ジェネビーブ・ボン・ぺッツィンガー著 文藝春秋刊
記号とは何だろうか? 個人の目印…それだけでは済まない…それを自分と他者のものとの違いを示すものであることを、誰もが認めてくれなければならば目印とは言えない。
同時にその記号が何を意味するかを、集団の誰もが認識していなければ役には立たない。
さらに、それが異なった地域に、しかも共通の記号が、氷河期に存在していたら……。遥か4万年前のアフリカやヨーロッパ大陸の話である。
著者は368ヶ所で見つけられた記号がわずか32個に集約されることを突き止めた。これは何を意味するのだろうか。
いろいろ考えられる。まず彼等は言葉を持っていた? そして、文字に相当するものを持っていた? もっと言えば、文明を持っていた?
後は、読んだ人達の想像の旅となる。
もしかすると、文明の創造者は彼等が先駆者だったのではないか? ちょっと興奮させる著書である。