朝食後、新聞を読みながらあれこれ思いをめぐらし、ブログのネタを考えるこ
とが多い。おとといの南北首脳会談のインパクトは、まだ紙面のあちこちに余
韻を残しているようだ。きょうの「天声人語」にこんなことが書かれていた。
「核とミサイルで日米韓を脅してきた従来の態度と、カメラの前で『歴史的な
責任感と使命感』を語る姿。どちらが本当の金正恩朝鮮労働党委員長かと戸惑
う。南北首脳会談では朝鮮戦争の終戦を目指すことが決まった。一方で非核化
は具体的な道筋が見えない。」
相反するかのように見える金正恩の二つの顔、ーーヤヌスのような金正恩の双
面は、おそらくどちらも「本当の顔」なのだろう。韓国では多くの人々が、暴
君だと思っていたこの人が気さくな「好い人」であることに驚いたというが、
この「好い人」は、ふたたび残酷で横暴な独裁者に戻る不気味さを宿してい
る。2000年に行われた、2回目の南北首脳会談。その歴史がまた繰り返され
るのではないか、ーーそういう不安を多くの人がいだいている。
歴史をふり返ってみよう。2000年6月には金正日総書記が自ら金大中大統領
を平壌の空港まで出迎え、世界中を驚かせた。韓国世論の金総書記へのイメー
ジは大きく変わった。
両首脳が署名した南北共同宣言は、(1)統一問題の自主的な解決(2)離散家族
など人道的問題の解決(3)経済協力を通じた南北の発展と、あらゆる分野の交
流――等々を盛りこんだ。
だが、この(2回目の)南北首脳会談も、結局、北朝鮮の核・ミサイル開発
を食い止めることはできなかった。北朝鮮は、この会談での約束を反故にし、
米韓を欺いて、秘密裏に核開発を進めていたのである。
話を先日行われた(3回目の)南北首脳会談に戻せば、両首脳が2人だけで話
し合う機会を持った「ツーショットの44分間」に、金正恩は文在寅大統領に
向かって熱弁をふるい、非核化への本気度を示してみせたという。「好い人」
の顔を見せたこの金正恩が、冷酷で、したたかな凄腕の顔を見せることがある
のかないのか。だれもがそれを知りたがっている。だが、こればかりは歴史に
訊くしかない。ツーショットの熱弁も、しょせんは仮面で、したたかな計算の
内だとしたら・・・。
とが多い。おとといの南北首脳会談のインパクトは、まだ紙面のあちこちに余
韻を残しているようだ。きょうの「天声人語」にこんなことが書かれていた。
「核とミサイルで日米韓を脅してきた従来の態度と、カメラの前で『歴史的な
責任感と使命感』を語る姿。どちらが本当の金正恩朝鮮労働党委員長かと戸惑
う。南北首脳会談では朝鮮戦争の終戦を目指すことが決まった。一方で非核化
は具体的な道筋が見えない。」
相反するかのように見える金正恩の二つの顔、ーーヤヌスのような金正恩の双
面は、おそらくどちらも「本当の顔」なのだろう。韓国では多くの人々が、暴
君だと思っていたこの人が気さくな「好い人」であることに驚いたというが、
この「好い人」は、ふたたび残酷で横暴な独裁者に戻る不気味さを宿してい
る。2000年に行われた、2回目の南北首脳会談。その歴史がまた繰り返され
るのではないか、ーーそういう不安を多くの人がいだいている。
歴史をふり返ってみよう。2000年6月には金正日総書記が自ら金大中大統領
を平壌の空港まで出迎え、世界中を驚かせた。韓国世論の金総書記へのイメー
ジは大きく変わった。
両首脳が署名した南北共同宣言は、(1)統一問題の自主的な解決(2)離散家族
など人道的問題の解決(3)経済協力を通じた南北の発展と、あらゆる分野の交
流――等々を盛りこんだ。
だが、この(2回目の)南北首脳会談も、結局、北朝鮮の核・ミサイル開発
を食い止めることはできなかった。北朝鮮は、この会談での約束を反故にし、
米韓を欺いて、秘密裏に核開発を進めていたのである。
話を先日行われた(3回目の)南北首脳会談に戻せば、両首脳が2人だけで話
し合う機会を持った「ツーショットの44分間」に、金正恩は文在寅大統領に
向かって熱弁をふるい、非核化への本気度を示してみせたという。「好い人」
の顔を見せたこの金正恩が、冷酷で、したたかな凄腕の顔を見せることがある
のかないのか。だれもがそれを知りたがっている。だが、こればかりは歴史に
訊くしかない。ツーショットの熱弁も、しょせんは仮面で、したたかな計算の
内だとしたら・・・。