往路:11月18日(金) 八王子→東京:中央線快速 東京 →上野:山手線 上野 →金沢:急行 能登 金沢 →大阪:サンダーバード6号 大阪 → :関空快速
周遊きっぷ行き券の残り半分を使って、北陸廻りで帰省の旅に出る。
今宵の宿は上野発の夜行列車 急行 能登である。
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しかし、私も、それほど暇人ではない。車窓が楽しめるなら話は別だが、単なる移動なら、さっさと行動したい。それに、旅の始まりは、やはり上野駅にしたいものである。
と言う訳で、八王子から大宮までは、別途普通切符を購入して、いつもの中央線、山手線経由で上野に向かう。幸い、今宵は、中央線はダイヤの乱れはないようである。と、思ったら、神田駅で、線路に人が立ち入ったとのことで、京浜東北線が止まった。が、数分で運転再開。全くもって、人騒がせな話である。
上野駅に到着したのは23時前ということもあって、既に、大方の店は閉まっていた。今宵は12月並の寒さで、どこかの茶店にでも入り暖をとろうと思ったのだが、あてが外れた。
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上野駅ホームの端の喫煙コーナーでニコチン補給をしながら列車の到着を待つ。自由席の行列はまばらで、こんなことなら、指定をとるまでもなかったかと思われた。
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自分の乗り込む2号車禁煙指定席付近まで戻ると、驚いたことに、非常に長い行列ができている。自由席よりも指定席の方が乗客数が多い。この人数だと、まさか、自分の隣席も埋まってしまうのか?と不安がよぎる。一方、同じ指定席でも、レディースカー1号車や、喫煙者3号車の乗客数は非常に少ない。次に乗車するときには、2号車は避けようと心に決めた。
シートヘッドカバーの取り付けを行うためか、車内整備には大変時間がかかる。長い間、待たされた挙げ句、扉が開き、自分の席に着く。いざ、乗ってみると、それほど混んでいる様子はない。幸い、私の隣も、お約束通り空席である。週末故、グループ客が多かっただけである。しかし、シートを回転させてボックスを作れるほどのゆとりは全くない。
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経年変化とはいえ、昔は特急列車として走っていた車両である。センターアームもなく、座席の間隔も狭く、このような車両でよく、不満が爆発しなかったものだと、今更ながらに不思議に思う。それとも、昔は、これがあたりまえで、今は、単に、贅沢に慣れてしまっただけだろうか?
列車は、定刻に上野を出発するが、オルゴールを速回ししたような鉄道唱歌がおちゃらけで、せっかくの旅立ちが台無しである。それでも、併走する満員の京浜東北線電車を尻目に寛ぐ優越感が、旅情をさそう。
大宮到着。
飛び込み乗車とおぼしきサラリーマンが何人か乗車する。
今宵のために、以前の近鉄特急の時のように持参した折り畳み椅子の上に鞄を載せて、座席を簡易ベッド化しようとするが、思いの外シートピッチが狭いために収まりが悪い。それでも、なんとかセットして、試しに横になってみる。寝苦しくてなかなかポジションが定まらない。しかし、そろそろ、眠くなってきたので、アイマスクと耳栓を付けて、睡眠体制に入る。と、車掌が現れて、検札が始まった。
もう、24時を過ぎているので、てっきり検札は無いものと思っていたのだが。見ていると、既にお休みモードに入っている乗客を起こしてまで、杓子定規に検札を行っている。これは、接客応対としてはよろしくない。なぜ、上野出発後速やかに検札を開始しなかったのか、疑問に思われる。
さて、検札が終わると、睡眠薬の効果もあって、知らない間に寝てしまった。そして、間の悪いことに、高崎を出た後のおやすみ放送で目が覚めてしまった。
ここからが大変で、せっかく、減光したのにもかかわらず、寝床が窮屈でなかなか寝付けない。睡眠薬を補充し、横になるが、やはり窮屈である。
そうこうしていると、誰かが、肩をたたく。この夜中にいったい何の用かと、アイマスクを取って見ると、信じられないことに、前席の乗客の足がシート背もたれを越えて目の前にあった。”おんどれ、何さらすねん!!”と河内弁で捲し立てることはなかったが、足を掴んで、背もたれの向こうに投げつけるように押し返してやった。寝相が悪いのにも程がある。
水上到着。急行能登は、ここで短時間、運転停車した。
自由席かもしくは、喫煙指定席に乗り移り、ボックスを作って眠ろうかとも思ったが、寝床を片づけるのが面倒くさく、また、物音を立てるのも憚られたので、そのまま同じ場所で悶々とする。まわりを見ると、同じようにエビ寝で上手に眠っている人もおり、大したものだと感心した。
どうしても、膝が窮屈だったので、ここで、エビ寝から姿勢を変えて、上体を起こし、窓側によりかかり、足を伸ばすようにしたら、随分と楽になり、再び曝睡モードに入ったようだ。
その後、長岡で逆行発車した瞬間は覚えているが、直江津~糸魚川あたりまで記憶がとぎれる。それから、うつらうつらして、富山のおはよう放送で完全に目が覚める。
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ところで、シートを回転させ、ボックスを作った時に驚いた。リクライニングさせたこともあって、席と席との間隔が20cmも無い。こんな状態で、どうやって4人、向かい合わせで座るのか??? 昔特急のシートピッチが如何に狭かったか! を物語っている。
富山から1時間ほどで、終点金沢に到着。
ここで、サンダーバードに乗り換えて、一路大阪を目指すが、朝食を摂るために途中下車する。周遊きっぷを差し出すと、不審そうに眺めてなかなか改札を出してもらえない。経由を記載している箇所を示して、ようやく理解してもらえた。まぁ、それも無理なかろう。米原→京都市内という切符で、金沢で降りるのは尋常ではないだろうから。
金沢で、駅弁を仕入れるつもりが、まだ、7時前ということもあって店はシャッターを閉めたままである。ここでも見事に当てが外れてしまった。
仕方がないので、駅のコンビニで弁当を購入し、ホームのベンチに腰掛けて食す。もう一眠りするために、なんでも良いから腹を満たしておくつもりで買ったものの、冷たいコンビニ弁当は賢明な選択ではなかった。ホームの駅そばなら既に開いていたので、そちらの方がずっと良かった。
6時55分、サンダーバード6号が到着。金沢で6両増結し12両で大阪に向かう。
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発車後、しばらく、車窓を楽しむ。サンダーバードは快調に飛ばしており、気持ちが良い。そして、往年の特急と現代の特急の違いを改めて実感した。
福井手前から小1時間眠り、睡眠不足を解消する。湖面に反射する太陽の光で目覚め、程なく京都に到着。乗客の大半が下車する。
その後、新快速以上の俊足で駆け抜けて、新大阪、そして定刻の9時37分終点大阪に到着した。
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急行能登の実態を充分把握していなかったため、今回の帰省は、決して快適とは言えなかった。しかし、眠気は残るものの、夜行バスと違って足のだるさはあまり感じない。うまく活用すれば、安くて快適な帰阪ルートの一つになる可能性がある。今回の反省を踏まえて、いずれ再度チャレンジしたい。