私、食虫植物の奴隷です。

2015-01-21 14:19:49 | 日記

木谷美咲著  水曜社刊

面白い本である。ただし、食虫植物がどんなものなのか、知らない人には全く興味はないはずである。尾瀬の湿原を散策した人ならば、モウセンゴケ、ムシトリスミレなどで知っていると思うが…。
食虫植物とは、文字どうり虫を栄養源とする植物のことで、私も子供の頃は好きだった。とくに、ハエトリソウは面白い植物だった。餌と言っていいかどうかわからないけれど、ハエを捕まえたは鮫の口のように開いたところに放り込むのを、飽きずに繰り返していた覚えがある。ウツボカズラも同じで、とにかく虫を捕らえる仕掛けがとても巧妙で飽きることはなかった。
しかし、栽培しようとは思わなかった。いや、試したことはある。これが難しいのである。何度も枯らしてしまった経験がある。もっとも、子供だったこともあるし、今のようにいろいろな道具がなかったこともあるが…。
著者は、これに成功したようである。どころか、食べたこともあるそうである。
いるのですねぇ、世の中には。興味がある方はどうぞ。

 

 

 

 


馬の自然史

2015-01-06 14:56:53 | 日記

J・E・チェンバレン著   築地書館刊

昨年の干支に因んで最後に読もうと思って買っておいた本。少々時間がかかった。
内容は馬の博物誌、馬の歴史といってよい本だが、なにより、馬と人間の歴史、という点に主題があるのが本書の特長。私にとっては、大雑把に言えば、ロマン溢れる一編の小説のように読んでしまった。多分、馬の好きな人にはわかってもらえるかもしれない。
しかし、人類とは勝手な生き物だと思う。自分達の都合に合わせて、時には食料に、ある時は使役動物として、そして娯楽としか言えない競馬に、そしてセラピーの介添えに、その時々の理屈で扱ってきた。こんなことをするのは全生物の中で人類だけである。いや、共生という形でならば他の生物もいる。でも、その場合はギブエンドテイクという在り方だ。
それをも、人類の賢い証拠だと言い張る人達もいるかも知れない。「勝手なことを言う」と馬は言うに違いない。
本書とはかけ離れた読後感だが、私はそう思った。