猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

ちびくんが生まれた日。   【前編】

2005年06月06日 23時57分36秒 | 猫たち
今日はちびくんの17回目のお誕生日だ。このブログを始めたときは、ちょうど体調を崩していた彼も、今は大変元気になって、毎日おやつのおねだりを続けている。しかし、困ったことに彼の大好物の「おやつ」とは、腎疾患を抱えた身には大敵である塩分たっぷりのハムで、しかも、もう寝ても覚めても、具合が悪くても欲しがるほどの、異常なまでのハム男っぷりである。体に悪いことはわかっていながら、我々も時に根負けしてしまうほどのその執着ぶりは、ゴンザと私、ちびくんを愛する者にとっては悩みの種である。

ちびくんが生まれたのは今からちょうど17年前、6月6日の朝方だった。
そして...それを遡ること8ヶ月前。
当時私が住んでいたマンションの隣に、輸出するためのトラックを一時保管するためのモータープールがあった。なぜかその片隅には、もう動くことのない、1台の小さなオンボロマイクロバスが置いてあったのだが、ある寒い日、私はそのオンボロバスの下から子猫の鳴き声がするのに気が付いた。
見れば、黒と白の毛を持った可愛い子猫が寒さに震えながら、お腹が減っているのか、その小さな体から目一杯の大声を張り上げて鳴いている。しかし、当時のマンションでは猫を飼うのは禁じられていたし、第一、子猫は警戒心丸出しで、触れることも出来なさそうだ。そこで私は、子猫のことを気にしながらも、とりあえず帰宅した。そして仕事から帰った母に早速その話をした。しかし母は、「1度ご飯をあげたら猫のほうも期待するし、かといって飼えないのだから、手を出してはいけない」という。...しかし、1度見てしまったものを忘れるわけにもいかないし、このままではあの子猫はどうなってしまうのか!?

...結局、私は母の意見を無視し、その子猫にご飯をあげてしまった。
1度目は...安易に手を出して、こっぴどく引っ掻かれた。
2度目には何とか、引っかかれずに食事を与えられた。
そして数日後には、子猫は私が階段から降りてくるのを待つようになった。そして、私は彼女を
「ちびた」と呼ぶようになった。
名前の通り、ちびたはちっちゃな猫で、大変な器量良し。白い手袋と靴下を履いた、黒白の猫である。可愛らしい声で鳴き、また賢く、大人になる頃には、その辺の雄猫にモテモテだった。
ちびたは毎日時間になると、私が階段から降りてくるのをじっと待ち、甘えて膝に乗る。彼女を膝に乗せ、マンションの階段に腰かけて過ごす時間は、私にとってとても幸せな、素晴らしい時間だった。

しかし...ある日私はちびたの異変に気付く。
なんと、ちっちゃなちびたのお腹のあたりが膨らんでいるのである。当時、どれくらいで猫が大人になるのかなど知らなかった無知な私は、どう考えても1歳に満たないちびたが妊娠するなど、思ってもみなかったから、それがわかった時には、まさに晴天の霹靂だった。
しかし時すでに遅し。ちびたのお腹はみるみるうちに大きくなって、そのうち、膝に乗せてそこを触れば、お腹のなかで小さな赤ちゃんがムニムニ動くのがわかるほどである。胎児の小さな手足が、これまた小さなちびたのお腹をデコボコさせるほどに暴れているのに触れて、本来なら、困らなければならないはずの私だったが...目の前にある命が、いや、まだ見ぬ命が、なんともいえない満たされた気持ちで私の心一杯にしてしまったため、そこからはただひたすら、子猫が無事生まれることを祈るようになっていた。
                                                                 【続く】

コメント (2)
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