ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

待機児童問題はいずこに

2017-05-31 16:49:39 | 日記
待機児童をゼロにする目標の、その達成年度をを2017年度末としていた安
倍政権は、今年度末の達成は絶望的であるとし、目標を3年先に先送りする
ことにしたという。

世のお母さんたちはこの報に接して、なぜ騒がないのだろう。マスコミは
この報を、なぜ大々的に取り上げないのだろう。

「保育園落ちた。日本死ね」なる書き込みが国会で取り上げられ、保育所
不足という深刻な現状を浮かび上がらせたのは、つい1年前のことである。
国会でくりひろげられたあのヒステリックな喧々諤々は、いったい何だっ
たのか。この問題で名を売り、民進党の政調会長に抜擢された山尾志桜里
女史は、今はどうしているのか。

待機児童問題が世を騒がせなくなった原因は、はっきりしている。もっと
もっと大きな政治的問題が、暗雲のように目の前を覆っているからであ
る。森友学園問題や加計学園問題に象徴される、安倍首相の暴走と独裁
化、北朝鮮のミサイルへの対処問題、いずれも一朝一夕には解決できない
難題である。とくに前者の学園マターでは、政府はさながらハリネズミの
ように身を固くして身構え、敵に攻め入る透きを見せない。後者のミサイ
ル問題は、もともと日本一国では解決できない問題である。

これらの難題を前にして、1年前にあれほど世を騒がせた待機児童問題は、
お母さん一人ひとりの個人的問題へと分断されてしまう。この個人的問題
を、国民的な政治的課題へと糾合できないでいる野党の無能ぶりが、つく
づく情けなく思われる昨今である。
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前川砲 発射するも

2017-05-30 14:48:54 | 日記
前川前文科事務次官が、北のミサイルに劣らない衝撃的な大砲をぶっ放
した。きょうの朝日新聞は、一面ででかでかと次のように報じている。

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」
(岡山市)の獣医学部新設計画について、前川喜平・前文部科学事務次
官が朝日新聞の取材に対し、昨年9~10月に和泉洋人・首相補佐官と首
相官邸で複数回面会し、「総理は自分の口から言えないから、私が代わっ
て言う」などと言われたと証言した。「獣医学部新設を早く認めるよう求
める趣旨だった」と語った。

この前川砲で安倍政権もいよいよ終わりか、と思ったが、テレビのワイド
ショーを見る限り、どうもそんな雲行きではなさそうだ。この砲弾でも、
安倍政権はびくともしない、とだれもが見ているようなのだ。

しかし、この砲弾が何の効果も持たないとしたら、安倍政権は今後、何で
もありのやりたい放題、とてつもない独裁政権になってしまうだろう。

今回、加計学園の新設問題に際して、首相サイドが用いたのは、ヤ●ザの
鉄砲玉に似た、単純かつ伝統的な仕掛けである。「はい、あっしがたしか
に殺りました。間違いありません。ですが、親分からは何一つ具体的な指
示はいただいておりやせん。これについては、記憶にありませんので、確
認のしようがないのです。へえ」

鉄砲玉の存在を暴露した前川砲は不発に終わり、そんなことはなかったよ
うに、事態の大筋は安倍首相の思わく通りに進んでいる。きょうの新聞各
社は、社説では、挙(こぞ)って北のミサイル発射問題を取り上げている。
テレビを付けると、ワイドショーでは、前川砲を取り上げている番組もあっ
たが、「出会い系バー」の店内の配置や、料金システムをただただ紹介する
ばかり、「共謀」の意図があるかどうかは分からないが、官邸サイドの目く
らまし作戦に完全に乗せられてしまっている。

暖簾に腕押し、糠に釘。それでもこの政権が高い支持率をなぜ保っている
のか、愚鈍な私には理解できない。
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北朝鮮 ミサイル発射のタイミング

