ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

民進党 原発政策のまたしても

2017-02-28 12:10:09 | 日記
呆れ果てて開いた口が塞がらない。蓮舫民進党が、原発ゼロの達成期限
を明示するのを、ついに断念したという。

このことを紹介した記事(《蓮舫氏、原発ゼロ「年限こだわらず」=前
倒し、議論は継続-民進党》時事ドットコム2月27日配信)には「年限
こだわらず」とあるが、「年限にこだわれず」と言ったほうが正確だろ
う。

またしても。そう、またしてもである。党内で意見が割れたために、蓮舫
執行部は、原発ゼロの達成時期を「2030年代」から「2030年」へと前倒
しすることを、とうとう見送らざるを得なかったのだ。

党の政策の基本的な部分に関して、党内の意見が割れ、収拾がつかなくな
るのは、これで何度目のことだろう。民進党という政党はどこまでも救
いがたい政党だ、とつくづく思う。本ブログで、以前(2月18日)、私
は次のように書いた。嘆かわしいことだが、私は今でもこれ以外に書くべ
き言葉を持たない。

原発政策に関して言えば、その根本にあるのは、国民の将来の利益を重
視するか、この私の今現在の利益を重視するか、――そのどちらを取る
かという問題である。国民の将来を見すえた政策を提示しなければ、有
権者の支持は得られない、と蓮舫執行部は判断した。我々の今現在の利
益を確保し増大できなければ、有権者の支持は得られない、と考えるの
が、執行部の方針に反対する議員たちの考えである。

後者の議員たちの考えは、職域エゴ・地域エゴから我田引水をはかる旧
来の自民党ロートル議員のそれとあまり変わらない。こういうタイプの
議員こそ、もう時代が求めていないのだ、ということに、民進党の議員
センセイがたははたして気づいているのだろうか。

民進党の議員センセイがた。彼らがそのことに気づくのは、選挙結果が
出たあとのことなんだろうね。後の祭りとならなければ良いのだけれど。
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金正男暗殺 影武者説

2017-02-26 12:26:32 | 日記

金正男暗殺事件は、ほぼ一つの結論に収束しつつある。面白味のないそ
の平凡な結論の手前で、マスコミは足踏みをして、ああでもない、こう
でもないと百家争鳴を繰りひろげるだろうと、私は以前本ブログで書い
た。案の定、面白い「珍説」がここにきて登場したので、これを紹介し
よう。

殺されたのは金正男ではなく、金正男の「影武者」だとする見解がそれ
である。《金正男氏殺害は「影武者」説 “消えた入れ墨”の深まる謎追跡》
(東スポWeb 2月25日配信)が詳しい。

この記事のタイトルからも分かるように、この珍説は、殺害された男性
が死亡する直前、ソファーに倒れ込んだスクープ写真に、「入れ墨」が
写っていなかったことを根拠にしている。本物の金正男なら、下腹に入
れ墨があるはずだ。しかし、この男の下腹にはそれが写っていない。金
正男の父親の金正日にもかつて影武者がいたが、問題の写真の男も同様
の影武者だったに違いないというのである。

この珍説に対しては、「いや、あれは入れ墨がたまたま衣服に隠れてい
ただけなのだ」とか、「金正男の入れ墨は、もともとシールを貼っただ
けで、ホントに入れ墨を彫っていたわけではなかったのだ」とか、ネッ
ト上では様々な憶測が飛び交い、物議を醸している。

ネットというメディアは、さながらエンタメ創作機のように、面白いネ
タを次から次へと生み出し続ける。ひとつ提案があるのだが、次の直木
賞は、ネット上のこうした(作者不詳の)珍説を候補に加えてみてはど
うだろうか。紙媒体で活字にすれば、そこそこ売れるんじゃないかな。
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嫌われる勇気と共同体感覚

