ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

外国人労働者はいかが?

2018-10-31 13:47:20 | 日記
少子化にともなう労働力不足を解消するため、政府は外国人に頼り、不足分
を補おうとしてきた。それでもまだ足りないため、このたび政府の打った手
が、出入国管理法の改正である。政府が提出したこの改正案は、「社会を大
きく変える可能性をはらみ、日々の暮らしや人権にも密接にかかわる」重要
な法案であり、慎重な検討が欠かせない(朝日新聞)。

その中身は、要約すればこういうものである。「『特定技能』という在留資
格を設け、一定の技能と日本語能力のある外国人を受け入れる。在留期間は
最長5年とし、家族の帯同は認めない。その後、熟練した技能を持つと判断
されれば、家族を呼び寄せ、さらに働き続けることができる。」

この法案については、朝日と東京が次の社説で取り上げている。

朝日10月29日《外国人労働者 「人」として受け入れよう》
東京10月29日《外国人労働者 差別のない就労条件で》

こうしたタイトルを見れば、両紙のおよその主張は推察できるが、念のため、
それぞれの要所をコピペしておこう。まずは朝日から。

「外国人に頼らなければ、もはやこの国は成り立たない。その認識の下、同
じ社会でともに生活する仲間として外国人を受け入れ、遇するべきだ。
(中略)だが政府が進めようとしている政策は、こうした考えとは異なる。
根底にある発想は旧態依然のままで、「共生」にほど遠いと言わざるを得な
い。
(中略)
『我々は労働力を呼んだ。だが、やってきたのは人間だった』。移民国家ス
イスの作家マックス・フリッシュの言葉だ。
この当然のことを忘れると、労働者側、受け入れ側の双方に不幸な結果をも
たらす。
喜怒哀楽があり、大切な家族がいて、病気もする。互いに同じ人間だという
認識をもてば、どんな法律や制度にすべきか、逆に、してはいけないかの答
えも、おのずと見えてこよう。」

一方、東京はこんなふうに述べている。

「人手のために単純労働者の受け入れ制度を-との考えは発想が単純すぎる
のではないか。例えば一定の技能を持つ「特定技能1号」の在留資格の外国
人は、在留期限が通算五年で、家族の帯同は認められない。
これは人権保障の観点から大問題である。日本にいる限り憲法や国際人権法
などの光に照らされる労働者でなければならない。長期間の家族の分離を強
いる仕組みであってはなるまい。
職場移転の自由があっていいし、日本人の労働者と同様の労働条件にすべき
だ。賃金や労働時間などで国籍や民族を理由とした差別を認めてはいけない
はずだ。
(中略)
技能実習生の例があるように、外国人をまるで使い捨て感覚で雇用すれば、
国際社会から「奴隷的」と烙印(らくいん)を押されるだろう。」

見られるように、両紙の主張はだいたい似通っている。労働者として迎え
入れる外国人を、日本人と差別せずに、同じ人間として処遇すべきだ、ー
ーこれが両紙の共通した主張である。
しかし、これとはまったく違った主張がある。サイト「ITmediaビジネス
ONLINE」に掲載された記事《だから「移民」を受け入れてはいけない、
これだけの理由 》(窪田順生著、10月30日配信)である。

この記事の主張は単純である。これも要所をコピペすることにしよう。
「『外国人への労働力依存』というのは覚醒剤と同じで、『辛いからちょ
こっとだけ』と軽いノリで手を出したら最後、それなしでは生きられない体
になってしまう。今回の受け入れ先とされる14業種はみな深刻な人手不足
だ。その解決策として『外国人労働者』が注入されれば、もはやそれ抜きで
は現場が回らなくなってしまうのは小学生でも分かる。
(中略)
外国人労働者を受け入れてしまうと、日本人労働者の『賃金アップ』のチャ
ンスはなくなる。おまけに、ようやく兆しが見えてきた日本社会の生産性向
上も足を引っ張られる。要は、日本にとって『得』がまったくないからだ。
(中略)人手不足が深刻化していけば、企業は労働力を使い捨てにせず、大
事に囲い込まざるを得ない。賃金アップはもちろん福利厚生など環境整備も
される。当然、これまで日本企業の至るところにあって『これってどう考え
ても効率悪くね?』という無駄な慣習などをサクサクと削って、生産性向上
を進めることも余儀なくされる。
働きやすくて金払いも良いとなれば、これまで『雇用ミスマッチ』が指摘さ
れるような不人気業種にも労働力が集まってくる。つまり、人手不足が進め
ば、一部の経営者は苦境に追いやられるだけで、労働者全体の地位は向上す
るし、生き残りを目指す企業が続々と生産性向上の動きも促進されるなど、
日本にとっては悪い話ではないのだ。」

