ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

南北首脳会談 そのゆくえを歴史に訊けば

2018-04-29 11:30:34 | 日記
朝食後、新聞を読みながらあれこれ思いをめぐらし、ブログのネタを考えるこ
とが多い。おとといの南北首脳会談のインパクトは、まだ紙面のあちこちに余
韻を残しているようだ。きょうの「天声人語」にこんなことが書かれていた。

「核とミサイルで日米韓を脅してきた従来の態度と、カメラの前で『歴史的な
責任感と使命感』を語る姿。どちらが本当の金正恩朝鮮労働党委員長かと戸惑
う。南北首脳会談では朝鮮戦争の終戦を目指すことが決まった。一方で非核化
は具体的な道筋が見えない。」

相反するかのように見える金正恩の二つの顔、ーーヤヌスのような金正恩の双
面は、おそらくどちらも「本当の顔」なのだろう。韓国では多くの人々が、暴
君だと思っていたこの人が気さくな「好い人」であることに驚いたというが、
この「好い人」は、ふたたび残酷で横暴な独裁者に戻る不気味さを宿してい
る。2000年に行われた、2回目の南北首脳会談。その歴史がまた繰り返され
るのではないか、ーーそういう不安を多くの人がいだいている。

歴史をふり返ってみよう。2000年6月には金正日総書記が自ら金大中大統領
を平壌の空港まで出迎え、世界中を驚かせた。韓国世論の金総書記へのイメー
ジは大きく変わった。
両首脳が署名した南北共同宣言は、(1)統一問題の自主的な解決(2)離散家族
など人道的問題の解決(3)経済協力を通じた南北の発展と、あらゆる分野の交
流――等々を盛りこんだ。

だが、この(2回目の)南北首脳会談も、結局、北朝鮮の核・ミサイル開発
を食い止めることはできなかった。北朝鮮は、この会談での約束を反故にし、
米韓を欺いて、秘密裏に核開発を進めていたのである。

話を先日行われた(3回目の)南北首脳会談に戻せば、両首脳が2人だけで話
し合う機会を持った「ツーショットの44分間」に、金正恩は文在寅大統領に
向かって熱弁をふるい、非核化への本気度を示してみせたという。「好い人」
の顔を見せたこの金正恩が、冷酷で、したたかな凄腕の顔を見せることがある
のかないのか。だれもがそれを知りたがっている。だが、こればかりは歴史に
訊くしかない。ツーショットの熱弁も、しょせんは仮面で、したたかな計算の
内だとしたら・・・。

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夢のモノローグ

2018-04-28 14:04:54 | 日記
きょうの明け方、おかしな夢を見た。何かを探していた。「♫探しものは何で
すか?見つけにくいものですか?♫」すると、どこかから、なにかの数式が現
れた。数式というより、それは見覚えのある数列のようだった。

なんだ、こんなところにあったのか。案外、近くにあったじゃないか。答えは
案外、近くにあるものなのだな。「ここがロドスだ。ここで跳べ」ということ
なのか。

そういえば、これはたしかヘーゲル『法の哲学』の序文にあった言葉だった
な。ホントに跳べるのなら、ロドス島でなくても跳べるはずだ。今ここでも、
跳べるはずだ。理想は遠いどこかではなく、今ここの、この現実世界にある。
現実的なものは・・・フンフン、フムフム、ムニャムニャ・・・・・・。

ここで目が覚めた。はて、これは北朝鮮のことだったのではないか、と私はぼ
んやりした頭で考えた。問題は、なんといっても「非核化」だよな。北の大王
にホントにその気があるのなら、核の放棄なんてすぐにでもできるはずだ。段
階的に手順を踏み、アメリカが我が国に対する敵視政策をやめて、まずは在韓
米軍を撤退させ、それから、それから、・・・なんて御託を並べる必要はない。
中国やロシアの後ろ盾もあるではないか。きのうの板門店での宣言文書に「完
全で不可逆的な非核化の作業をただちに行う」とひと言描き入れれば良いだけ
の話だ。あとは約束を着実に実行するのみ。履行の如何(いかん)の検証は、
IAEA(国際原子力機関)にでも任せればよい。ホントにその気があるのなら
ね。