2017-02-25 14:27:48 | 日記
青山刑事「アドラーが言うように、他人(ひと)のことは気にするな、
嫌われる勇気をもって、他人のことなんか気にせず好きに生きろとい
うんじゃあ、自分勝手だと思われてしまって、社会生活なんか成り立ち
ませんよね」
十文字教授「嫌われる勇気を持つのは、アドラー心理学の出発点であっ
て、ゴールではありません。ゴールは、共同体感覚を持つということで
す」
「共同体感覚、ですか・・・」
「家族でも、国家でも、職場でもいい、私には共同体がある。すべての
他者は同じ共同体に属する仲間であり、私には貢献すべき仲間がいる、
ここに私の居場所がある。これが共同体感覚と呼ばれる考え方です」
「でも、嫌われる勇気と、共同体感覚って、矛盾すると思うんですけど

「いえ、そうではないのです。これが理解できなければ、そこから先に
は進めませんよ」

これは、テレビドラマ「嫌われる勇気」の一コマである。台詞が忠実に
再現できているかどうか心許ないが、趣旨は大筋では外していないと思
う。

今回のドラマのテーマは、「嫌われる勇気と共同体感覚は、矛盾しな
い。それはなぜか?」である。
たしかに、「嫌われる勇気」という言葉には、「アウトローの一匹狼」
というイメージがつよく付きまとう。
他方、「共同体感覚」という言葉には、「みんなで仲良く助け合い」と
いうイメージが絡みついている。
この二つのイメージは、ちょうど水と油のように、相容れないと思うの
は、当然だと言えるだろう。

「嫌われる勇気」の体現者であるヒロインの刑事・庵堂蘭子が、――日
ごろ他人の顔色など気にかけない庵堂蘭子が、なぜ「共同体感覚」の持
ち主でいられるのか、――仲間のために、息急き切るほど一心不乱にな
れるのか。

嫌われる勇気と、共同体感覚。この二つが矛盾するものでないのは、こ
の二つをそれぞれ次のように言い換えると分かり易いだろう。

   嫌われる勇気=他者から受け入れてもらいたいと思う気持ちを、
          捨てる勇気
   共同体感覚=他者を受け入れる気持ちを、持とうとする態度

他者から受け入れてもらいたい。そう思う気持ちを捨てた蘭子のような
跳ね返りが、他者を受け入れ、他者のために尽力しようという気持ちを
いだくのは、なんらおかしなことではないし、また矛盾でもない。アウ
トローの一匹狼が、妻や子や、恩義のある親分のために命を懸けようと
するのも、よく聞く話ではないか。

もう一つ別の言葉で言えば、これは、他人から「愛してもらいたい」と
いう望みを捨てた人物が、だれかを「愛する」気持ちを持つのと同じこ
と。このこと自体は決しておかしなことではない。ここにあるのは、他
人から受け入れてもらいたい、愛されたい、という受動の気持ちと、他
人を受け入れる、愛するという能動の気持ちとの(ベクトルの)違いだ
と言ったら良いだろうか。

話は変わるが、このテレビドラマ「嫌われる勇気」には、アドラー心理
学会から、放送を中止すべしと、強硬な抗議が寄せられた。フジテレビ
の製作スタッフは、この要求を退け、この番組の放送を継続する決定を
下したという。英断である。抗議に屈して放送中止を決めたら、フジテ
レビは「嫌われる勇気」を持てなかったことになる。テレビ番組など所
詮は人気商売だから、他人の評価を気に掛けるのは当然だが、テレビ局
が気に掛けるのは、一般視聴者の評価だけでいい。

それにしても、こんなことでいちいち口をさしはさみたがるアドラー心
理学会の(「専門家」の)面々には、困ったものだ。売れない純文学の
作家が、大衆小説を書いて好評を博したとき、純文学の作家仲間がジェ
ラシーに駆られて、「あんなものは文学ではない」と悪口を言い合うと
いう話を聞いたことがある。読者が1名(著者だけ)の紀要論文しか書
いたことがない学者の世界で、同僚が新書を書いてベストセラーになっ
たと聞けば、妬みに駆られて、「あんなものは学問ではない。奴も落ち
たものだ」と悪口を言い合ったりするというのも、よく聞く話だ。

