知の果てへの旅

2018-05-31 08:13:34 | 日記

マーカス・デュ・ソートイ著   新潮社刊

著者は二代目シモニー教授(初代は例の『神は妄想である』の著者リチャード・どドーキンス。詳細はp35)、と言えば察しが付くだろう。本来は数学者で『素数の音楽』の著者といえば知っている人も多い筈。本書は、そのシモニー教授としての著書。
テーマは「知の限界はあるのか、今現在どこまで分かっているのか」である。それを「最果ての地」として、その一からその七まで(全14章)、530ページ。かなり分厚いが、少しも苦にならなかった。サイコロの目をぴたりと当てる手はあるのか?といった問題から、ビッグバンの初めは? 一度だけだったのか?(これには興奮した!)、ブラックホールは全て光すら取り込んでしまう筈が、実はモレがあるらしい、とか読んでいて厭きない。
特に、脳が自分自身を調べられるのか?というテーマは考え込んでしまった。そして、「神は時間の外にいる」に至ってはどう考えたら良いのか、暫く悩んでしまった。何を言いたいのかまとめられないが、そのくらい面白かった。多分、もう一度読み返すことになるだろう。このままでは、納得出来ない。


世界を変えた50人の女性科学者たち

2018-05-20 08:10:39 | 日記

レイチェル・イグノトフスキー著  創元社刊


実は、本書は子供向けの本(テーマに惹かれてウッカリ買ってしまったのだが、後悔はしていない)。そのためか、分かりやすいように一人一ページでまとめられている。これが良い! 簡にして要を得ていて、彼女達の業績とその成果、世界をどう変えたかがスッキリ分かる。
と同時に、「女性科学者が正当な評価と処遇を受けるのに、どれだけの時間と、差別・妨害を受けてきたか」も分かってしまう。これを時代の所為、歴史の所為としてはいけない。今も、女性を差別する人達はいるし、それを当然だと思っている人達はゴマンと居る。それどころか、彼女達の成果を横取りした者さえいるのだ(ノーベル賞を貰って平然としている男性科学者)。これ以上は書くまい。書けば男の恥になる。
話が横道に逸れた。ここに取り上げられた人達の他にも多くの人達のリストがある。居るのですねぇ、素晴らしい方達が……。子供や孫達にぜひ読ませたい本です。おっさん達にも読ませたいが……まっ、無理、無駄、無謀、だろうな!