評伝 今西錦司

2016-11-27 15:50:13 | 日記

本田靖春著  岩波現代文庫  

日本の霊長学を世界の頂点にリードした今西錦司。なぜサル学に行き着いたのか、それが分かると思って手にした。
残念ながら、彼の生い立ちと学者になった背景は知ることが出来たけれど、肝心の件については軽く触れられるに留まっていた。かれの半世紀の生涯から霊長学に転向した動機、その根拠、その過程を知りたかったのに…。
しかし、それは私の浅学故だったのかも知れない。彼は山岳家としても名を成した人だから、私が欲張りだつたのかも…。ただし、少々数に拘り過ぎたのではないかと思った。
しかし、山岳人としての彼の業績を知ったのは収穫だった。もちろん、知っている人達には何を今更…と言われそうだが。
私にとっては、功罪半ばの本だった。