イソップの「酸っぱいブドウ」を地で行くような話だが、他人の評価な
ど当てにならない(だから気にするには当たらない)、ということを示
す良い教訓はである。アドラーはそういうことも知っていて、「嫌われ
る勇気」を持てと言ったんだね、きっと。
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金正男暗殺 事実から動機へ

2017-02-23 14:03:11 | 日記
金正男が暗殺された事件の、その事実的背景が次第に明らかになりつつ
ある。情報の出所はマレーシア警察だが、あやしげな憶測をまじえない
(フェイクでない)事実を知ろうとすれば、我々としては、現地の唯一
の捜査機関であるマレーシア警察の情報に頼るしかない。

きのうマレーシア警察は記者会見を行い、追跡中の3人のうち1人は北
朝鮮大使館勤務の2等書記官であり、もう1人は北朝鮮の高麗航空職員
であると発表した。

マレーシア警察が明らかにしたこの事実は、この暗殺事件が北朝鮮政府
による組織的犯行であることを強く示唆している。今後、この見立てを
裏打ちする事実は出てきても、これを覆すような新たな事実は出てこな
いだろう。そしてこれからのマスコミの関心は、事実の解明から、暗殺
の動機の解明へと移ってゆくに違いない。「北朝鮮トップの金正恩は、
なぜ今、異母兄の金正男を暗殺したのか?」

私は、金正恩が疑心暗鬼に駆られて、次のように考えたからだと見てい
る。「中国は金正男を受け皿にして、オレ様を殺害し、後釜に金正男を
首班にした傀儡政権を作ろうとしている。受け皿の存在がこの企(たく
ら)みの成否の鍵になる。受け皿がなくなればいいのだ。そうなれば、
奴らの企みもどうせ水の泡だ」

これはごくありふれた、自然な、だれもが考えそうなストーリーであ
る。外連(けれん)味もなければ、意外性もない。この平凡な、面白味
のないストーリーを、マスコミはどう受け止めるのか。面白味のない事
実、大衆受けしない事実をスルーしがちなマスコミは、この結論の手前
で足踏みをして、ああでもない、こうでもないと、百家争鳴を繰りひろ
げることだろう。

きょうの新聞には、「週刊新潮」の広告がでかでかと載り、「『金正男
』暗殺は『金正恩の指令』に疑義あり」との見出しがこれ見よがしに
踊っていた。「面白いネタであってこそ事実であるのだぞ」とでも言う
ように。

ま、事実も解釈のうち。事実は解釈によって作られる側面もあるから、
面白い解釈が作り出す面白い事実なら、私としても、これを無下に退け
るものではないんだけれどね。
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中国工作員の関与説はガセ?

2017-02-22 15:07:36 | 日記
今しがた入ったニュースである。

時事通信ニュースが報じたところによれば、「マレーシア警察は22日、
事件発生以来2回目の記者会見を行い、追跡中の3人のうち1人が北朝
鮮大使館勤務の2等書記官だと発表した。また、もう1人は北朝鮮の高
麗航空職員だと明かし、北朝鮮側に対し、両者との面会を求めた」とい
う(2017-02-22 13:48)。

北朝鮮大使館員が事件に関わった疑いが浮上したことで、「北朝鮮政府
による組織的関与の見方が強まった」と時事通信は述べるが、その通り
だろう。

これまで本ブログが注目してきた「中国工作員の関与説」だが、この情
報によって、この珍説は完全に打ちのめされたと言ってよい。この珍説
の信憑性は完全にゼロだと断言できる。ネット上で注目を浴びるために
でっち上げられたガセネタ、つまりフェイクだったということである。
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