ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

戦争のアンビリーバボー

2018-11-16 12:07:49 | 日記
クルマがそうであるように、軍事の分野もどんどんハイテク化・AI化され、
生身の人間が介在する余地は少なくなってきている。こんなニュースがあっ
た。

「政府は、米国製の無人攻撃機『アベンジャー』を海上自衛隊に導入する方
向で検討に入った。日本周辺で活動する中国軍の艦艇や北朝鮮の密輸取引の
監視体制を強化する狙いがある。年末にまとめる新しい『防衛計画の大綱』
に無人機の活用を位置づけ、2020年代後半に運用を始めることを目指
す。」
                (YOMIURI ONLINE11月9日配信)

こうした傾向が進めば、近未来の戦争は「無人の戦い」になる可能性がある
が、しかし一方では、耳を疑うようなローテク・レベルの人為的なミスが頻
発している。沖縄でたびたび起きた大型輸送ヘリ墜落事件がいい例だが、新
しいところでは、こんな不手際もある。

「14日午後1時20分ごろ、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)
演習場で、訓練中に発射した81ミリ迫撃砲の弾がそれて、国道303号脇
に着弾した。アスファルトの破片などが40メートルほど離れた演習場外に
停車していた乗用車にあたり、左後部座席の窓ガラスと窓枠が割れた。弾は
実弾だったが、運転席の男性(71)にけがはなかった。岩屋毅防衛相は
『申し訳ない。極めて深刻に受け止めている』と陳謝した。」
                (朝日新聞DIGITAL 11月14日配信)

無人攻撃機の導入といい、片や迫撃砲の不手際といい、我々一般市民の感覚
からは信じられないことばかりだが、アンビリーバボーといえば、こんな記
事はどうだろうか。

「アメリカの軍事的な優位と安全保障は、軍拡で強大化するロシアと中国に
大きく揺さぶられている──米連邦機関の最新の報告書がそう警鐘を鳴らし
た。
首都ワシントンの米国平和研究所が13日に発表した98ページの報告書は、
米国防総省が今年1月に発表した2018年版国防戦略を詳細に検討し、ロシ
アと中国に対する『平和時の競争と戦時の紛争に勝つ方法を明示できていな
い』と断じた。
(中略)
『次の紛争で、米軍は受け入れがたい甚大な人的被害と多大な経済的損失を
被る可能性がある。中国またはロシアとの戦争では、簡単に勝てないどころ
か、負ける可能性すらある。特に、同時に2つ以上の戦線で戦うことを余儀
なくされた場合、敵の軍事力に圧倒されるリスクが大きい』と、報告書は警
告している。」
                  (NEWSWEEK 11月15日配信)

軍事的な専門知識のない私には、事の真偽は皆目判らないが、一つ言えるの
は、「米軍の軍事力はダントツでナンバーワン」というこれまでの常識を、
我々は捨てなければならないということである。

とはいえ、アメリカはロ・中同盟に敗けるかといえば、米とロが結託する可
能性もあるから、そこのところは何とも言えない。次のような見方もある。

「ロシアは中国を潜在的なライバルとみている。中国が米国とガチンコ対決
に入るなら、ロシアは逆に米国に接近する可能性があるのだ。」
(現代ビジネス 11月16日《米国が本気で進める、米中新冷戦「新マー
                     シャル・プラン」の全貌》)

この見方からすれば、アメリカが結託の証に「北方4島には米軍基地をおか
ない」とロシアに約束すれば、ロシアも日米安保条約に対する警戒感を解
き、4島のうち2島ぐらいは日本に返還しても良いと考える可能性がある。
きょうの新聞に、次の記事が載っていた。

「北方領土をめぐる日ロ交渉で、安倍晋三首相がプーチン大統領に対し、
1956年の日ソ共同宣言に沿って歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)
島が日本に引き渡された後でも、日米安保条約に基づいて米軍基地を島に
置くことはないと伝えていたことが分かった。首相はプーチン氏の米軍基地
への強い懸念を払拭(ふっしょく)し、2島の先行返還を軸に交渉を進めた
い考えだ。米国とも具体的な協議に入る。」
                      (朝日新聞11月16日)

