ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

嘱託殺人と黄金率

2024-01-24 13:56:36 | 日記
けさの朝日新聞に、「ALS嘱託殺人」に関する裁判員裁判(京都地裁)の概要が報じられていた。


ALS嘱託殺人事件」とは、2019年11月に起きた事件で、ALS(筋萎縮性側索硬化症:筋肉が徐々に動かなくなる難病)の女性患者Aさんから依頼され、薬物を投与して殺害したとして、医師の大久保氏と山本氏が2020年7月23日に嘱託殺人容疑で逮捕されたものである。


この事件に関して、京都地裁が去年の12月、山本氏に対して懲役2年6ヶ月の実刑判決を下したとの報を聞いたとき、私は本ブログで次のように書いた。


「山本医師は、ただの『殺人』を行ったのではない。彼の行為は『苦しんで助けを求めている人がいたら、その人を助ける』、『患者の依頼に応えて、できる範囲で助力する』という、黄金律の精神から出た行為であり、したがって倫理的な行為だった。」
(2023/12/21《嘱託殺人の判決に思う》)


私は京都地裁の有罪判決に異議をはさんだのだが、この私の判断は間違っていなかったと思う。


けさの朝日新聞の記事は、(山本氏ではなく)大久保医師に対する京都地裁の判決を報じたものだが、それによれば、


弁護側が『犯罪だとわかった上でなぜ実行したか』と問うと、(大久保医師は)『困っている女性を放っておけず、何かしてあげたいと思った』と述べた


という。この医師の行為は、やはり「黄金率」の精神に則ったものだったのだ。山本氏の場合もおそらく同様だろう。


今後、大久保被告と山本被告に対するこの裁判は最高裁まで持ち越されるのだろうが、はて最終判決は一体どうなりますことやら。

コメント
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