昨夜、夕餉の食卓で次のニュースを聞いた。
「イスラエル軍がパレスチナのガザ地区での軍事行動を拡大していることについて、上川外務大臣は、人道目的の一時的な戦闘の休止を関係国に働きかけていく考えを示しました。
(中略)
上川外務大臣は、大阪市で行った記者会見で『現地の緊張度は刻一刻と増していて、深刻な懸念を持って情勢を注視している。わが国としては人道的休止や人道支援活動が可能な環境の確保が重要だという立場で、各国と連携しつつ関係者に働きかけるなど積極的に取り組む』と述べ、人道目的の一時的な戦闘の休止を関係国に働きかけていく考えを示しました。」
(NHK NEWS WEB 10月29日配信)
このニュースを聞いて、私は、「ははあ、上川外相は日本が〈人道〉の理念を重んじる国だということを、アピールしようとしているのだな、ご苦労なことだ」と思った。
な〜に、いいではないか、と言う人がいるかもしれない。〈人道〉の理念を重んじることは、なにも恥ずべきことではない。日本は平和憲法を守る平和主義の国家なのだ。日本が〈人道〉の理念を重んじる国だということは、むしろ胸を張ってアピールすべきだ、ーーそう言う人がいるかもしれない。
けれども、問題にすべきは、この発言が日本の外務大臣の発言だということである。問われているのは、日本の国家としての外交姿勢なのである。
憶えておいでの人も多いと思うが、国連総会は先日、イスラエルとハマスの軍事衝突をめぐり『敵対行為の停止につながる人道的休戦』を求める決議案を採択した。このとき、日本はどういう投票行動を示したのか。
言うまでもない。日本は「棄権」をした。「賛成」票を投じなかったということだ。親分であるアメリカに「御意の通り」と追従したのである。
きょうの「朝日川柳」にこんな句があった。
休戦にYESと言えぬ悲し国
日本は、親分のアメリカに気を遣って、二枚舌を使うしかない「悲し国」なのである。
日本のこの悲しい外交姿勢を、「仕方がないのさ」と言って済ますことはできない。平気で二枚舌を使う国、態度が首尾一貫しない国を、国際社会は信用するだろうか。いや、信用するはずがない。二枚舌の風見鶏国家は、かえって馬鹿にされるだけである。
上川外相は申し訳のように
「イスラエル軍がパレスチナのガザ地区での軍事行動を拡大していることについて、上川外務大臣は、人道目的の一時的な戦闘の休止を関係国に働きかけていく考えを示しました。
(中略)
上川外務大臣は、大阪市で行った記者会見で『現地の緊張度は刻一刻と増していて、深刻な懸念を持って情勢を注視している。わが国としては人道的休止や人道支援活動が可能な環境の確保が重要だという立場で、各国と連携しつつ関係者に働きかけるなど積極的に取り組む』と述べ、人道目的の一時的な戦闘の休止を関係国に働きかけていく考えを示しました。」
(NHK NEWS WEB 10月29日配信)
このニュースを聞いて、私は、「ははあ、上川外相は日本が〈人道〉の理念を重んじる国だということを、アピールしようとしているのだな、ご苦労なことだ」と思った。
な〜に、いいではないか、と言う人がいるかもしれない。〈人道〉の理念を重んじることは、なにも恥ずべきことではない。日本は平和憲法を守る平和主義の国家なのだ。日本が〈人道〉の理念を重んじる国だということは、むしろ胸を張ってアピールすべきだ、ーーそう言う人がいるかもしれない。
けれども、問題にすべきは、この発言が日本の外務大臣の発言だということである。問われているのは、日本の国家としての外交姿勢なのである。
憶えておいでの人も多いと思うが、国連総会は先日、イスラエルとハマスの軍事衝突をめぐり『敵対行為の停止につながる人道的休戦』を求める決議案を採択した。このとき、日本はどういう投票行動を示したのか。
言うまでもない。日本は「棄権」をした。「賛成」票を投じなかったということだ。親分であるアメリカに「御意の通り」と追従したのである。
きょうの「朝日川柳」にこんな句があった。
休戦にYESと言えぬ悲し国
日本は、親分のアメリカに気を遣って、二枚舌を使うしかない「悲し国」なのである。
日本のこの悲しい外交姿勢を、「仕方がないのさ」と言って済ますことはできない。平気で二枚舌を使う国、態度が首尾一貫しない国を、国際社会は信用するだろうか。いや、信用するはずがない。二枚舌の風見鶏国家は、かえって馬鹿にされるだけである。
上川外相は申し訳のように
「わが国としては人道的休止や人道支援活動が可能な環境の確保が重要だという立場で、各国と連携しつつ関係者に働きかけるなど積極的に取り組む所存です」
と述べたが、こんな見えすいた白々しい文句を並べたところで、従者の国・日本はそっぽを向かれるのがオチだろう。
おまけに日本は、ガザ地区の人道支援として、1千万ドル(約15億円)を拠出すると公表した。これは恥の上塗り以外の何ものでもない。「カネを出せばいいんでしょ、カネを出せば!」という拝金主義の態度は、「またかよ、日本は」と、物笑いの種になるだけだろう。
なけなしのカネを支払う悲し国
おまけに日本は、ガザ地区の人道支援として、1千万ドル(約15億円)を拠出すると公表した。これは恥の上塗り以外の何ものでもない。「カネを出せばいいんでしょ、カネを出せば!」という拝金主義の態度は、「またかよ、日本は」と、物笑いの種になるだけだろう。
なけなしのカネを支払う悲し国