東京-大阪 単身赴任 旅物語

2003年10月1日から2012年9月30日まで経験した単身赴任。帰省旅行の思い出と、お得情報を綴っています。

臭う女

2005-08-28 22:20:00 | 夜行バス
復路:8月28日(日)
近鉄あべの橋バスターミナル→京王八王子バスターミナル:トレンディ号
運賃:¥7,385(回数券)


日曜日の夜に、夜行高速バスで帰京する。

今宵の宿は、近鉄夜行バストレンディ号である

往路で贅沢をしたので、復路は少し節約をしてバランスを保つ。もちろんバス運行会社は近鉄バスである。8月も終わりに近づき、あべの橋バスターミナルも心なしか閑散としている。

トレンディ号は、あべの橋(天王寺)を始発に、難波OCAT、東梅田、阪急茨城、JR茨城と乗客を拾い、翌朝6時30分に京王八王子バスターミナルに到着する。今宵のあべの橋での乗車率は20%程度である。

次の難波OCATで結構多くの乗客が乗ってきた、私の後ろの席と斜め後ろの席も埋まる。20代の女性2人組である。会話を盗み聞きすると、コンサートか何かで大阪に来たらしい。

それは良いのだが、後ろの女がむちゃくちゃ臭い。しばらく風呂に入っていないような臭いである。風体はごく普通なのであるが、臭いは困る。せめて、香水か何かでごまかしてほしい。

私は、夜行バス、夜行列車で一夜を明かすときには、アイマスク、耳栓を装着するようにしている。加えて、夏場は鼻栓も必要か? 本当に鼻栓をしたら、苦しくて眠れないだろうが。

しかし、東梅田を出発した頃から、ようやく臭いになれてきて、ウトウトする。消灯後全くの熟睡モードに入り、八王子到着までに死んだように眠っていたことと思う。でも、起きると再び臭いが気になり出した。

やはり、安さに応じて、それなりにリスクが高くなることを実感した旅となった。

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北陸廻り

2005-08-26 23:03:00 | 寝台列車
往路:8月26日(金)
八王子→神田:中央特快
神田 →上野:山手線
上野 →金沢:特急北陸
金沢 →松任:特急しらさぎ
松任 →長浜:米原行普通
長浜 →大阪:新快速
運賃:¥450+北陸回数券+¥920+青春18きっぷ1回分

間もなく8月が終わる。

夏の疲れが溜まってきた。どうしても心を癒す旅に出かけたくなった。それで、北陸廻りで帰省する。上越線は初めて通る鉄路。心が躍る。子供の様に何日も前から楽しみにしていた。

いつもの中央線を今宵は神田で降りる。山手線で上野に向かう。上野駅。旅立ちの駅は昔話である。13番ホームだけが、その面影を留めている。





雑踏の中、遠くへ旅立つ人だけに許された空間、5ツ星広場で旅立ち前の一時を優雅に過ごす予定であった。ところが、長距離特急列車専用の待合い場所といっても、ホームの一角に丸テーブルと椅子が並べられているだけ。おまけに、冷房が全く入っていないので凄く熱い。ホームのベンチとたいして変わりはない。

実は、JALのダイヤモンド・プレミアムラウンジのようなものを勝手に想像していたのだが、それは大きな誤りであった。これなら、駅構内の喫茶店でゆっくりと過ごした方が余程快適である。結局、涼を求めて上野駅構内を彷徨っている間に列車の入線時刻が近づいてきた。

22時45分頃、列車はゆっくりとホームに入ってくる。

今宵の宿は 寝台特急 北陸 ソロである。

所謂、ブルートレインに乗車するのは、3年前の銀河以来であり、もちろん、北陸に乗車するのは、これが初めてである。

昨夜は台風のため、北陸をはじめとする東京地区発の夜行列車は運休になった。そのため、旅行を一日延期した人もいるのだろう。そのせいか個室、寝台とも満席とのことである。また夏休み最後の週末のためか、親子連れが多い。