我が安倍首相は、米・ロが接近する可能性を読んで、こういう話を持ち出し
たのだろうか。当然、アメリカとは協議を済ませた上でのことだろう。
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北方領土交渉 その本質

2018-11-15 11:51:53 | 日記
国家はそれ自体、一個の生命体のように〈力への意志〉を有し、それは覇権
という形をとる。国家の〈力への意志〉同士がぶつかり合うとき、衝突は領
土をめぐる紛争となって現れる。日本が直面する代表的なものとしては、ロ
シアとの間の北方領土問題があげられるだろう。

きのう、安倍首相がロシアのプーチン大統領と会談し、この問題に一定の緒
(いとぐち)を見出したようだ。

首脳会談の直後、首相は記者団に対して、平和条約締結後に歯舞・色丹の2
島を引き渡すと明記した日ソ共同宣言に言及した。「1956年の共同宣言
を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領
と合意した」。日ロ間で今後、2島の返還交渉が軸となりそうだ。
                      (朝日新聞11月15日)

4島一括返還は無理でも、とりあえず2島の返還を、ということで、そのあ
たりが落とし所になるのだろう。

この問題を解決するために、当初安倍首相がとったアプローチは間違ってい
なかった。北方領土で経済協力を活発にし、これを返還交渉につなげようと
するものだが、これは「国境の壁」を無意味化していこうというねらいに基
づいている。経済の分野では、「国境の壁」などあってなきがごとし、意味
をなさないからだ。

けれども、「では、4島を無国境地帯にしましょう」という話にはならなかっ
た。なぜか。「経済協力の活発化」を「相互依存のネットワークの構築」と
捉えなおせば、その理由は明らかである。相互依存の関係は、局所的な形で
は意味をなさない。国家と国家とが丸ごと相互的に依存しあう関係にならな
ければ、この関係は効果を発揮しないのである。

ところが、そうは問屋が卸さない。ロシアはウクライナ問題、シリア問題、
イラク問題などでアメリカと対立し、経済制裁を課されている。西側の相互
依存的な経済ネットワークから、排除処分を受けている身なのである。西側
の一員であり、アメリカのポチである日本の安倍政権が、ロシアとの全面的
な相互依存関係を構築できるはずがない。

「村八分の状態では、4島返還なんて、できないな。あり得ない話だ」と言
い張るロシアに対して、「ちょっとだけならお付き合いできるからさあ、2
島だけでも返してよ」と日本が言ったとき、ロシアは結局、どう答えるのだ
ろうか。最終決着はアメリカと直談判で、ということになるのだろうか。
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なぜ戦争なのか

2018-11-14 14:40:08 | 日記
第一次世界大戦の終結100年にあたる11日、パリの凱旋(がいせん)門
で記念式典が行われた。主催したマクロン仏大統領は演説で、世界で高まる
ナショナリズムについて「古い悪魔が再び目覚めつつある」と危機感を顕
(あらわ)にし、また、自国第一主義が「国家にとって貴重な道徳的価値観
を失わせる」とも説いて、トランプ米大統領を批判した。

こういう報道を目にすると、いつもの問いが私の中に頭をもたげる。どうし
て人間というやつは、戦争をくり返すのか。現代では、世界が相互依存のネッ
トワークで緊密に結びあっていることは、だれもが知っている。相互依存の
関係があるのに、どうして各国の指導者は戦争をしようという気になれるの
か。

好い例が、アメリカと中国との関係である。先ごろトランプ米大統領は、中
国に貿易戦争を仕掛け、中国製品に高率の関税を掛けたが、その影響は全世
界に及ぶ。むろん日本もその影響を免れない。アメリカの消費者や産業界に
しても同様である。