2017-05-29 15:52:10 | 日記
北朝鮮がまたミサイルをぶっ放した。安倍政権にとっては、実にいいタイ
ミングである。だってそうではないか。国内では、加計学園問題がヤマ場
をむかえ、対応次第では、安倍政権は窮地に陥りかねないところである。
そこへ来て、ミサイルだ、外敵襲来だ、ということになれば、国民の関心
は、この外敵への対処問題に向かい、加計学園問題など、どうでもいい些
細な問題にしか見えなくなってしまう。現にきょうのテレビのワイドショ
ー然り。本ブログの話題も、おのずと加計学園問題から、北のミサイル問
題へと移ってしまっている。

なぜなのか。なぜ北はこのタイミングで、日本海にミサイルを打ち込んだ
のか。まさか北の豚魔大王は、日本の自民党政権の存続をサポートしよう
としているわけではないだろう。その見返りに、自民党の金庫番が、莫大
な裏金を豚魔大王に貢いでいるわけではないだろう。

いくらなんでも、これでは妄想が過ぎるというものである。北のミサイル
発射は、日本の国民にとっては安全を脅かす危機以外の何ものでもない。
己れを維持するためとはいえ、そんな国民的一大事を招来するようなこと
を、安倍政権が画策したりするだろうか。最大の敵アメリカの一番の子分
である日本の自民党政権を、豚魔大王が手助けしようと考えたりするだろ
うか。いや、そんな可能性は万に一つもあり得ない、と私は自信をもって
断言する。リタイア老年ブロガーの面子にかけて、そう断言しなければな
らない。

ただ、次のような可能性はあり得るのではないか、と私はひそかに考えて
いる。北がこのタイミングでミサイルを発射するように、安倍首相が挑発
した可能性である。産経ニュース(5月26日配信)は次のように報じて
いる。

安倍晋三首相は25日午後(日本時間同日深夜)、政府専用機でシチリア
島に到着した。首相は同日午前、出発前の羽田空港で記者団に「北朝鮮の
問題はいまや東アジアだけではなく、世界にとっても重大な脅威だ。その
認識を共有し、G7で一致結束して毅然(きぜん)と対応していく。議論
をリードしていきたい」と述べた。

こうした情報を入手したら、直情型の北の豚魔大王は、ミサイルをぶっ放
したくなるに違いない。北がこのタイミングでミサイルをぶっ放してくれ
れば、国民の関心は加計学園問題を離れ、G7を終えて帰国した後の政権
運営は事なきを得るだろう。

安倍首相がそこまで計算した上でG7の席上、北朝鮮問題を俎上にのせた
のだとしたら、彼が政権運営の天才であることを、残念ながら私は認めな
いわけにはいかない。安倍政権が1強として戦後有数の長期政権化を誇る
のも、この才によるところが大きい。

ただ、才におぼれ、好き勝手が過ぎて、墓穴を掘りつつあるのも、これま
た否定できない事実である。この事実を、北のミサイルは打ち砕くことが
できるのかどうか。それが当面の見どころである。
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加計学園問題 その眼目は

2017-05-28 16:19:53 | 日記
加計学園問題の眼目は、そこに「首相の意向」が介在したかどうかにあ
る。「首相のご意向」と明記された文書が実在したかどうかは、この問
題を解明する決定打とはなり得ない。「首相の意向」を笠に着て、加計
学園の設立に弾みをつけようとした勢力(内閣府・国家戦略特区担当)
の一員が書いた文書とも取れなくはないからである。

とすれば、この文書の性格をきっちり検証することが不可欠であり、この
ことが逆に重要になる。菅官房長官が言うように、これは出所の不明な
「怪文書」に過ぎないのか、それとも前川前文科事務次官が言うように、
これは説明のための「レク資料」であって、書き手がだれかが分かってい
るのかどうか。分かっているのなら、この書き手(A)がどういう経緯で、
どういう人物(B)からこの「首相のご意向」という言葉を耳にしたのか、
また、この人物(B)のほうは、どういう経緯と目論見からこの言葉を口に
したのか、そこのところを是非明らかにしなければならない。

追及の矛先がそこまで及ぶことを恐れてか、文科大臣は「そういう文書
の存在は確認されていない」と逃げているが、「そういう文書は存在し
ない、とは言っていないからね。だから嘘はついていないからね」と言っ
ているに等しいこんな子供だましの答弁で、疑惑の解明に終止符を打って
はならない。