通路を抜けて、自分の部屋にたどり着く。噂に違わず、広くて快適である。ベッドのサイズそのものは、普通のB寝台と変わらないが、スペースにゆとりがある。サンライズ瀬戸のソロと比べても明らかに広く、居住性は良い。これで、電源コンセントがあれば言うことはない。

ただし、車両そのものが古いためか、ガタが来ている箇所もある。カーテンはすぐに外れてしまうし、走行中、蛍光灯の取り付け金具が振動している。個室扉の補修痕も痛々しい。



列車は定刻に上野を出発し、闇の鉄路を一路、北へとひた走る。部屋の明かりを全て消して、ベッドに身を横たえる。窓の外を流れる夜景を独り占めである。東京-大阪、飛行機ならたったの1時間である。にもかかわらず、わざわざ、北陸廻りで12時間かけて帰省する。この優雅なひとときこそが、私を旅路へと駆り立てるのである。

昼間の疲れのため睡魔が誘惑する。せっかくの個室寝台なので、どこまでも車窓を楽しみたい。しかし、どうやら限界に達したので、携帯のアラームを3時半にセットして、眠りにつく。うまくいけば、明日の朝、夜明け前の日本海が見えるかもしれない。



ふと目が覚めると、長岡だった。北陸はここで停車する。夜行バスでもそうなのだが、動いているものが止まると変に目が覚めてしまう。もう一度眠ることもできたのだが、せっかくなので、ここで起きることにした。

深夜の駅は、ひっそりと静まりかえっている。機関車の付け替えのためか、汽笛が鳴り、軽いショックがあった。しばらくすると、列車は動き出す。なるほど、進行方向が逆になっている。

雨が降ってきた。それも結構な量である。昨日の台風の残り雨か。それでも列車は結構なスピードで走り続ける。全く頼もしい限りである。程なく、直江津に到着する。こんな深夜にもかかわらず、ホームには何人かの人がいる。北陸の後で発車する急行能登を待つ人達だろうか。列車は再び深夜の北陸路をひた走る。

糸魚川到着。駅標識が見慣れた姿に変わっている。すでに列車はJR西日本管内に入っている。一気に大阪が近づいたような錯覚に陥る。機会があれば一度は訪れたい場所である。

しばらくすると、列車は海沿いを走る。いくつかのトンネルを越えて、日本海が所々に姿を現す。もし、天気が良ければ、すばらしい朝焼けの海が広がるはずであるが、残念ながら暗雲立ちこめている。暗い海である。

もうすぐ富山である。車内放送が再開される。ここで、改めて睡魔がやってきたので、せっかくの寝台に再び横たわる。金沢まであと、1時間足らずである。

眠ったような眠っていないような、ベッドでぼんやりと過ごすうちに、外は完全に明かるくなった。日が差している。何をすることもなく、金沢に到着し列車を降りる。金沢に旅行に来た気分である。

金沢には、30年以上前に家族旅行で訪れたことがあった。その時とは似ても似つかぬ新しい駅に生まれ変わっている。時の流れを感じる。

しかし、郷愁に浸っている暇はない。間もなく向かい側ホームに到着する特急に乗り換えて、松任まで急がないといけない。特急の自由席は意外と混んでいる。松任までたったの6分なので、デッキで立っていようかと思ったが、空席があったので座る、

金沢から松任まで、たった一駅を、わざわざ、特急で乗り継ぐのは理由がある。金沢発6時21分米原行き長距離普通列車がある。これに乗れば、長浜まで乗り換えなしでいけるので快適である。しかし、残念ながらこの列車は北陸が到着する14分前に金沢を発車してしまう。そこで、この米原行きが特急待ちをする松任までしらさぎに乗って追いかけるという次第である。そのための、乗車券と特急券は、予め昨夜上野駅で購入を済ませている。

松任でしらさぎを降りて、米原行きに乗り換え、本日分の青春18きっぷの旅を開始する。6両編成であったため、車内はがらがらである。特急の混雑が嘘のようである。









列車は昔ながらのボックス席であり、懐かしさがよみがえる。デッキ付近がロングシートに改造されているのと、車体の色が塗り替えられているのを除けば、30年前以上前に、家族旅行の時に乗った急行列車と全く同じである。あのとき、家族4人で座ったボックスに、今、一人悠々と足を伸ばし、あのときと同じ車窓を眺める。平凡な田舎の風景であるが、たしかに、昔見た景色である。

