ジェーン・グドールの健やかな食卓

2011-10-24 14:52:51 | 日記
ジェーン・グドール著  日経BP社刊

著者は、チンパンジーが道具を使うことを世界で初めて発見した霊長類学者。同時に国際的に名高い天然資源の保護論者。
この本を読むと、何を食べたら良いのか分からなくなる。結局、化学農薬・飼料、遺伝子組み換えの食物(穀物、肉類、魚類他)から身を守る手段はひとつしかない。それは消費者と言う立場を最大限に活かすことだろう。いかに巨大企業であろうと、売れなければ潰れる。農業業者にしても畜産業者にしても同じであろう。人類の未来も地球の未来も、どこまで我々が抵抗するかに懸かっている。極論かも知れない。
心配なことがある。それは発展途上国、最貧国の人々である。飢えを凌ぐためには化学肥料使わざるを得ず、一代雑種の遺伝子組み換えの種苗を使わざるを得ないからだ。巨大企業が売る種苗は、確かに収穫は多い。しかし、実った種からは芽が出ない。卑劣だ。次の収穫期の希望を無残に裏切る。
「安全、人体に悪影響はない」と言っているが、分かるものではない。遺伝子組み換えの食物が発明されてから多寡だか数十年、人間で言えば一代か二代。その影響はまだ分かっていない、というのが現実だろう。一方、そうした飼料を与えられている動物にはすでに悪影響が出ている。
これを解決するには、世界中の先進国が飽食を止めることであろう。捨てられる食べ残し、売れ残りの量は、世界中の飢えている人々を十分カバーできる量である。レストランでは自分が食べられる量を自覚して、注文するべきだ。そして、余剰分を食糧危機に直面しいてる人々に廻すべきだ。
見ていると、例えば日本ではライスを半分も残している光景を良く見る。あらかじめ並・大盛り・小盛りと注文すれば無駄は出ない。飲食店もすすんでお客にその旨を確認すればいい。無駄も出ないし、経費の節約にもなる筈だ。決して難しいことではないと思うが……。

1 コメント

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ジェーン・グドール (ETCマンツーマン英会話)
2011-10-27 18:43:06
はじめまして。
ジェーンさんの「どんな状況でも必ず希望はある」というメッセージに、いつも勇気付けられています。
「あらかじめ並・大盛り・小盛りとライスを注文すれば無駄は出ない。」
おっしゃるとおり、一人一人が簡単なことを心がけること。そのことが最貧国の人々の飢えを救うことに繋がって行くのですね。
たとえ小さくとも、自分が出来ることを行動に移して行きたいと思います。
『ジェーン・グドールの健やかな食卓』も読んでみます。書評に感謝です。
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