前川前文科事務次官が「出会い系バー」に通っていたとか、官邸サイドが
この事実を読売新聞にリークしたとか、読売新聞が政府の広報誌になり下
がったとか、そういう諸々の目くらましは、解明されるべき真相の、その
核心を覆い隠す煙幕として作用してしまう恐れがある。

そういう煙幕の効果もこの謀略に期待されているとしたら、我々としては、
官邸サイドのそういう策略に乗せられないよう、くれぐれも心しなければ
ならない。
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菅官房長官語の毒を見た

2017-05-27 14:19:17 | 日記
「菅官房長官語」なるものがネット上で取り沙汰されているという。話
題の発信元は、映画監督・想田和弘氏がツイッター上で行った「実験」
である。反権力サイト「リテラ」に掲載されている宮島みつや氏の記事
《菅の常套句で返せばネトウヨも絡む気なくす! 想田和弘監督の実
験が証明した“菅官房長官語”の非人間性》によれば、 想田和弘氏による
この「実験」とは、菅義偉官房長官が定例記者会見などで述べる言葉を
使って、ツイッター上に寄せられた想田氏への批判・中傷に淡々と応じ
ていくというもので、この「実験」には「#菅官房長官語で答える」と
いうタイトルが付けられている。

どんな内容なのかは、実例を見たほうが分かりやすい。

ユーザー「#菅官房長官語で答える」 は単に有名人の物まねであるにす
ぎず、ネット民が特徴的な発言の一部を切り取って遊んでいるのと同じ
事(以下略)。」
想田「その指摘は全くあたらない。粛々と進める方針は、いささかも揺
らぐことはない」
ユーザー「煽りは如何なものか」
想田「そのような批判は全くあたらない」
ユーザー「こんなん、福田でも平野でも仙谷でも枝野でも藤村でも一緒
でしょ。官房長官ってのはそういう言葉遣いをするもんでしょ。」
想田「個別の事案について答えることは控えたい」

ご覧の通り、笑いがこみ上げてくるほどスカスカ・不毛な受け答えであ
る。菅官房長官語の特徴は、相手の質問や抗議に対して決して答えない
こと。そして、木で鼻を括ったような定型句を繰り出すことにある。こ
のテクニックを使われると、コミュニケーションはそこで遮断され、議
論にならないのだ。なりようがないのである。‬

ところが、「#菅官房長官語で答える」 では、一応受け答えをしては
いるので、傍目にはコミュニケーションが成立しているように見える。
質問者はその問いかけが真摯であれば真摯であるほど大きな心理的なダ
メージを受け、周りには彼が愚か者のように見えてしまう。これが菅語
の恐ろしさなのである。

菅官房長官は、相手がどれほど微に入り細をうがつ質問を浴びせても、
顔色一つ変えずに断定的な否定を行い、あるいは事実上の回答拒否を行
う。一見受け答えしているように見えても、実際は「コミュニケーショ
ンの遮断」を行っているに等しい。

菅官房長官の独自性は、直接的・感情的に〈敵〉をあげつらったりしな
い点にある。まるで感情がないかのようだ。菅官房長官はBOT、すなわち
機械的に定型文を繰り返すプログラムそのものだと宮島氏は言う。

さてこのBOTは、今度はどういう毒を吐き出すのか。

菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、前川喜平・前文部科学事務
次官が援助交際の交渉現場となっている出会い系バーに、女性の貧困問
題を調査するために出入りしていたと釈明した件について、「さすがに
強い違和感を覚えた」と述べた。その上で「常識的に、教育行政の最高
責任者がそうした店に出入りして、(女性に)小遣いを渡すようなこと
は到底考えられない」と語った。(産経ニュース5月26日配信)

前川前文科省事務次官が自身の「出会い系バー」通いを「釈明」しよう
とした時点で、この勝負の帰趨は見えている。官邸サイドがしつらえた
謀略の土俵に乗ってしまったからだ。

菅官房長官の苦虫を噛み潰した能面のような表情が目に浮かぶ。人間味
をまったく感じさせない彼のこのBOT的対応は、殺伐として、不気味と
言うしかない。
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