辞書から消えたことわざ

2015-04-16 15:54:30 | 日記

時田昌瑞著  角川SSC新書

ことわざとは、旬のものである。つまり、なま物。賞味期限がある。なにしろ、ネタになっていたものがなくなってしまえば、通じなくなってしまう。著者がこれを敢えて(多分…)書いた意図は十分判るけれど…。
ここに掲載されていることわざの五割くらい知っているし、耳にしたり、使っていた。いや、六割五分くらいか。たとえば、「親馬鹿ちゃんりん蕎麦屋の風鈴」ということわざだが、蕎麦屋の風鈴の由来ははっきりは知らなかったが、上の句は日常用語だった。ここには載っていなかったが、「あそこのかかあは、長屋の金棒引き」ということわざがある。要するに噂好きなおしゃべりな女房ののことをいうのだが、金棒引きが分からないとなんのことかさっぱり分からない。
ことわざとは、そういうものである。それにしても、最近のことわざって聞かなくなった。さしずめ、今ならば「聞くは一時の恥、スマホ持たぬは一生の恥」なんてことわざが出来てもいいような気もするが、これじゃ、洒落にならないしねぇ。


数学の言葉

2015-04-13 15:00:48 | 日記

『考える人』2015年春号  新潮社刊

今回の特集は、「数学」。数学と聞いただけで、拒絶反応が出る人はあなただけではない。私もそのひとり(その割には数学関係の本を沢山読んでいるが、それは数学者個人に興味があったからで、数式はすべてパスしてきました)。
この特集では、とくに数学の「記号「について言及されている。アラビア数字(本来の起源はインドだったので、本書ではインド・アラビア数字と表記されている)、=、0、といった記号は我々にとってはおなじみだが、考えてみてほしい。もし、ローマ数字Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ、Ⅵで足し算や引き算をしろ、と言われたら、お手上げだ。二桁まではなんとかなるかも知れないが、五桁、十桁になったらどうする? 
というわけで、数学の基本のキ辺りから展開されているので、面白いですよ。
あの、60~63ページに「数も式もない計算」というコーナーがあります。理屈は脇に置いておくと「手品」の種明かしみたいで、覚えておくとお子さんに尊敬されること確実です。私? 当然してみました!!