江戸歌舞伎役者の<食乱>日記

2012-01-20 16:03:50 | 日記

赤坂治積著  新潮新書

三代目中村仲蔵(幕末~明治初期)の日記『手前味噌』から、食べ物の記述部分を抜粋したもの。<食乱>と言う言葉を初めて知った。ま、言ってみれば「食いしん坊」ぐらいの意味。決して「グルメ」という意味ではないらしい。
読んでみて分かったのは、今日名物と言われている地方の食材・料理は江戸時代にほぼ定着していたということ。本書を読んで、役得だと思ったことがある。著者が演劇評論家、特に歌舞伎に詳しいこともあって、歌舞伎における名台詞(せりふ)のうち食べ物に掛けた台詞の解説が付されている。知っていたことも多いが、初めて知ったことも結構あった。