すべてはどのように終わるのか -あなたの死から宇宙の最後までー

2011-02-12 09:12:45 | 日記
クリス・インピー著  早川書房刊
タイトルに魅かれて買った本。
「人は何年生きれば満足するのだろう」。縄文杉は7000年生きている。この本で初めて知ったのだが、タスマニア島の熱帯雨林に1キロメートル以上にわたって伸びている1本の潅木は、4万3600年生きているそうだ(私は御免蒙る。退屈しそうだ)。
この本には、微生物、動植物、人間、地球、太陽、銀河、宇宙の終わりが語られている。しかし、いずれにせよ我々の地球は水星、金星とともに、62億年後には太陽に呑み込まれてしまい、そして、宇宙も消滅する。でも、考えて欲しい。この宇宙がビッグバンで誕生したのは、137億年前である。それに比べれば少々短すぎないか。
つまり、無から生まれた宇宙は、再び無に回帰するのだ。要するに「永遠」も「限りない未来」もないということだ。そして、今生きている人間には「永遠の疑問」だけが残される。宇宙は、無から始まり、無に終わる。タイトルの「すべて」の意味するところはなんなんだろうか? 人間が消滅すれば、「神」も消滅する。誰に問えばいいのだろうか。
この本が難しいかどうかは、読み手にかかっている。本自身に書かれていることは非常に簡明だ。要約が不分明なのは、私がまだ十分に読みこなしていないからなのだろう。近いうちにもう一度読み返してみよう、と思っている。