たとえば野村総合研究所・エグゼクティブ・エコノミストの木内 登英氏は次
のように述べている。

「今後米国が中国に対する追加関税の範囲をさらに広げていった場合には、
中国から輸入される消費財もその対象に多く含まれるようになり、輸入品の
価格上昇で米国の消費者にも悪影響が及ぶことは必至である。中国に対する
制裁関税措置の影響が米国に跳ね返ってくる、いわゆる「ブーメラン効果」
が現実味を増してきている。
(野村総合研究所《米中貿易戦争が日本経済に与える悪影響》)」

また、三菱総合研究所・チーフエコノミストの武田洋子氏は、もう少しマク
ロな視点から、次のように分析している。

「保護主義の連鎖が突き進むと、勝者は誰もいない。世界経済全体にとって
悪影響が出てしまうと考えています。
米国と中国を足すと、世界のGDPの約4割に達するので、これらの国の成
長率が押し下げられるという見方が強まれば、当然ながら金融市場でもそれ
への懸念が高まり、結果として株価が下落し、為替市場も不安定になってく
る。」
(NHKクローズアップ現代+9月3日《”トランプ発”貿易戦争の衝撃〜日
本・世界経済への影響は?〜》)

二国間の貿易戦争でさえ、世界経済に大きな影響を与えるという現実がある。
武力攻撃を伴った本物の戦争なら、その影響は計り知れない。累(るい)は
自国の経済や生活にまで及ぶだろう。戦争を始めたがる国の指導者は、そう
いうことに思い及ばないのだろうか。

この憂うべき現象を解き明かすため、「存在」と「意識」という言葉を使う
ことにしよう。
「我が国のために」と思う自国第一主義は、その国のーーその国の指導者の
ーー「意識」の側面である。この「意識」は、自国がどういう(相互依存の)
関係の中にあるのかにーーつまり自国の「存在」にーー、目を向けることを
忘れてしまっている。ここに欠けているのは、自己の「存在」を見つめる
「自己意識」のまなざしである。

各国の指導者に、また国民に、すこしでもこの「自己意識」があれば、二度
と戦争が起こることはないはずだ。ーーそういう楽観的な展望を妨げるのは、
目先しか見ない人類の「意識」の近視眼と、過去を忘れてしまう人類の度し
難い健忘症的体質である。いやはや参ったな。
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Whill 到着

2018-11-13 16:43:50 | 日記
電動車いすWhill 。かねて希望のこのお助けマシンが、きょうやっと届いた。
1ヶ月ほど前のこと、Whill のデモをお願いしたい、と福祉器具サービスの
Aさんに話したら、営業所に現物が届くまでにはすこし時間がかかるとのこ
とだった。このマシンは人気があるらしく、それがきょう拙宅に届けられた
のである。

Aさんが組み立てたWhill に座り、妻やAさんと一緒に近所を回ってみた。案
の定、道路の段差ですこし手間取ったが、何とかのぼることができた。操作に
習熟すれば、もうすこし上手にのぼれるようになるだろう。これをレンタルで
借りることにした。レンタル料は要介護認定の場合、1割負担で月額3,000
円である。

7年ぶりに目にする近所の風景は、どれもこれも愛犬ルルと一緒に散歩した懐
かしい光景である。2、3軒、建て替えられた家があったが、あとはほとんど
昔そのままで変わらない。樹々の葉が所々まだら模様に色づき、空気が冷た
かった。考えてみれば、もう11月である。これからは季節の移ろいを直接、
肌で感じられるようになるだろう。

とりあえずの目標は、週1で「出勤」している近所のリハビリ施設まで、この
車いすで行けるようにすること。また、近所のショッピングモールにこの車い
すで行き、百均で買い物をすることである。そのショッピングモールに行くま
でには、交通量の多い国道を横切らなければならない。そこが難所といえば難
所で、不安が先に立つが、操作に習熟して、そういうことも追々クリアしてい
くしかない。

