

手元に残ったもう一つのお財布にいくらお金が残っているのか調べた。日本円が4万円と少し。これを両替すれば多少の資金にはなる。でもたかが4万円。これから7日間一体どうやって4万円で過ごしていけばいいのか? 「はぁー」っとため息がでた。

小野さんが 「お金のことは心配しなくていいから」と言ってくれた。あー、小野さんありがとう、そして迷惑かけてごめんなさいを百万回ぐらい言った。(心の中で)小野さんが居なかったら私はどうなっていたんだろう。考えただけでも恐ろしい。

小野さんに 「他にクレジットカードは持ってないの?」と言われ、お財布の中を調べた。ニュージーランドでは何の意味も持たないカードばかりが出てきた。病院のカード、クオカード、コーヒー店のポイントカード、この間行ったレストランのカード…、使えそうなものは1枚もない。せめてもう1枚クレジットカード持ってくれば良かった。。。。。

「とりあえず下の両替所に行こう」と促され、ようやく席を立ち、重い足取りでバーを出た。両替レートは成田よりもはるかに良く、1NZ$=85円。成田で両替したお金は全て消えてしまったので、今更成田のレートと比べても意味がないが、とりあえず手元に$350ぐらいのお金が出来た。少しだけホッとした。

空港を出ようとした時にふとATMの機械に目が止まった。操作画面の横にずらっと利用可能なカードのマークが並んでいる。その時「もしかしたら」という考えがよぎった。もしかしたらみずほ銀行のキャッシュカードについている「Cirrus」が使えるかもしれない。10年前アメリカに行った時に、海外引出用の口座を作ったが、その後10年間使ったことがない。

慎重にカードを入れてみた。入った 暗証番号の画面になった。考えられる暗証番号は2つ。どっちの番号にしたんだっけと目をつぶって考え、たぶんこっちのはずと思った番号を入力した。当たった 金額入力の画面になった。$50 から$300まで選べるようになっている。どうせ一か八かの賭け、えーい$300やってみよう。OKボタンを押したら、中の機械が小気味よく忙しそうな音を立てて動いた。えっ、まさか、まさか。ものの数秒で取り出し口の蓋が開いて、中にお金が入っているのが見えた。思わず言葉を失って、小野さんと顔を見合せてしまった。にわかには信じられなかった。お金が出てきた。これ私のお金?恐る恐る手にしてようやく実感した。あー、助かった

驚くことにレシートを見ると残高が$3500もある。数分前までは4万円しかなかった私が急にお金持ちになり気が大きくなった。なーんだ、全然問題ないじゃん。お財布もキャッシュもニュージーランドにくれてやるわい、ぐらいの気持ちになった。

でも何で海外引出用口座(貯蓄口座)にお金があったんだろうと考えてすぐさま思いついた。数年前に「お金がどんどん貯まって人生が豊かになる」とかいうよくある貯蓄の本に影響されて、給料の一部を投資用、遊び用、自己投資用、寄付用の4つの口座に分けて預けるっていうのをやってみたことがあった。だまされたと思ってやってみろって書いてあったので、だまされたと思って数か月やってみたが、どうしてこれでお金が増えるのか、やっぱり意味が分からずすぐに止めてしまったのだが、あの時のお金に今ここで救われることになるとは。あの時は無駄な事やったなって思ったけど、やっぱり人生に無駄な事ってないんだなと、自分の失敗は棚に上げて前向きな気持ちが戻ってきた。

お金の目処が立ち、空港の外に出てようやく深呼吸ができた。
それにしても私って運が強いのかな?


私には更に強運の女神がついていたことを私はまだ知らない。


つづく


NZ旅行記 クライストチャーチ空港編 Part3

2008-07-14 22:36:58 | ニュージーランド

もう1枚のカードはラゾーナ川崎で作ったカードだったのだが、ラゾーナ川崎の番号が入手できなかったため、VISAのフリーダイヤルに電話した。

「はい、こちらはVISAのお客様サービスです」 1回聞いただけで日本人が話す日本語じゃないことは明らかだった。いやな予感。

「実は、今朝オークランドの空港でお財布を失くし、…」とできるだけ分かりやすい日本語でゆっくりと事の一部始終を説明した。

「今お客様はオークランドに居るんですか?」
「いえ、そうじゃなくてクライストチャーチに居るんです」
「あー、オークランドじゃないんですか?それでお財布はどこで失くしたんですか?」
「だからオークランドの空港で失くして、そのまま飛行機に乗ってクライストチャーチまで来たんです」
「あーそうですか、それはいつ失くしたんですか?」
「だから今朝です」
「それはどこで失くしたんですか?」
「だからオークランドの空港のcafé で今朝失くしたんです!」

だんだんイライラしてきた。本当にこの人と話していて大丈夫なんだろうか?

すったもんだの末、ようやく「お客様の名前を教えてください」ということになり、名前、住所、生年月日を伝えたが、本当に伝わっているのか超不安。「少しお待ちください」と言ったきり、延々と待たされ、小野さんもイライラしている。あー、勘弁してくれ。


さんざん待たされた挙句に、
「それでは解約の書類を私が書いて出しておきますので、その後で解約されますから大丈夫です」

えぇー、本当に大丈夫なのぉ 泣きたくなってきた。

「解約されたかどうかはどうやって確認すればいいんですか?」
「お客様は確認しなくても大丈夫です。私が書類を出しておきますので」

だからそうじゃないんだって。もう何が大丈夫なのか分らなくなってきて、いい加減この人と話すのも疲れてきて半ばあきらめ状態。

「あの、この電話はどこと話しているんですか?というか私が話しているあなたはどこにいるんですか?」
ってこっちまで日本語が変になりながら、聞いてみた。一体あなたは誰?

「ここはシンガポールですよ」


体中の力が抜けた。クライストチャーチの空港のバーから私はシンガポールにいる変な日本語を話すおばちゃんとムキになって話していたんだ。もういいや。めんどくさい。大丈夫っていうんだから大丈夫なんだろう。考えるのやーめた!

電話をかけ終わったら、ホッとしたのと同時に急にお腹がすいてきた。小野さんがキッチンに行って温め直してくれたチキンサンドイッチを食べながら、この先のことを考えた。カードは解約したけどお金はどうしたらいいんだろう。。。。。

この時私は自分の悪運の強さにまだ気づいてない。

つづく