ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

岸田首相と政倫審 たった一人の反乱のゆくえは

2024-02-29 10:31:47 | 日記
いやはや。軍の最高司令官が、みずから切り込み隊長の役を買って出るとは!岸田首相のことである。この人には、部下を統率するリーダーシップ決定的に欠けている。「突撃せよ!公開の政倫審に出席せよ!」と叫んでも、安倍派5人衆のだれも従おうとしないから、自分独りで大舞台に乗り込まざるを得ないのだ。
そんな宰相の姿が哀れに思え、情けなるとともに、こんな体たらくでこの国は大丈夫なのかと心配になってくる。それを通り越して、このところのドタバタ劇が滑稽にすら思えてくる。


衆院の政倫審(政治倫理審査会)がやっと公開で行われることになり、岸田首相は、その場に自ら出席する意向を表明したとか。率先垂範という言葉が思い浮かぶが、岸田首相が何を思ったかは知る由もない。私が思い出すのは、今から20年前の「加藤の乱」である。
単身で倒閣行動を起こそうとした加藤紘一を、谷垣貞一が「あんたは大将なんだから」と諌めたシーンが有名だが、今回の「岸田の乱」には、「早まったことをするな。あんたは大将なんだから」と諌める忠臣はいなかったのだろう。哀れを催すゆえんである。


単身で切り込みをかけるその行動は、ドスを片手に敵地に乗り込んでいく、任侠映画のあの健さん(高倉健)を思わせないでもないが、残念ながら岸田首相にはその(かっこいい!)イメージは似合わない。自分に似つかわしくない行動を取ると、どうなるのかーー。このドタバタ劇の結末が興味深い。

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恐れ入谷の中国マネー

2024-02-28 11:21:35 | 日記
外国人の富裕層。彼らが日本で落とすカネの額はハンパないらしい。いわゆるインバウンド・マネー。それを当て込んで、日本の旅行業者があれこれ集客のツアー・プランを練っているとか。


「たとえばですね、奥日光への2泊3日の旅行は、皆さん、いくらだど思いますかぁ?」
きのうデイサの介護スタッフが、始業の挨拶のときにこう訊いてきた。
「そうねえ。外人が相手だから、100万ぐらいかしら」
利用者のお婆さんが答える。
「いいえ、そうじゃないんですよ、皆さん、それがですね、なんと、400万なんですって!奥日光の中禅寺湖まで、ヘリコプターで往復するらしいですよ」
「それで、そんなツアーに申し込む客は、いるの?」
「それがですね、まだいないらしいんですよ。1人当りの料金を290万まで値下げしたらしいのですが、それでも駄目みたいです」
「当たり前だよなあ。奥日光まで400万なんて、いくら金持ちの外人だって、二の足を踏むに決まっている」
「でも、中国人の富裕層はすごいらしいですよ。都内の1億円超えのタワマンを、どんどん買い漁っているというのです。投資が目的といいますから、これは彼らからすれば、一種のビジネスなんでしょうけどね」
「うん、そのせいで都内のマンション価格が値上がりしているという話なら、オレも聞いたことがある。中国人のせいで日本人が都内のマンションを買いにくくなるなんて、ひどい話だ」


私が通っているデイサは、スタッフも利用者も情報通が多いようだ。
帰宅してからネットでウラをとってみたら、奥日光への400万円ツアーの話も、中国人富裕層による1億超えタワマン買い漁りの話も、ホントの話のようだ。


それにしても、と私は考えた。中国の富裕層には、最近の中国経済の落ち込みなど、全く関係ないらしい。中国の不動産業界が不況だから、だからこそ富裕層の中国マネーが日本の不動産業界に流れ込むという構図なのだろう。皮肉なことだ。