あとは、あとは・・・。何だろう。行く行くはクルマを運転して、どこかに行き
たいのだが、あいにく免許は期限切れになってしまった。更新の期日に必要な
手続きをせず、放っておいたら、いつの間にかもう3年近くが経っている。あ
のころはクルマの運転なんて考えもしなかったから、そんなことはどうでも良
かったのだ。免許が失効した今、ふたたび免許を手にするには、学科と実技の
試験にパスしなければならないらしい。この年になっては、それは100%不
可能に近い。今にして思えば、惜しいことをしたものである。

でもまあ、クルマが運転できるようになっても、べつに行きたいところがある
わけではなし、行ったところで、杖歩行に難儀するのは目に見えている。やは
り今の私には、Whill ぐらいが背丈に合ってちょうど良い。せいぜいブログ書き
に励むことにしよう。

去る11月11日は中国では「独身の日」とかで、中国の通販サイトでは特売
セールをやっていた。私も8インチのタブレットを購入した。8インチはすで
に4枚持っているのだが、割引率がハンパなかったので、思わずポチってしまっ
たのである。届いたら、こいつを使ってバリバリ ブログ書きに精をだそうと思
うのだが、はたしていつごろ届くのやら。
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移民に向きあう

2018-11-12 11:41:11 | 日記
アメリカに移住したいと希望する人々ーー米国への移民希望者ーーに対する
トランプ米大統領の眼差しは、今後、さらに厳しさを増すだろう。本ブログ
で先日、私はそう書いた。この予測は当たっていたようだ。次のような報道
を見た。

「トランプ米政権は8日、米南部の国境から不法入国した人の難民申請を禁
止する新たな規制を発表した。
移民擁護団体は、自国での迫害や暴力を逃れて米国への移住を求める人に対
し、入国が合法かどうかにかかわらず難民申請を認める既存の法律に違反し
ているとして、政権の対応を批判した。
この日発表された規制とトランプ大統領の署名が予定される命令により、メ
キシコとの国境から不法入国した人は実質的に難民申請の資格を失う。」
                    (ロイター 11月9日配信)

トランプ大統領がこのような規制を打ちだしたのは、移民に対する反発や警
戒感が、国民の間に根強く存在すると考えてのことだろう。元来が移民国家
であるアメリカで、移民の末裔(であるアメリカ人)が 新たな移民希望者を
排斥する図は、「早いもの勝ち」のバーゲン・セールを思わせ、見苦しくも
あるし、滑稽でもある。

けれども、そんなアメリカの姿を笑ってばかりもいられない。移民に対する
反発や警戒感という点では、我が日本もアメリカと似たりよったりではない
のか。

先ごろ国会に提出された入管法改正案の、そのドタバタを考えてみれば良い。
この法案に込められた政府の 外国人労働者受け入れ政策に対して、野党の議
員は「これは移民政策ではないのか」という質問を投げかけた。「もちろん
そうではない」と答弁した安倍首相も含めて、与党も野党も「移民(政策)
はヤバい」と考えているのである。与党も野党も、「国民は移民の流入を
嫌っている(に違いない)」と見なす点で、共通している。これも滑稽な
話だ。

きのう(11月11日)の朝日新聞に、こんな記事が載っていた。
「法務省によると、昨年末で日本で暮らしている在留外国人は約256万
人。移民の受け入れで先行する諸外国に比べて全人口に占める割合はまだ低
い。とはいえ京都府の人口に匹敵する数だ。
増え方も速い。1年で約18万人、7.5%増。人口の増加率がこんなに高
い都道府県はない。ほとんどが減っている。」
                   (《知らないふりの移民政策》)

移民の流入はすでに始まっている。否応なしに始まっている。そんな現実を
尻目に、移民を怖れ、移民に警戒感を懐くとすれば、そこには、「日本は単
一民族国家である」という幻想があるのではないか。

大相撲が良い例である。モンゴル人力士が番付の上位を占め、角界の人気を
もり立てているのに、「相撲は日本の国技だ。外人は要らない」と言い立て
る滑稽さに似ている。

読者諸賢はいかがだろうか。私は大関・高安のファンなのだが、彼のお母さ
んはフィリピン人なんだってね。それを知っても、彼を声援したい気持ちは
変わらないのだけれど。
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