完全に目が覚め、私はふと我に返った。さて、きょうのブログは何を書いたも
のだろうか。そう思うと、井上陽水の「傘がない」のメロディーが流れてき
た。♫ 問題はきょうのネタ。オチがない ♫
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南北首脳会談に注目

2018-04-27 14:14:44 | 日記
きょうは午前中、ずっとテレビを観ていた。朝食を終え、新聞を読み、テレビ
のスイッチを入れると、板門店の光景が映り、韓国の文在寅大統領の姿が流さ
れた。そこから画面はすぐに変わり、北朝鮮の金正恩がボディガードと思われ
る数人や、随行員らとともに階段をおりる場面に移ると、次には息つく暇もな
く一連のセレモニーが始まった。カラフルで民族色に富んだ演出は印象深く、
南北首脳会談というこの歴史的なショウを盛り上げる効果を充分に発揮してい
た。テレビのリモコンでチャンネルを切り替えてみたが、どの局もこのシーン
を流している。

日本だけでなく、世界のあらゆるテレビ局がリアルタイムでこの歴史的ショウ
を放映しているのだろう。その放映権料はトータルでどれぐらいになるのだろ
う、と私は考えた。オリンピックの放映権料か、それ以上の額が支払われるに
違いない。その金はどこに流れるのだろうか。南北に半分ずつというわけでは
なく、その大半は北に持って行かれると思われる。

過去の首脳会談では、そのつど多額の金が南から北に流れたというが、今回
は、その金がテレビの放映権料によってまかなわれるということなのかも知れ
ない。ネットが普及したとはいえ、この種のイベントの報道では、まだまだテ
レビという映像メディアのほうが圧倒的に優位に立っている。

さて、今回の南北首脳会談のトピックは、なんといっても「非核化」である。
戦争状態を終わらせる、というテーマでは両国の合意が成り立つと予想できる
が、核兵器の放棄というテーマに関して、北朝鮮ははたして合意するのかどう
か。過去をふりかえれば、北朝鮮は何度も核の放棄を約束しながら、(約束の
履行にともなう)経済的な見返りを手にしたまま、この約束を反故にしてきた。
今回も北朝鮮は、お家芸とも言える巧妙な手口を駆使して、核兵器の実質的放
棄から逃れようとするのではないか。

だが、そういうことについては、あれこれ考えてみても始まらない。首脳会談
の後に発表される声明文を読み、これから数年間の経過をウォッチするなどし
て、答えを歴史に求めるしかない。

それにしても恐れ入るのは、メディアを使った北朝鮮の演出ぶり、豚磨大王の
虚像をでっち上げようとする、その過剰なまでの作為である。「白衣」の映像
によって、豚磨大王を善人に仕立てようとするプロパガンダの作為については、
きのうの本ブログで述べたが、笑ってしまうのは、きょうになって新たに入っ
てきた次の報道である。

南北首脳会談で、北朝鮮の指導者として朝鮮戦争後初めて軍事境界線を越え、
韓国に赴く金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長について、北朝鮮が
「人民のため、命をかけて1人で南側に行かれる」と説明している。北朝鮮
関係筋が明らかにした。
                        (朝日新聞4月27日)

この報道によれば、豚磨大王は我が身を顧みず、国民のため、北朝鮮人民のた
めに、命をかけて軍事境界線を越え、南北首脳会談に臨むのだそうだ。この会
談を利用して、豚磨大王を国民的ヒーローに仕立てようとする意図がありあり
と見える。我が大王さまが核兵器の放棄を約束するとしても、それは我々国民
を困窮から救い出そうとする、大王さまの慈悲深く、涙ぐましい意思の表れな
のだ、というわけである。

そこまでがシナリオに入っているとすれば、善人へと変貌した豚魔大王さまは、
やはり核兵器の放棄を約束するのだろうか。核を手放すまではいかないとして
も、その約束ぐらいはするのではないか。そうに違いあるまい。問題なのは、
そして興味深いのは、今後数年間の軍事的経緯である。
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白衣の大王 閲覧注意!

