猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

タンス喰う虫も好きずき

2005年06月19日 02時37分43秒 | ハ~プニング!
昨年、10年来の友人が引越しをした。
以前から、その友人には「新しい家に遊びにおいでよ」と誘って頂いてはいたものの、これまでなかなか訪問を実現出来ずにいた私とゴンザ。しかし、先週の日曜、ついに2人揃って時間がとれたのと、友人からお誘いを頂いた時期が重なったため、念願の、新居訪問を果たすことが可能となった。

都心に極めて近い場所にある、その友人宅は、高層マンションの最上階。広大で、真新しく、窓からは東京のきらめく夜景が一望出来る。
そこに家族とともに住む、私の友人は極めて気さく。明るく楽しいスタイル抜群の美人で、本当に気持ちの良い女性である。
そんな彼女に、色んなエピソードを交えながら、新しい家の中を案内してもらい、興味深々の私とゴンザ。あちこち見て廻っては感心したり、はしゃいだりと忙しい。.....と、突然、友人があることを言い出した。
「そういえば、1年ぐらい前に買った、新しい家具から木の粉が落ちてくるんだよね。で、その粉が 落ちた部分を掃除しておくでしょ。するとまた次の日には同じ場所に木の粉が落ちてるの。
 なんでだろ?」
そこで、見学を中断。ゴンザを交え、3人で推測をしてみる。

状況から考えて、家具自体から自然に何かが削れていくとは考えにくい。
では...何なのか?
すると、誰から言い出したかわからないが、こういう話になった。
「引き出しが閉まっているのに木屑が落ちることなど有り得ない。虫が喰ったんじゃない?」
...それなら同じ場所に木屑が落ちていても不思議ではない。
しかし「家具を食べる虫なんて、そもそもいるの?」とか、「いや、アンティークのタンスなんかはよく喰われてるよ」とか、なかなか結論には至らない。
そこで、百聞は一見にしかずと、3人はその家具をまじまじと観察することにした。

すると...「あった!」
文字通り、穴が開くほどタンスを見つめ続けた末、ゴンザが1つの穴を発見した。
しかも、ものすごく目立つところに。
友人自身は「1番下の引き出し裏ばかり気にして調べていた」のだそうで、まったくその穴には気付かなかったらしい。そりゃ、1番目立つところに正々堂々と虫が穴を開けるなんて、誰も思わないだろうから、仕方ない。しかし...穴を発見したはいいが、どうする?
再び3人で協議。しかし瞬時に「退治する」という結論に到達。でも...どうやったらいいの?
「殺虫剤を穴目がけて噴射する?」「いや、殺虫剤なんてないよ」
「じゃ、ゴキブリのときみたいに洗剤かけてみる?」「でもどうやって穴の奥に入れる?」
具体的手法についてはなかなか結論が出ない。
そこで3人は、とりあえず本当に中に虫がいるのかどうか、細長い物で確かめてみることにした。
最初はヘアピンでトライ。「だめ、もう少し細くて柔らかいものでないと」
お次はマチ針で。みんなを代表して私が恐る恐る穴を探る。「ダメだ。短い。しかも固いし」
かといって、この家に針金などなさそうだし...。「あっ、そうだ!Uピン持ってる?」
女性が髪をアップする時などに使うこのピンが、極めて針金に近いことを思い出した私は友人に尋ねる。すると「あるよ」との返事。やった!
Uピンを受け取り、それを真っ直ぐに伸ばして、そろそろと穴に差し入れる。思ったよりも穴は深い。しかも、奥へ行くごとにカーブしている...。そこで私は、少しずつ、穴の傾斜を利用してピンを曲げつつ、穴を探る。
「コツン」
するとついに何かがピンの先に当たった。虫なのか?
ピンを引き抜き、穴をじっと見つめる..............................と!

「!!!!!!うわ~っ!!!」
ものすごい勢いで、穴から木屑が押し出される。
次いで、何かが.......這い出してくる!
「うわ!うわ!うわ~!! ゴンザ、早く!早く捕まえて~ぇっ!」
絶叫する3人。しかし、やはりゴンザは男だ。素早くティッシュでそいつを捕まえる。そして、私に代わってその虫を「処分」する。そして、すかさず写真をパチリ。

せっかく穴から逃げ出した、虫の命を奪わなければならなかったことに罪悪感はあるが、今夜からは友人も安心して眠れるのだと思えば、作戦は大成功といえるのだし、穴だってあのままにしておくわけにはいかなかったのだから、仕方ない。
主がいなくなった穴を、木工用ボンドで、器用にゴンザが塞ぎ、家具虫騒動は終わりを告げた。

思わぬハプニングに見舞われたおかげで、大興奮のうちに幕を閉じた友人宅訪問。
「楽しかった」と言っては、命を奪われた虫に申し訳ないが、しかし思い出深い一夜になったのは間違いない。
ちなみに、わーわー言いながら私が写真に収めたこの虫は、体は堅く、黒光りしていて、鼻先はモグラのような形をしていた...。

名も知らぬ虫さん...ごめんね。安らかにお眠り下さい。
合掌。

コメント (6)
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