向田邦子を読む

2018-04-01 09:03:08 | 日記

文春ムック  オール読物責任編集

向田邦子が亡くなって、今年で37年目になるそうだ。早いものである。本書には彼女を悼む惜別の辞や思い出が再録されているが、その人達の何人かも既に鬼籍は入られている(山口瞳・森繁久弥・中川一政・團伊玖磨氏など)。
歳月、人を待たず…改めて、そう思う。
ところが。私は彼女の脚本によるTVドラマを観ていないのだ。なにしろ、時代が悪かった! 折しも高度経済成長が始まり、あの時間に家に帰ることは無理だった。今思えば、残念なことなのだが…。つまり私は、彼女のエッセイや対談、そして小説……もっと書いて欲しかった……のファンだったのである。あの時代に、茶の間で観たかった!
どこか…幸田 文に似た匂いがして好きだった。歯切れの良さと、意思の勁さが魅力だった。これが、限りない優しさに裏付けされていることを、今の若い女性達が判ってくれると良いのだが…。
今更に…彼女の全集を読もうかと、思っている。