う〜む、なかなか読ませる文章だが、私はこれを読んで、素朴な疑問を懐か
ざるを得なかった。労働力不足の状況が続けば、労働者の賃金はアップし、
労働環境が改善される。だから移民政策によって労働力不足の現状を解消す
ることには反対だ。ーー著者のこの意見は、非正規で不安定・低賃金の現状
に甘んじざるを得ない底辺労働者の声を代弁したものと言えるだろう。だが、
労働力不足のため、労働者の賃金がどんどん上昇していけば、企業はより安
価な労働力を求めて、生産拠点を国外に移すようになるのではないか。そう
なったとき、国内の底辺労働者は、職を失うことになるのではないか。

労働力不足の現状をこのまま放置すれば、そこには亡国の前途しかないよう
に思われるのだが、いかがだろうか。
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ジコチュー思想のこれから

2018-10-30 13:49:14 | 日記
自国第一主義、排外主義、ナショナリズム、極右、ーー名前は何でも良い
が、要するにジコチュー思想である。このジコチュー思想は、容易に伝播す
るものらしい。

ブラジルではトランプのそっくりさん、ジャイル・ボルソナーロ氏が大統領
に当選した。政策や主義主張はトランプそっくりだから、改めて紹介するま
でもない。

また、ドイツでは、反トランプの急先鋒だったメルケル首相が国民の支持を
失い、引退に追い込まれた。引退に追い込んだのは、難民の受け入れに不満
を募らせた国民の非難の声である。「難民なんかより、俺たちのことを第一
に考えろ!」ドイツ国民のこの声は、トランプ大統領を誕生させた、アメリ
カのラストベルトで暮らす、あの労働者たちの声に酷似している。

ジコチュー思想の席巻というこうした動向によって、今後、世界の政治情勢
はどう変わっていくのか。どの国も自国の利益をーー国益を、追求する点で
は変わりがない。だがこれまでは、他国と協調しながらそれを追求しようとす
る傾向が勝っていたように思われる。

「いや、俺様が先だ」と他国を押しのける姿勢に、トランプが火をつけてし
まった。これによって、各国間の紛争が増えることは間違いない。各国の利
益争いが激化して、戦争に発展することがなければ良いが、と天邪鬼爺は案
じている。
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テーブルの下の日本と中国

2018-10-29 16:56:58 | 日記
日頃いがみ合っている二人の男がいた。T大学のA教授とB教授。二人は会
議の席で、表向きは穏やかな笑顔を浮かべながら、テーブルの下では互いに
脚を蹴り合っていたという。現役の頃、ゴシップが好きだった他大学の友人
から聞いた話だが、この二人の間柄は業界ではわりと有名だったらしい。

実名をだすのは控えるが、最近の日中関係のニュースを見聞きすると、私は
この二人の間柄のことを思い起こす。新聞やテレビのニュースで報じられる
のは、「テーブルの上」の、笑顔を浮かべる二人の姿である。たとえばーー

日中平和友好条約40年に合わせて安倍晋三首相が中国を訪問し、きのう習
近平国家主席、李克強首相とそれぞれ会談した。日本の首相としては7年ぶ
りの公式訪問だ。
 安倍首相は「競争から協調へ、日中関係を新たな時代へ押し上げたい」と
述べ、習主席は「日中関係が正しい軌道に戻り、前向きな勢いを見せている
」と語った。
     (毎日新聞社説10月27日《節目の日中首脳会談
                   7年ぶりの成果を弾みに》)

