復路:5月28日(日) →天王寺:阪和線 天王寺→京都 :はるか52号 京都 →東京 :のぞみ50号 東京 →八王子:中央線快速 運賃:周遊きっぷ京阪神ゾーン
本来なら、復路は、三ノ宮からサンライズ瀬戸に乗車して、翌朝、直接出勤する予定であった。ところが、現実は甘くはなく、月曜日の朝一から会議を入れられてしまった。
サンライズ瀬戸で出社しても、なんとか、間に合う時間帯ではあるが、事前の準備がある。せっかく入手したサンライズ瀬戸のノビノビシートであるが、のぞみで日曜日中に帰京せざるを得なくなった。30分早着の寝台急行銀河という選択肢もあるが、夜行列車不眠症を患っていることもあり、万一眠れなかった時のことを考えると、急行寝台料金¥7,560はリスキーである。
つまり、往路で、天王寺で途中下車してみどりの窓口に立ち寄ったのは、周遊きっぷ(帰り券)の経路変更と、サンライズの指定券をのぞみの指定券に変更するためであった。
良く知られているように、周遊きっぷ(行き券、帰り券)では、東海道在来線と東海道新幹線のいずれを経由するのかを特定する規則になっている。当初、サンライズ瀬戸で上京する予定を立てていたので、当然、京都→東京間は東海道在来線経由でルートを作っていた。これを新幹線経由に変更する必要がある。なお、経路は600kmを越えているので、運賃は元のままである。
周遊きっぷの変更は、初体験である。ひょっとしたら、天王寺駅は京阪神ゾーン内なので変更できないのでは? という不安もあったが、窓口の係員は、難なく、スピーディーに処理してくれた。
使用開始前の周遊きっぷの変更は、どこの駅でもできる。たとえゾーン内の駅であっても。
これは、案外知られていない。周遊きっぷを紹介するサイトはいくつかあるが、このことを明示しているものは見つけることはできなかった。
ところで、先述のように、元々、サンライズ瀬戸(三ノ宮発月曜日0時13分)乗車を前提に帰り券を作っていたので、きっぷの使用開始日を5月29日(月)としていた。それを、5月28日(日)ののぞみに変更する訳だから、使用開始も1日繰り上げなければならない。
小生としたことが、これをうっかり見落としていた。
幸いにも、サンライズ瀬戸の変更を依頼した際に、係員が指摘してくれて事なきを得た。JR西日本天王寺駅のみどりの窓口の係員に感謝感謝である。ただし、これはこれで別の問題が発生するのだが....
ともかく、この窓口氏はややこしい周遊きっぷの変更をスムーズに行い、かつ、客の要求を的確に捉えていた。彼も20代前半と思える若手であったが、これぞ、まさにプロである。往路の急行能登の車掌といい、天王寺駅の係員といい、JR西日本の優秀な若手社員達に遭遇して少し安心した。
さて、日曜日、19時40分頃に自宅を出発し、阪和線で天王寺へと向かう。関空とは逆の方向なので、何となく変な気がする。
天王寺からは、周遊きっぷのメリットを活かすべく、というよりは混雑する新快速を避けるべく、はるか自由席に乗車する。
このシーズンこの時間帯のはるかはガラガラで、西九条を過ぎたあたりで、前席を回転させボックスを作り、足を伸ばす。これだけ快適なら、周遊きっぷゾーン券の元は十分とれたような気がする。
はるかは、新大阪からは新快速以上に爆走し、あっという間に終点京都に到着する。しかし、京都駅はるかホーム30番線は、想像以上に新幹線乗り場からは遠い。乗換時間は9分なので、重たい荷物を抱えて小走りで駆け抜けた。
息をきらしてホームにたどり着くも、のぞみ50号到着までまだ5分以上ある。これなら、何も慌てる必要は無かった。
のぞみ50号は500系。席番を確認して、愕然とした。なんと、20E、車両の前端である。ただでさえ狭い500系で足が伸ばせないとなると、非常に辛い物がある。しかし、この場所は、車掌の調整席で普通は発券されないはずではなかったか??
日曜日の夜ということもあって、乗車率は70%程度、B席、D席が所々空いているといった感じである。従って、本来調整席と思われる20番はABCDとも空いている。
ここで、またまた、悪だくみが頭を擡げた。
隣の3列シートは、まず、だれも乗ってこないだろう。空いているのにもったいない。
20番ABC席に移動して、肘掛けを上げて、寝台仕様にし、空気枕をセットして体を横たえる。丁度、前方が壁のため周囲と遮断されて、個室とはいかないまでも、落ち着いた雰囲気を作ってくれる。なかなか寝心地が良い。
横になってポジションを定めているとき、検札となったが、きっぷを見せて”来たら、どきますから..”と言うと、”危険なので、通路に足が出ないようにだけ、お願いしますね”という答えが返ってきた。つまり、黙認である。
その後、安眠できたのは言うまでも無い。夜行列車では眠れなくとも、なぜか、のぞみでは眠れるのである。
”列車は、ただいま、小田原駅を時刻通り通過...”というアナウンスで目覚め、姿勢を正したので、新横浜で降りる乗客から軽蔑の視線を受けることは無かった。そして、東京到着までまったりと過ごす。新幹線寝台もなかなかいける。まさに、いい日旅立ちである。
東京では、連絡時間が20分ほどあるので、ガランとした新幹線ホームでニコチン補給をし、中央線ホームへ向かう。なんとなく、晴れ晴れとした気分である。
そして、中央線快速に乗り、25時過ぎに東京宅に到着。羽田到着が遅れた時のJAL1320便とほぼ同じである。
周囲の視線さえ遮断できれば(ここが難しいのだが)、新幹線寝台はかなり快適に移動できる。しかし、せっかく持参した毛布を纏うのを忘れたため、軽い風邪をひいてしまったのは、誤算だった。