福井到着、ここで長時間停車する。車掌が訪れた折り、18きっぷに日付を入れてもらう。後ろ3両を敦賀で切り離す旨、アナウンスがあった。自分が座っているのは、たまたま前から2両目である。直感でこの車両に座ったのだが、正解だった。

北陸トンネルを抜け、敦賀に到着する。ここで後ろ3両を切り離すと、たちまち車内は満員になった。ここより、米原に向けて南下するが、混雑は駅毎にひどくなる。座席に荷物を置かないように、さかんにアナウンスしている。

長浜到着。ここで多くの乗客が降り、長浜始発の新快速姫路行きに乗り換える。普通列車に飽きてきた頃なので丁度良い。これに乗ると、もう、大阪まで戻ったも同然である。睡眠不足のため、京都まで熟睡である。ぼーとした頭で大阪で降り、関空快速に乗り換えて13時に帰宅する。

富山、金沢、福井、敦賀と廻って、上野から、延々、14時間もの長い旅が終わった。

幼い頃の、あの夏の日の思い出に浸る贅沢な時間。また、それに会いたくなったら、きっと、再びこの鉄路を通ることだろう。あのときと同じ列車で。

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快適 近鉄トレンディ号

2005-08-16 20:20:00 | 夜行バス
復路:8月16日(火)
近鉄あべの橋バスターミナル→京王八王子バスターミナル:トレンディ号
運賃:¥7,385(回数券)


翌日、仕事の場合には、決してムーンライトながらには乗るべきではない。実は、2度ばかりチャレンジしたことはある。しかし、居眠りこそしないものの、はっきり言って仕事にならない。部下を持つ身にとっては、これでは全く示しがつかない。

従って、青春18きっぷのシーズン中は、いきおい、在来線と新幹線とを組み合わせて前日に帰京することになる。しかし、本日は、Uターンラッシュのピーク日である。東京に到着するのぞみは軒並み200%の乗車率とニュースでは報じている。昼間に東海道を移動すると地獄を見ることになりかねない。下手をすると、5~6時間立ちっぱなしの可能性だってある。

そのため、当初、ムーンライトながらで1日早く帰京する予定を立てていた。しかし、移動のために貴重な休日を犠牲にするのが惜しくなってきた。たまたま、前々日に発車オーライネットを見ると、運良く、16日夜の八王子行きトレンディ号1号車に空きがあった。すかさず、予約を入れ、あべの橋駅西改札口にある営業所にチケットを取りに行った。

発車オーライネットで予約すると、コンビニでの発券が可能である。にもかかわらず、わざわざ、あべの橋バス営業所まで赴いたのは理由がある。

一つは、回数券を購入し、回数券で発券するためである。回数券は4枚綴りで¥29,540、つまり、1回あたり¥7,385となる。通常の片道運賃だと、¥8,250なので、800円以上お得である。もっとも、往復割引運賃でも片道あたり¥7,385となるが、この時期、往路は、鉄道の方がコストパーフォーマンスが高いので、夜行バスの利用は復路のみとしたい。

二番目の理由として、可能なら席を選びたい。発車オーライネットは非常に便利であるが、近鉄バスに関しては座席指定ができないばかりか、予約時にどの席に割り当てられているのかが全く分からない。天王寺や八王子や新宿西口にあるバスセンターで発券する場合には、予約時の席の割り当てを確認の上、空きがある場合には席の希望を聞いてくれる。私は、中央部窓側の席が好みである。今回、はからずも、中央部窓側の席で予約されていたため、そのまま発券してもらった。

ところで、Uターンラッシュの真っ最中であるので、トレンディ号は2便運行されており、発車オーライネットの予約には次のように表示されている。

備考欄の”臨時車両”というのが非常にくせ者である。トイレなしと掲載されていることから、通常の4列シートの観光バスタイプの車両で運行されると推測される。実際に乗ったことのある人から聞いた話だと、4列シートのバスで、リクライニングは小さく、また、トイレが無いので途中休憩の時には起こされた。これで500円安いだけ。だったそうである。

