へんな星たち  -天体物理学が挑んだ10の恒星-

2016-07-21 09:21:22 | 日記

鳴沢信真也著   BLUEBACKS 講談社刊

久し振り(多分4~5年)で天体物理学の本を読んだ。観測機器や観測技術の発達で、思いもよらない事が発見されていることに驚いた。
本書はそうした成果の中から奇妙な10の「恒星」を取り上げたもの(いくつかはカラー写真で見ることが出来る)。目次を列挙してみる。イナバウアーする二重円盤プレオネ、核のゴミ捨て場?プシビル星、彗星もどきミラ、宇宙ダコ・かんむり座R星、規格外一角獣座V838星、かつての天の川№1竜骨座イータ星、蚊取り線香WR104、恋人たちの熱いキス・おうし座V773星、ひょうたん?ケフェウス座VW星、幽霊星?御者座イプシロン星。タイトルがユニーク。私が驚いたのはミラ。どう見ても彗星、恒星とは信じられなかった。
とても面白い。ただし、最近都会では星座が見られなくなったという記事を読んだ。多分、天文台かプラネタリゥムでしか見られないのかな?  でも明るくなく、空気が澄んだ所ならば見られるかも…。

 


人間晩年図巻  1990~1994  1995~19999

2016-07-09 09:22:44 | 日記

関川夏央著  岩波書店刊

最初に一言。著者も「あとがき」で述べているように、同様の趣旨で山田風太郎の『人間臨終図巻』がある。古今東西923人の臨終を列記した著書である。淡々と列記されているだけに、妙に迫力のある本だった。多分、山田風太郎の死生観によるものだろう(山田風太郎は現東京医科大卒)。
本書はそれとは違い「臨終」を「晩年」に変えている。ここがポイントである。臨終を迎えた人の周囲、家族、友人、仕事仲間に筆が及んでいるからである。結果として、その人々が生きた時代、世相が浮かび上がってくる。そして、読者である私達自身も…。
つまり、それは同時代人の話でもある。目次を見れば一目瞭然である。どの人もご存知寄りの人達である(敢えて列挙はしない。本書を手に取る楽しみが無くなってしまう)。勿論、当然載っていておかしくない人が載っていないという不満はある。仕方ない。著者の好みと選択だから…。
しかし、どの人も記憶にあるし、懐かしくもある。ただ、何時れ私も……と思うとねぇ。複雑デス。