経済的なメリットを考えれば、日中両国は友好関係を築いたほうが良いに決
まっている。そんな分かりきったことがこれまで実現しなかったのは、尖閣
諸島をめぐる領土問題がそれを阻んでいたからである。友好のために領土問
題は一時棚上げにしよう、という話は、46年前、日中国交正常化交渉の際、
田中角栄首相と周恩来総理との間で提出され、両者がこれに合意したという
経緯がある。

にもかかわらず、尖閣問題はその後も紛争の火種としてくすぶり続け、両国
の友好関係を阻害してきた。今回も、友好の機運が高まったからといって、
この火種が消えてしまったわけではない。尖閣諸島をめぐる中国側のデモン
ストレーション活動は、相変わらず活発に続いている。こんな具合だ。

沖縄県・尖閣諸島の沖合で24日、中国海警局の船4隻が日本の領海のすぐ
外側にある接続水域を航行しているのを日本の海上保安庁の巡視船が確認し
た。(スプートニク日本10月24日配信)

これに対しては、日本側も黙ってはいない。米軍と共同訓練を実施し、「寄
らば斬るぞ」のデモンストレーションで対抗する。

陸上自衛隊は5~19日の日程で、鹿児島・種子島や周辺海域で米海兵隊との
実動演習を実施した。今春、長崎県佐世保市に新設された陸自の「水陸機動
団」が中心となった日米共同訓練で、国内での実施は初めて。「敵に占拠さ
れた離島の奪還」を想定、一部は地域住民や報道陣に公開され、緊迫した作
戦が展開された。
                    (日本経済新聞10月19日)

いや、むしろこう考えたほうが適切だろう。上記2つの情報の日付を見る限
り、先に仕掛けたのは日本側である。その数日後、中国が尖閣付近の接続水
域に船舶を航行させたのは、これに対する対抗措置だったと見ることができ
る。

いずれにしても、日本と中国が行っているのは、テーブルの下の脚の蹴り合
いである。

安倍首相と習近平国家主席がどれだけ笑顔を交わしても、トランプ大統領が
安心して見ていられるのは、彼が日・中のこういう「テーブルの下」の小競
り合いを知っているからなのだろう。
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中米の難民が北上中

2018-10-28 11:06:03 | 日記
マイケル・サンデルという名前に聞き覚えはないだろうか。一時期、日本で
も『ハーバード白熱教室』などで名を馳せた、アメリカの政治哲学者である。
身近な事例を引き合いに出して、「正義とは何か?」といった根本的な問い
について考えさせる授業のスタイルが、なんとも刺激的だった。

きのうの夕食時、テレビのニュースを見ていたときだった。私の前に突然こ
のサンデル教授が現れ、「で、君はどう考えるのだ?」と私に問いを突きつ
けるのである。

そのニュースは、中米ホンジュラスを出発した数千人規模の集団が、貧困や
治安の悪化から逃れるため、アメリカに向かってメキシコを北上中だという
ものだった。私がギョッとしたのは、アメリカ・トランプ政権の対応である。
トランプ大統領は、彼ら難民たちの入国を阻止するため、軍の投入も辞さな
い考えだという。「なんと無慈悲な!」と思ったが、その理由を聞いて、私
の頭は混乱した。難民の中には、ホンジュラスに巣食う凶暴なギャング集団
「MS−13」の構成員が多数紛れ込んでいる恐れがあるからだという。「MS−
13」構成員の入国を許せば、アメリカの治安が脅かされることは避けられ
ない。

飢えに苦しむ難民の群れ。彼らの入国を阻止しようとするトランプ大統領。
ーーさあ、おまえはこの問題、どう考えるのだ?(サンデル教授から)
この重い問いを突きつけられ、答えが見つからないまま、私の頭は混乱し
た。あちら立てればこちらが立たず。う〜む、弱った。

こんな案はどうだろうか。小国ホンジュラスにアメリカがそれなりの資金援
助をして、この国の貧困を解消するとともに、治安の回復を手助けする。具
体的には、ODA(政府開発援助)のような形が考えられるだろう。私の頭
では、そのぐらいしか思い浮かばない。これでどうだろうか、サンデルさん。
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見よ、新兵器の威力を!