4列シートバスなら、東京まで5000円程度が相場である。それよりも、この時期、4列シートバスで東京に向かうくらいなら、ムーンライトながらを使った方がはるかに快適である。また、途中休憩は乗務員交代のため。乗客は車外に出ることはできないが、決して起こされることがなく、そのまま安眠を続けることができる。これが、近鉄夜行バスの大きなメリットである。JRドリーム号や阪急バス、あるいはオリオンツアー、関西バスなど、色々な種類の夜行バスを体験したが、近鉄バス以外の大抵の夜行バスは、一度は夜中にたたき起こされる。臨時車両に乗車すると、他社のバス同様、安眠が妨げられるだろう。従って、臨時車両を利用する際には、十分検討の上、利用されることが望ましいと思う。4列シートバスなら、ムーンライトながら以上に、翌日、仕事にならないのが目に見えているので、私は絶対使わないが。

なお、三連休などで増便される場合でも、臨時車両と書いておらず、トイレ付きで、かつ料金が同じなら、普通の3列シートバスと思って良い。気になるのなら、バスセンターの係員に聞けばよいだろう。

実は、今回、もう一つラッキーなことがあった。当日のトレンディ号は正真正銘近鉄バスであった。

トレンディ号は京王バス近鉄バスの交互運行になっている。つまり、本日近鉄バスが担当すると翌日は京王バス担当という具合である。この違いは非常に大きい。
  • まず、同じ3列シートでもシート自身が全く違う。近鉄バスのシートの方が体にフィットし、安眠をサポートし、腰が痛くなることが少ない。また、腰当て(枕?)も備わっている。シートの違いを端的に示すものとして、近鉄バスは最後部も3列構成であるが、京王バスは最後部は4列になっている(フットレストがない席がある)。
  • 次に、近鉄バスなら紙パックのお茶のサービスもある(一人一個限り)。これは大きな問題ではないが。
  • 三番目に、京王バスは、消灯前につまらない車内設備のビデオを大音響で流し、寝入り端の乗客の安眠を妨げるが、近鉄バスは乗務員が乗客の様子を伺いながら遠慮がちにマイクでしゃべる。
  • 四番目に京王バスの音響設備は概してボロい。深夜、高速走行中、ブレーキ操作に連動して、スピーカからピューという異音を発する車両がある。私は三度遭遇した。そのため、全く眠れなかったことも一度あった。今でも根にもっている。投書しようかと思った程である。
これだけ差があるのだから、できれば、近鉄バス担当日を選んで乗車したいものである。

京王バス近鉄バスかは、バスセンターで発券されたチケットの運行会社名を見ればを見ればすぐ分かるが、コンビニ発券では分かりにくい。近鉄と京王では、座席番号の仕組みが異なり、京王の場合は、1A、1B、1C...と数字(行)とアルファベット(列)の組み合わせになっているが、近鉄の場合は1、2、3...と座席を連番で表記するようである。これを覚えておけば判別可能であろう。


さて、久々に夜行バスで帰京する。
 今宵の宿は、正真正銘近鉄夜行バストレンディ号である


何度となく、訪れたあべの橋バスターミナルであるが、今宵は一段と賑わっている。22時前後は10分おきにバスが発着する上に、各方面とも増便されているようである。

程なく到着したトレンディ号に乗り込む。あべの橋で半分以上の座席が埋まった。なんばOCAT、東梅田と乗客を拾いながら巡航する。車内でパソコンを広げこの駄文をしたためようとするが、電車とは違い振動や揺れが大きく、パソコンが使いにくいことを改めて実感した。高速バストレンディ号よりも、寝台列車サンライズの方が良く眠れるのは、横になれるだけではなく、きっと振動が少ないせいもあるのだろう。とはいっても、先日来の疲れもあり、消灯前に熟睡モードに入ってしまったようだ。


