マーカス・デュ・ソートイ著 新潮社刊
著者は二代目シモニー教授(初代は例の『神は妄想である』の著者リチャード・どドーキンス。詳細はp35)、と言えば察しが付くだろう。本来は数学者で『素数の音楽』の著者といえば知っている人も多い筈。本書は、そのシモニー教授としての著書。
テーマは「知の限界はあるのか、今現在どこまで分かっているのか」である。それを「最果ての地」として、その一からその七まで(全14章)、530ページ。かなり分厚いが、少しも苦にならなかった。サイコロの目をぴたりと当てる手はあるのか?といった問題から、ビッグバンの初めは? 一度だけだったのか?(これには興奮した!)、ブラックホールは全て光すら取り込んでしまう筈が、実はモレがあるらしい、とか読んでいて厭きない。
特に、脳が自分自身を調べられるのか?というテーマは考え込んでしまった。そして、「神は時間の外にいる」に至ってはどう考えたら良いのか、暫く悩んでしまった。何を言いたいのかまとめられないが、そのくらい面白かった。多分、もう一度読み返すことになるだろう。このままでは、納得出来ない。