「バカ」の研究

2020-11-15 15:38:31 | 日記

ジャン・フランソワ・マルミオン著  亜紀書房刊

実は、本命の本をじっくり読むつもりだったのに、タイトルに惹かれてウッカリ手に取ったのがいけなかった!
面白い! 二日で読みきった。しかし、「バカ」を定義するのがこれほど難しいとは思ってもいなかった!貴方ならばどう定義します? 全部で23人の学者が登場している。心理学者、哲学者、数学者、脳科学者、数学者、神経学者、行動経済学者、発達心理学者、社会心理学者、文学者、神経科医などが試みている。中には『くそったれ ドナルド・トランプ理論』の著者アーロン・ジェームスも寄稿している。
それぞれが様々に定義しているのだが、どれも思い当たる。できたら、友人たちと議論してみるといい。多分……結論は出なない筈だ。うん!これは「研究」に値するするテーマだと思う。
最近では一番面白かったけれど、もしかしたら……あたしはバカか……?

 

 


ミンネのかけら  -ムーミン谷へとつづく道-

2020-11-01 09:25:12 | 日記

冨原眞弓 著  岩波書店刊

著者は哲学教授にして、サブタイトルでも分かるようにトーヴェ・ヤンソンの『ムーミン谷のひみつ』『ムーミンのふたつの顔』などの翻訳でも知られる人。
博士論文を仕上げるためにパリのソルボンヌ大学に留学した著者は、そこでさまざまな人と出会う。そして……ヤンソンに出会う。もちろん、人と人のつながりの結果だ。でも……それには人を理解し、共感し、同時に相手にも好意を持ってもらわなければならない。簡単なことではない。
本書は著者のそこに至るまでの、記憶(ミンネ)を綴ったものである。素晴らしい!!静かな語り口といい、ちょっぴりユーモアがあって、久しぶりで上質のエッセイを読んだ。ぜひ読んで欲しい。