しばらくして、バスが速度を緩めたために、目が覚めてしまった。どこのサービスエリアだろう?、もう一度眠らなくては...と思っている矢先に、おはようございます。バスは定刻通り運行し、あと約10分で、京王八王子バスターミナルに...という、アナウンスがあった。つまり、梅田から八王子まで全く目が覚めることがなく熟睡できたことになる。

京王八王子バスターミナルに到着。少しだけ気怠さを引きずって、しかし、充実感も携えて、バスから降りる。

バスを見送ってから、東京宅へ向かう。30分ばかりベッドで体を横たえてから出勤する。頭は、まだ、休日モードである。

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ラッシュとは無縁の帰省

2005-08-12 23:55:00 | ムーンライトながら
往路:8月12日(金)
八王子21:36 →新宿 22:07:特急かいじ
新宿 22:11 →品川 22:29:山手線
品川 22:55 →名古屋05:19:ムーンライトながら91号
名古屋05:31 →津  06:29:近鉄鳥羽行き急行
津  06:45 →鶴橋 08:03:アーバンライナーNEXT
鶴橋 08:07 →天王寺08:14:大阪環状線
運賃:¥4,390+青春18きっぷ1回分

世間では、帰省ラッシュのピークとのことだが、何のことはない。私にとっては、年中行事である。ただし、できるだけラッシュとは無縁の帰省を目指してはいるが。

例によって、八王子から中央線で新宿に向かう。最近、帰省の時には500円を払って、特急に乗るのが癖になってきた。今宵は特急かいじに乗車する。快適にスタートをきれるのだが、新宿で山手線に乗り換えるのが不便なのが欠点といえば欠点である。

品川には、1時間以上前に到着したので、東海道線下りホームのベンチに座り、パソコンを開き、雑用を済ませる。いつものPDAが故障で、ノートパソコンを持参している。

今宵は、埼玉県、群馬県で局地的な豪雨に見舞われたため、上越線のダイヤが大幅に乱れているとのことである。一方、東海道線はほぼ定時運転されているようである。この夏は、何度もダイヤの乱れに苛まれているので、気が気でならない。

しばらくすると、急行銀河が到着した。さすがに、帰省ラッシュの週末ということもあって、今宵は、結構な乗車率のようである。願わくば、銀河で帰省したいところだが、運賃が運賃だけになかなかそうもいかない。

銀河を見送ってから、臨時ホームに移り、ムーンライトながら91号の到着を待つ。列車が入線するとき、いつも思うのだが、臨時ムーンライトながらは快速列車ということになっているが、風体はどう見ても昔の特急列車である。停車駅を考えても、夜行特急と言ってもおかしくはない。破格の値段で東京から名古屋・大垣まで連れて行ってくれる、JRのサービスに感謝・感謝である。

品川を定刻に発車、今宵は珍しく、鉄道唱歌のオルゴールとともに、車内放送が流れる。この瞬間、2昔前にタイムスリップしたような錯覚にとらわれる。いよいよ、旅が始まる。

 今宵の宿はムーンライトながら91号である。名古屋まで乗車する。

6号車のため、横浜をすぎたあたりでようやく検札を受ける。検札後、小田原までは、ぼんやりと車窓を眺めて過ごし、睡魔がやってくるのを待つ。

小田原に到着。ムーンライトながら91号に乗り遅れた乗客を小田原でピックアップするため、本日に限って、東海道線小田原行きの最終列車の接続を待って、約20分遅れの発車となるとのアナウンスが入る。この本日に限ってというのは嘘である。先週もそうだった。集中豪雨のため、関東北部のダイヤが乱れているのであろうか。ちなみに、小田原行きの最終列車は東京発23時54分、小田原着1時21分である。

小田原出発以降は、爆睡モードに入り、豊橋までは一度たりとも目が覚めることはなかった。もう一眠りしようかとも思ったが、今朝は名古屋で近鉄に乗り換えるため、少し早い朝食を済ませ、片づけに入る。