2018-10-27 20:17:09 | 日記
眠れない夜は、スマホをいじっている。スマホでニュースサイトを覗いていた
ら、センセーショナルな記事に出会った。新型兵器を使った北朝鮮による攻撃
で、アメリカが甚大な被害を受け、国民の90%が死亡するという。以下のよう
な記事だった。

北朝鮮の電磁パルス(EMP)攻撃を受けた場合のアメリカの被害予想は甚大
だ。
CIAの核専門家だったピーター・プライらがまとめた報告書で、都市機能や通
信網を破壊する電磁パルス(EMP)攻撃によって、アメリカ国内の電力などイ
ンフラが破壊され、食糧供給も壊滅することで、人口の9割が死亡する可能性
があると試算された。インディペンデントや英サン紙など複数メディアが報じ
た。
北朝鮮が電磁パルス攻撃を仕掛けた場合、大気圏より上空の弾道を通ってアメ
リカ(もしくは他の標的)上空に到達すると爆発。目に見えない電磁気エネル
ギーを放出し、アメリカ全体の電力網、電話回線、さらにはインターネットの
接続にダメージを与える。
                (Newsweek 日本版10月26日配信)

ここで言う「都市機能や通信網を破壊する電磁パルス(EMP)攻撃」とは、一
体どういうものなのか。アメリカの人的被害に焦点を当てたこの記事を読ん
で、私はもう一つの記事を思い出した。それは、韓国が北朝鮮を攻撃するため
に新兵器を開発したというもので、次のように書かれていた。

〈北朝鮮の送電網を破壊する、韓国「ブラックアウト爆弾」の効果〉
核攻撃能力を強化する北朝鮮に対抗するため、韓国軍も新たな兵器の実装配
備を進めている。
8日の聯合ニュースの報道によると、韓国の国防科学研究所(ADD)は、有事
の際に北朝鮮の電力供給網を停止させ、人的被害を出さずに北朝鮮の戦争遂
行能力を奪う「ブラックアウト(停電)爆弾」を開発した。
取材に応じた韓国軍関係者は、「いつでもブラックアウト爆弾を製造できる
段階に入った」と語っている。
この爆弾は、戦闘機から発電所をめがけて投下され、クラスター爆弾と同
様、空中で爆発して小型の弾筒に分裂する。そこから炭素繊維が放出されて
送電施設をショートさせる。
                 (Newsweek 10月10日配信)

「北朝鮮の電力供給網を停止させ、人的被害を出さずに北朝鮮の戦争遂行能力
を奪う」という記述から、この新兵器は電磁パルス(EMP)弾と同類のもの
と推察できるが、「炭素繊維が放出されて送電施設をショートさせる」とい
う記述からすれば、原理的にEMPとはまったく別物と考えられる。要するに、
真相はまったく藪の中である。そのあたりは極秘扱いの軍事機密に属するから、
我々一般市民にはアクセス不可能だろう。

ともあれ、これらの新兵器は、敵国の電力供給網を破壊する点で共通してい
る。エレキに支えられて成り立つ現代社会では、この新兵器による攻撃は、社
会に致命的なダメージをもたらす。それは都市機能や通信網をを麻痺させ、食
糧の供給を不可能にするから、結果的には莫大な数の人命を奪うことになる。

恐ろしいのは、この新兵器がICBMに比べれば、精度的にローレベルの技術で
出来てしまうことである。北朝鮮は9月3日、EMP爆弾について、「(我々
は)広大な地域で超強力なEMP攻撃を加えることができる」と宣伝したが、こ
の発言内容に嘘や誇張はないと見るべきだろう。
アメリカの軍事当局も、北朝鮮のこの発言を座視するようなことはせず、
EMP攻撃に対する防衛体制を開発整備しているはずだ。

いやはや、北朝鮮はとんでもない兵器を考案したものだと、呆れて言葉を失う
が、それにつけても、電力網一つで壊滅的なダメージを蒙るとは、我々人類も
なんとvulnerableな社会を作ってしまったことか。現代文明社会の思わぬ盲点
を突きつけられ、改めて言葉を失うとともに、ますます眠れなくなってしまっ
た昨夜の私である。
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