2018-04-26 11:41:09 | 日記
テレビの画面で、久々に金正恩の姿を見た。白衣を着て、病室の患者を見舞っ
ている映像である。患者は、事故で怪我をした中国人観光客だという。白衣を
着た豚磨大王は「今回の事故を自分たちの不幸のように感じている」と述べ
た、とこの映像は伝えていた。

この映像を見て、「ああ、豚磨委員長はなんて気高い人格の持ち主なのだろう」
と思った人も少なくないに違いない。気高い人格を持つこと、つまり道徳的で
あることは、相手の立場に自分の身をおいて、深く思いやること、そのことに
ほかならないからである。

だが、だまされてはならない。豚磨大王は稀代のペテン師だということ、この
ことを忘れてはならない。

次のような報道がある。

ヨーロッパやロシアに住む数百人の北朝鮮人たちは、金正恩氏の贅沢な生活を
支えるため、休みもなく肉体労働に従事し、職場で眠り、そうして得られた収
入を本国へ送金している。BBCパノラマが報じた。
ロシアのウラジオストクで働くある北朝鮮人男性は、番組に対し、「ここでは
犬のような扱いを受けている。ごみを食べなければならない。人間であること
をあきらめなければならない」と語った。
                     (BUSNESS INSIDER JAPAN)

豚磨大王は、ここで言及されている「ヨーロッパやロシアに住む数百人の北朝
鮮人たち」の立場に自分の身をおいて、一度でも彼らのことを思いやったこと
があるだろうか。

何を勘違いしたかトランプ米大統領は、豚磨大王を「尊敬に値する人物」だと
評したという。老大統領は、あるいはこの「白衣」の映像を見たのかも知れな
い。この「白衣」の映像は、豚磨大王を道徳的人物であるかのように仕立て上
げようとする演出の作為と、中国政府におもねろうとする政治的作為と、その
二つの作為によってでっち上げられたプロパガンダの映像だと見なしで間違い
ない。上に引用したBUSNESS INSIDER JAPAN の記事は、このプロパガンダ映
像を念頭において、「閲覧注意!だまされるな!」と警告を発しているのであ
る。

この映像は日本のメディアでも何度となくばら撒かれたが、この偽善に満ちた
映像に違和感をいだいた人も多かったはずだ。そう思いたい。

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「国民の敵」とは何か

2018-04-25 11:47:03 | 日記
あの暴走3佐のことを憶えておいでだろうか。民進党の小西参院議員に向かっ
て「おまえは国民の敵だ!」と罵った、あの幹部自衛官である。この件につい
て、目下、防衛省の内部調査が進められているが、このほどその中間報告が明
らかになった。きょうの朝日新聞によれば、3佐は「馬鹿なのか」などの発言
は認めたが、「国民の敵」という言葉を使ったことは否定したという。一方で
は、「あなたがやっていることは、日本の国益を損なう」と発言したことは認
めている。

この3佐は、「あなたがやっていることは、日本の国益を損なう」という意味
を込めて、小西議員に「おまえは国民の敵だ」と言ったのではないか。3佐が
どういう思いからこの言葉を使ったのか、私は先日、本ブログで考察を試みた
が、(きのう本ブログで取りあげた)産経の社説を踏まえると、また別の解釈
が可能になる。

小西議員は国会で、防衛省はイラク日報を隠しているのではないかと追及し、
日報を包み隠さず公開開示せよと迫っていた。だが産経の社説によれば、こ
の日報には重要な軍事上の機密情報が含まれており、したがってこの文書は
いたずらに公開されるべきものではない。それを公開せよと迫ることは、国
益を損なう行為であり、我が国の敵を利する行為である、ーー3佐はそう言
いたかったのではあるまいか。

防衛省の将来を背負って立つ(可能性がある)エリート自衛官であるからに
は、彼は自分の発言の真意をきちんと説明し、一般国民の誤解を解く努力を
すべきだろう。

それをしないと、直情径行の気味があるこの憂国の士は、ネット上のトンデ
モ左翼・ジャーナリズムによって、5.15の青年将校や、トンデモ・ネト
ウヨと一緒くたにされてしまいかねない。

いいかね、あんた、そのへんの対応がきちんとできないと、「もっと上」に
は行けませんぞ!
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