皮肉といえば、貧富の格差を是正するはずの共産主義国家・中国で、これだけ富裕層が生まれるとは、なんとも皮肉な話だ。


いや〜、中国はやはり奥が深いねえ。

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石破と岸田 肝心要で腰砕け

2024-02-27 10:53:21 | 日記
肝心要で腰砕け。
今の日本政界を象徴するそんな出来事を2件、きょうの新聞に見た。


一つは、こんなタイトルである。


石破氏、裏金触れず自説展開 自民幹部『テレビであれだけ』


自民党の石破茂元幹事長といえば、「ポスト岸田」の最有力候補と目される人物である。となれば、国民が知りたいと思うのは、自民党の癌ともいえる「パー券・裏金問題」についての、この人の見解である。次期首相は、この問題にどう対処するのかーー。


ところがである。きのうの衆院予算委で質問に立ったこの御大は、肝心要のこの問題については何もふれず、自衛隊や復興庁の創設について、滔々と自説を述べただけだった。
(朝日新聞2月27日)


「パー券・裏金問題」は、今国会のメインテーマともいえる焦眉の問題である。にもかかわらず、この問題をあえてスルーする石破氏の底意がわからない。
「石破氏をよく知る党幹部は『テレビであれだけ政治改革を叫んでおきながら、一番大事な予算委で何も聞かないなんてあり得ない。肝心な時に逃げる癖がある』と苦笑した。」
朝日の記事はこう書くが、たしかにその通りである。
イシバシ(石破氏)は、肝心なときにイシバシ(石橋)をたたいて渡ろうとする悪い癖があるらしい。


さて、きょうの朝日新聞に見られたもう一つの記事は、こんなタイトルである。


森元首相の聴取『不要』 首相『裏金関与、指摘なし』


今国会のメインテーマは自民党の「パー券・裏金」問題であるが、その元凶は清和政策研究会(安倍派)であるから、その会長をつとめた森喜朗元首相は当然、自民党の聞き取り調査の対象になって然るべき人物である。
にもかかわらず、岸田首相はきのうの衆院予算委で「聴取は不要」だと答えている。これは一体どういうことなのか。


これは「肝心要で腰砕け」というより、「肝心要で肩透かし」と言ったほうがよいのかもしれない。この問題については、私も本ブログでとりあげたことがある。
森爺は今、東京都内の超高級老人ホームに入っているようだが、これは身体の老化に対処するためというより、自民党の裏金問題に関わった咎(とが)で東京地検特捜部の追及が必至のため、これを逃れるためではないか、という推測もある。


森爺が「オレはもう政界を引退した身だ。静かに余生を送りたいから、古傷をえぐるようなマネはしないでくれ」と言ったかどうかはわからないが、岸田首相がその意を体した可能性はある。


ま、現在御年が86歳のこのご老人には、今後もずっと静かにしていていただきたいものだ。そう思う。

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ゼレンスキー会見 戦争の終わり方

2024-02-26 16:08:54 | 日記
ロ−ウク戦争は3年目に入った。この日、ウクライナのゼレンスキー大統領が記者会見を行い、対ロシア戦の「終わり方」について見解を述べたという。その模様が伝えられたので、さっそく検討することにしたい。


ゼレンスキー大統領は


戦争がどのように終わるかは、ことしにかかっている。転換の年だ


と述べたという。この言説の含意を読み解くことが、本ブログのさしあたりの課題になる。
そこで、この言い回しがどのような文脈でなされたかを、以下に抜き出してみよう。


(1)「今後の戦況についてゼレンスキー大統領はロシア軍が5月にも大規模な攻撃を仕掛ける準備を進めているなどとした上で『戦争がどのように終わるかはことしにかかっている。転換の年だ』と述べ、欧米各国が軍事支援を続ける重要性を強調しました。
(HNK NEWS WEB 2月26日配信)


(2)「ロシアが、北朝鮮やイランから兵器を調達しているとみられることについて『ロシア側にとっても兵器が大きく不足し、ことしが重要な年だということを意味している』と述べました。
(同前)


つまり、ゼレンスキー大統領は、こう述べようとしているのだ。


(a)ロシアは大幅な兵器不足を見越して、ことしの5月にも乾坤一擲の大規模な攻撃を仕掛けようとしている。だから戦争がどのように終わるかは今年に掛かっており、その意味で、ことしは重要な年になる。


