ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ならず者国家の脅威

2024-01-12 16:02:28 | 日記
「ロ−ウク戦争」はロシアが勝利する。こう予測する米調査会社の「ユーラシア・グループ」は、この予測の根拠として、二つの要因をあげている。一つは、ウクライナを支援する米欧諸国の「支援疲れ」であり、もう一つは、「ならず者国家」と呼ばれるロシア、イラン、北朝鮮3カ国の連携強化である。これら3カ国の関係について、「ユーラシア・グループ」は次のように述べている。


「3カ国を結束させているのは厳しい制裁、米国に対する憎悪、自分たちの犠牲の上に西側が利益を得ていると彼らが一方的に考えている国際秩序を打破しようとする野望である。」(ユーラシア・グループ)


ロシアと北朝鮮との関係についていえば、北朝鮮は今やロシアにとって武器弾薬の供給源となり、代わりにロシアは北朝鮮に食料、エネルギー、人工衛星開発の技術支援を行っている。


また、ロシアとイランとの関係も「限定的な戦術的同盟」から「より包括的で戦略的な軍事的・経済的パートナーシップ」へ格上げされた。カミカゼドローン(自爆型無人航空機)を提供するイランは、西側の制裁を回避するノウハウをロシアに伝授する。ロシアは、中東で米国やイスラエルと戦うイランの代理組織との関係も強化している。


北朝鮮とイランとの関係も無視することはできない。
北朝鮮とイランは、数十年にわたり核・ミサイル開発で協力してきた。北朝鮮は、ハマスやその他イランが支援する武装勢力に武器やミサイルの設計図を提供しているとされる。


こうした関係を踏まえて、「ユーラシア・グループ」は次のように述べる。


「これらのならず者国家は連携を深めて相互に支援して能力を高め、ますます協調的かつ破壊的な行動をとり、世界の安定に対する脅威を増大させる。ロシアはリスクの主な推進役となるだろう」


つまり、これら3カ国の連携強化は、ひとりウクライナにとってだけでなく、世界全体にとって大きな脅威になるというのである。


「ユーラシア・グループ」の予測が大いにあり得ることだとすれば、その脅威は日本にとっても決して対岸の火事ではないことになる。


「ウクライナの人たち、可哀そうだよなあ」などと他人事のように拱手するのではなく、我が国がこの脅威に対処するにはどうすればよいか、我々はこの問いに真剣に向き合わなければならない。


「いやいや、だからこその日米同盟ではないか」と答える人が少なくないのは、わかっている。しかし、この人たちには(サイト「JBPress」に掲載された)この記事(「ウクライナは今年、分割される。来年にも敗戦の恐れ」)をぜひ読んでいただきたいのである。この記事の最後の章には、「今年最大のリスクは米国」という表題が付けられている。


アメリカは実際、それほど頼れる存在なのか。「ユーラシア・グループ」は次のように述べている。


「(米国は)軍事力と経済力は極めて強力なままだが、(米国における)政治システムの機能不全は先進工業民主主義国の中で最もひどい。今年はそれがさらに悪化するだろう。」


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