定刻の5時19分、名古屋到着。今回もラッシュとは無縁の帰省を目指して、株主優待乗車券を使って、近鉄に乗り換える。アーバンライナーは、6時0分発なので、その前に出る、5時31分発の鳥羽行き急行に乗車し、津で、アーバンライナーに乗り換える。アーバンライナーを待っている間に、先へ進み、その分、特急料金を節約する魂胆である。

5時31分の鳥羽行き急行は、JR西日本の快速電車のようなシートになっており、乗り心地が良い。さすがに、この時間帯だと空いている。発車後しばらくすると、再び睡魔がやってきて、気がついたら津の手前まできていた。

津で下車し、ここで、アーバンライナーの特急券を購入する。鶴橋までのデラックスシートで1690円である。JRのグリーン特急券と比べたら、なんと安いことか。

ここから、1時間ちょっとで鶴橋に到着する。車内が五月蠅かったため、熟睡はできなかったが、寝心地の良いシートで快適に過ごす。

鶴橋からは、再び青春18きっぷを使い、天王寺を経由して、自宅へ戻る。今日は、これから家族と墓参りの予定である。亡き父も私の帰りを待っている。


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静岡発19時35分東京行き

2005-08-07 15:00:00 | 列車
復路:8月7日(日)
天王寺→尼崎 :大阪環状線
尼崎 →米原 : 新快速
米原 →名古屋:新幹線ひかり自由席
名古屋→浜松 :新幹線こだま自由席
浜松 →静岡 :東海道線普通
静岡 →熱海 :東海道線普通
熱海 →横浜 :東海道線普通(グリーン)
横浜 →東神奈川:京浜東北線
東神奈川→八王子:横浜線
運賃:¥5,670+¥750+青春18きっぷ1回分


青春18きっぷを使い、本日中に東京へ戻る。

昼間、青春18きっぷを使って東海道線を上る時の問題点は次の3つに集約される。

1.混雑する新快速で如何に着席するか。
2.米原駅での乗換。
3.浜松~熱海での混雑の回避

1.新快速で着席するためには、良く知られているように、一本見送って、尼崎から乗車することである。これで、ほぼ確実に、大阪から着席できる。3.静岡~熱海での混雑の回避のためには、3両編成の列車を避けることである。特に、静岡発19時35分の列車を利用できれば快適この上ない。

残る問題は、2.米原駅での乗換である。

これは、現状ではどうしようもない。8両または12両で米原に到着した新快速から降りた乗客が、もちろん、全員ではないけれども、4両編成、場合によっては2両編成の米原発の列車に乗り込もうとするわけだから、混雑しないわけがない。おまけに、20~30分ホームで列を作って列車を待つ必要がある。夏の暑い盛りに、ホームで待つのは辛い。おまけに、運が悪いと、それでも座れない場合があるかもしれない。もし、米原で座れないなら、豊橋あるいは浜松まで2時間以上、混雑する中、立ち通しの場合すらある。実は、下りの大垣バトルよりも上りの米原バトルの方が事態は深刻である。大垣バトルは負けても30分間立つだけである。一方、米原バトルに負けると2時間以上も、立ち続けなくてはならない場合もある。

この問題を回避する方法はいくつかあるが、快適をモットーとするこのブログでは、今回は、定石に反して、新幹線を活用する方法を選択した。具体的には次のようになる。
(1)尼崎 14:54 →米原 16:18 :新快速長浜行
(2)米原 16:28 →名古屋16:55 :新幹線ひかり378号
(3)名古屋17:01 →浜松 17:47 :新幹線こだま584号
(4)浜松 18:10 →静岡 19:19 :東海道線普通静岡行
(5)静岡 19:35 →横浜 22:14 :東海道線普通東京行

もちろん、新幹線運賃が別途必要となるのだが、トータルでも夜行バスより安くなる。なお、(4)に関して言えば、この列車は大垣方面からの快速列車に接続する列車ではないので、たとえ、短編成であったとしても、混雑はしないと予想した。(5)が特急用車両で運行されることは、今更申すまでもないだろう。

尼崎駅で、新幹線の自由席特急券を購入し、新快速に乗り込むところから旅は始まる。偶々当日は、明石付近の不発弾処理のため、午前中山陽本線の一部区間が不通になっていた。その影響かどうかは不明だが、新快速は比較的空いており、尼崎で着席できた。