(b)ロシアが大規模な攻撃を仕掛けてくれば、ウクライナはそれに全力で立ち向かうしかない。しかしウクライナ側も目下、兵器不足に悩まされており、現状では敗退が必至の情勢である。これを避けるには、欧米諸国の軍事支援に頼るしかない。
欧米諸国の関係者の皆さん、ウクライナの命運はあなたたちの支援にかかっている。どうぞよろしく。


ニュースはこうも伝えている。


さらにゼレンスキー大統領は、ウクライナが提唱する『ロシア軍の撤退』などを含む和平案について欧米や新興国などが話し合う首脳級の協議をスイスでこの春に開催したい意向を示しました。
その上でロシアのプーチン大統領を念頭に『彼がこの戦争に負け、間違いだったと受け入れるための枠組みを提唱する』と述べ、ロシアに和平案を受け入れさせるため関係国と連携する考えを示しました。

(同前)


つまりゼレンスキー大統領は、ロシアとの停戦協議の具体的なプランについて、彼なりの展望を提示しているのだが、これはすべて戦争の勝敗が決着した後の話であり、しかもロシアの敗北を前提にした幻想の大風呂敷だということに注目しなければならない。


どういうことか。ゼレンスキー大統領は今でも「勝負が決着した後でなければ、停戦協議には応じない」という姿勢を崩してはいないのである。では勝負の決着について、ゼレンスキー大統領はどういうリアルな見通しを持っているのか。


勝敗の鍵を握るのはアメリカの軍事支援だが、これについて、彼は「(アメリカが)前向きな決断をしてくれると信じている」と述べるだけで、それ以外には何も語らない。トランプが次期米大統領になったら、アメリカの軍事支援は大幅にカットされるだろう。そうなれば、ウクライナが兵器不足のためにロシアに敗けることは、この頑固一徹の総司令官にもよくわかっているはずだ。


そのことは今回の記者会見だけからもはっきり透けて見える。それが見えないとしたら、それはゼレンスキー一流のレトリックの巧みさのためだろう。もしかしたらゼレンスキーは、自らのレトリックの巧みさに自ら酔ってしまい、それ以外には何も見えなくなってしまっているのではないだろうか。

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ロシアへの武器の補給路を断て

2024-02-25 11:51:02 | 日記
ロシアとウクライナとの不毛な戦争。いつ終わるとも知れぬこの無意味な戦争を確実に、なるべく早く終わらせるうまい手立てはないものかーー。そんなことを考えていたら、きのうこんなニュースが飛び込んできた。


ロシアの兵器を輸送しているなどとして、アメリカ政府が制裁を科している船舶の航路をNHKが分析したところ、ロシアの一部の船舶が中東などの関係が深い国と最近も行き来していることが確認されました。
(NHK NEWS WEB 2月24日 配信)


要するに、西側の制裁網をくぐり抜け、ロシアへ武器を供給している密輸船の活動の実態を、NHKの分析班が明らかにしたということである。制裁の対象となっているこれらの密輸船は、武器の供給国である中東諸国との間を行き来し、ロシアへの武器の運び役になっており、寄港地や日時、航路など、その活動の詳細も割り出されたという。


ならば、話は簡単ではないか。これらの密輸船を臨検し、積み荷の武器類を押収すればよい。


聞くところによれば、現在、ウクライナが劣勢に立たされているのは、西側諸国の「支援疲れ」のため、ウクライナへの武器の供与が不充分になったためだということだが、密輸船の徹底した取り締まりにより、ロシア側への武器の供給も絶ってしまえば、自ずと戦争の継続は不可能になる。


おかしな譬えだが、火のないところに煙は立たない。これと同じ理屈で、いくら好戦的なプーチンが、ゼレンスキーが「撃て、戦え」と叫んでも、双方がタマ切れでは、煙の立ちようがない。煙が立たなければ、戦場での犠牲者も出ない道理で、これが最善の落としどころだと思うのだが、いかがだろうか。

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