ネットの森を散策していたら、「ウクライナは今年、分割される。来年にも敗戦の恐れ」と主張する記事に出遭った。JBpressに掲載された1月10日配信の記事だが、正確にいうと、こう主張するのは、国際情勢を専門とする米調査会社の「ユーラシア・グループ」で、JBpressはこの「ユーラシア・グループ」の見解をなぞっているに過ぎない。
さてJBpressによれば、「ユーラシア・グループ」は次のように主張している。
「ウクライナは今年、事実上分割される。ウクライナと西側には受け入れがたいが、現実となるだろう。戦争は最前線が変わらないまま互いに防戦となり、ロシアは少なくとも現在占領しているクリミア半島とドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの4州(ウクライナ領土の18%)を維持するだろう。」
「ロ−ウク戦争」の現状に疎い我々からすると、この見解は衝撃的だが、この見解の根拠としてあげられているのは、我々もよく知る(ウクライナ支援国の)「支援疲れ」の現状である。その最たる国はアメリカだが、米シンクタンクの外交問題評議会によると、「22年1月~23年10月にかけ、米国は軍事支援463億ドル、財政支援264億ドル、人道支援27億ドルの計754億ドルをウクライナに提供したものの、すでに大半を使い果たしている。ウクライナに送られる米軍の武器弾薬や装備の備蓄を補うための残り資金は11億ドル。補充できるのは48億ドルに過ぎない。」
「ユーラシア・グループ」が「ウクライナは来年にも敗戦の恐れ」とみなす理由はもう一つ、「ロシア、北朝鮮、イラン」という「ならず者3国家」の台頭だが、これについては次回に見ることにし、ここまで読んだ限りでいえば、私が懐いたのは、「〈正義〉の戦いなんて、所詮はこんなものか」という印象だった。
まだ記憶に新しいことだが、ロシアがウクライナを侵攻したとき、西側の欧米諸国はこぞってロシアの「不正義」を批判し、ロシアに経済制裁を加えるとともに、武器供与などの軍事支援を行った。ところがそれによって自国の経済が脅かされはじめると、欧米諸国は「支援疲れ」を訴え、ウクライナへの支援を渋りはじめたのである。
早い話が「背に腹はかえられない」ということである。「衣食足りて礼節を知る」という諺をもじっていえば、「衣食足りてこその〈正義〉」ということか。結局は自分がいちばん可愛いのである。なんだかなあ・・・。
さてJBpressによれば、「ユーラシア・グループ」は次のように主張している。
「ウクライナは今年、事実上分割される。ウクライナと西側には受け入れがたいが、現実となるだろう。戦争は最前線が変わらないまま互いに防戦となり、ロシアは少なくとも現在占領しているクリミア半島とドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの4州(ウクライナ領土の18%)を維持するだろう。」
「ロ−ウク戦争」の現状に疎い我々からすると、この見解は衝撃的だが、この見解の根拠としてあげられているのは、我々もよく知る(ウクライナ支援国の)「支援疲れ」の現状である。その最たる国はアメリカだが、米シンクタンクの外交問題評議会によると、「22年1月~23年10月にかけ、米国は軍事支援463億ドル、財政支援264億ドル、人道支援27億ドルの計754億ドルをウクライナに提供したものの、すでに大半を使い果たしている。ウクライナに送られる米軍の武器弾薬や装備の備蓄を補うための残り資金は11億ドル。補充できるのは48億ドルに過ぎない。」
「ユーラシア・グループ」が「ウクライナは来年にも敗戦の恐れ」とみなす理由はもう一つ、「ロシア、北朝鮮、イラン」という「ならず者3国家」の台頭だが、これについては次回に見ることにし、ここまで読んだ限りでいえば、私が懐いたのは、「〈正義〉の戦いなんて、所詮はこんなものか」という印象だった。
まだ記憶に新しいことだが、ロシアがウクライナを侵攻したとき、西側の欧米諸国はこぞってロシアの「不正義」を批判し、ロシアに経済制裁を加えるとともに、武器供与などの軍事支援を行った。ところがそれによって自国の経済が脅かされはじめると、欧米諸国は「支援疲れ」を訴え、ウクライナへの支援を渋りはじめたのである。
早い話が「背に腹はかえられない」ということである。「衣食足りて礼節を知る」という諺をもじっていえば、「衣食足りてこその〈正義〉」ということか。結局は自分がいちばん可愛いのである。なんだかなあ・・・。