しかし、いつものように、大阪、特に京都でも多数の乗客が乗り込み、混雑は能登川あたりまで続いた。予定通り、米原で新幹線に乗り換える。自由席の乗車率は70%程度で、少し混んでいた。この、ひかり378号は、北陸本線特急しらさぎの遅延のため、接続待ちで12分遅れで米原を発車した。そのため、(3)の名古屋での乗り換えが危ぶまれたが、さすがに、こだまは名古屋で接続待ちをしていた。

それは良いのだが、元々、名古屋での乗り換え時に、ホーム売店で夕食を調達するつもりでいた。ところが乗換時間が無くなったため、あきらめざるを得なかった。こだま584号に乗車後、車内販売を待つが、なかなか来ない。豊橋を過ぎたあたりで、ようやく、車内販売が廻ってきて、弁当を入手したものの、後10分ほどで浜松到着である。ゆっくりと味わう暇もなく、浜松で下車し、東海道線に乗り換える。

浜松からの列車(4)は、幸いにも、6両編成で空いていた。ここで、お昼寝タイムとする。本日は天気も良く、車窓を眺めたかったが、睡魔には勝てない。予定通り19時19分に静岡到着。後は、(5)19時35分発の列車に乗れば、非常に快適に東京まで戻ることができる。しかし、ここで耳を疑った。
19時35分発の東京行き普通列車は、沼津付近の人身事故の影響で、発車が相当遅れる見込みです。

この列車は特急東海3号の折り返し列車である。つまり、東海3号がまだ到着していないため、車両が用意できないということだろう。少々の遅れなら、この列車を待ちたかった。今回は、この列車で快適に東海道を上ることを前提に計画を立てたのだから。しかし、どの程度遅れるのかは全く読めない。万一、東京到着が深夜になってしまっても困る。一方、先発の19時20分発熱海行きが間もなく発車しようとしている。躊躇している時間はない。これを逃せば、次の熱海行きは1時間後となる。そうすれば、東京到着は大幅に遅くなる。

意を決して、混雑している熱海行きに乗り込んだ。一応、7両編成なので、混雑はまだ、ましな方である。幸い、4人掛ボックスの端に座ることができた。が、こんなはずではなかった。

昔ながらの、窮屈なボックス席で東海道を上る。熱海到着までが非常に長く感じられた。私と同じようにあてが外れた人が何人もいるようで、混雑する車内で人目を気にしながら弁当を食べていた。本当は、ゆっくりと座って夕食を楽しむつもりだったのだろう。私は、辛うじて新幹線で夕食を済ませている。


熱海で、東京行きに乗り換える。悔しいので、ホームの券売機でバカ高いグリーン券を購入し、列車に乗り込む。そして、空いているのをいいことに、2席占領して横になって、横浜までウトウトと進む。こんなグリーン席でも2席占領できればそれなりに快適である。

本日は2度にわたり列車遅延に巻き込まれたが、結局は、全行程着席でき、結果的には予定より早く東京宅に到着できた。旅慣れてきたおかげで、臨機応変の対応力が付いてきたのかなと、自分自身で妙に納得した。



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1番A席

2005-08-05 23:55:00 | ムーンライトながら
8月5日(金)
八王子→新宿 :特急スーパーあずさ
新宿 →品川 :山手線
品川 →大垣 :ムーンライトながら91号
大垣 →米原 :普通姫路行
米原 →大阪 :新快速姫路行
運賃:¥1,700+青春18きっぷ1回分


夏の青春18きっぷシーズンになって、2度目の帰省になる。前回は、地震の影響でやきもきした。今回は座席位置が気になっている。

   今宵の宿は、ムーンライトながら91号、しかも1番A席である。

1番A席というのは、すぐ後ろにデッキがある。幸い窓際ではあるが、ガッチャン、ドッシーンという扉の開け閉め音に安眠を苛まれるのは間違いない...

22時過ぎの特急で八王子を出発。¥500のささやかな贅沢である。新宿で山手線に乗り換え、品川に23時頃到着する。大阪行きの寝台急行銀河を見送ると、いやがおうでも、旅立ちに胸が高鳴る。

そして、いよいよ、ムーンライトながらが入線し、1番A席に着席する。後ろが壁であるので、もし、眠らずに過ごすのであれば、落ち着いて過ごせる良い席とも言える。しかし、静まりかえった深夜の駅に停車している時に、扉を開閉されようものなら、音はかなり耳障りであり、起こされる可能性が高い。

通常は、品川停車時から検札が開始されるのであるが、今宵は、列車出発を待って、検札が始まった。色々な乗客が居るせいか、検札が、あまり捗らないようである。仕事とはいえ、ご苦労なことである。

横浜を過ぎると、ほぼ、席が埋まる。今宵も満席とのアナウンスが流れる。しばらく、車窓を眺めていたが、平塚あたりで睡魔がやってきたので、アイマスクを着用し、ウトウトし始める。

寝入りばなで、気持ちよくなってきたところで、小田原到着のアナウンスに起こされる。なんでも、ムーンライトながら91号に接続する列車が遅延したのにも関わらず、品川を定刻に発車したため、乗り遅れた乗客を小田原でピックアップするらしい。そのため、東海道線小田原行きの最終列車の接続を待っての発車となるため、小田原を20分あまり遅れて発車するとのこと。

またか、と思ったが、20分程度の遅延なら恐らく翌朝は回復するので気にとめない。しかし、接続列車が遅延したのに、先に発車してしまうとはひどい話である。やはり、乗り継ぎには十分余裕を持たないと、とんでもないことになるようだ。

小田原発車後、改めて眠りに入る。幸い、隣席は空席のようである。しかし、浜松だろうか、豊橋だろうか、どこの駅かは分からないが、デッキの扉開閉で頻繁に目が覚める。お願いだから、扉の開け閉めは静かに。横で寝ている人もいるのだから。

眠ることは眠ったのだが、全く、熟睡できないまま、岐阜を過ぎたあたりで降りる準備を開始する。降りると大垣バトルが待っている。穂積到着あたりから、分かっている乗客は動き始め、デッキから通路に行列ができる。大垣から米原、たかが、30分である。別に座れなくともたいしたことはないが、それでも、座れるに越したことはない。列中には白髪の老人も居る。大丈夫なのだろうかと傍目に心配する。

大垣到着。扉が開く。一斉に、エスカレータを目指して走り、そして駆け上がる。いつぞや、下りエスカレータを登る輩がいて、さすがに失笑を買っていたのを思い出した。昇りきると、次は、隣のホーム目指して一目散である。エスカレータを降りるのと階段を降りるのと選択肢は2つある。エスカレータを下った方が速いのだが、実は、階段を下りて、乗換列車の後寄りを狙った方が確実である。

重ねた経験と、年甲斐もなく走り込んだおかげでいつも通り着席できた。相変わらず、ものの数分で、接続する姫路行きはラッシュアワー並の混雑となる。無理もない。10両編成の列車に乗っていた乗客の大半が4両編成の列車に乗り込むのだから。

このように、大垣、米原間は、余り良い印象を持っていない人も多いだろうが、緑の多い車窓は、素敵だと思う。いつも、時間が経つのを忘れて、寝ぼけた眼差しで眺めている。

程なく米原に到着。向かいホームに停車中の新快速に乗り換える。乗換を急ぐ人もいるが、新快速は12両である。休日なら、まず、余裕で座れるのであわてる必要はない。新快速に座ったら、半ば、旅が終わったのも同然である。

ムーンライトながらで熟睡できなかった分、新快速で睡眠を補うため、再びアイマスクを着用して眠りに入ろうとする。しかし、なぜか眠れない。いつものことであるが、記憶を失うのは、京都を過ぎたあたりで、新大阪手前では目覚めてしまう。30分も眠れたためしがない。

結局、睡眠不足状態で、定刻に大阪駅に到着する。決して爽やかな朝とは言えないが、気持ちは明るい。これから、環状線と阪和線を経由して、家族のもとに帰る。


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