ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

妄想力・ネット規制・コロナ規制

2020-05-31 11:31:20 | 日記
妄想力にはいささか自信のある私・天邪鬼爺だが、その私も真っ青なネット記事のタイトルを見た。

《テラハ木村花さんの死を“政権批判封じ”に利用する政治家と安倍応援団》
(リテラ5月28日配信)

フジテレビ『テラスハウス』の出演者だったプロレスラーの木村花さん(22)の自殺を、安倍首相のシンパが「政権批判封じ」に利用している、だって?一体どういうことなのか?

この記事によれば、木村花さんは「SNSでの誹謗中傷」を苦にして自殺した。こうした痛ましい問題を二度と起こらないようにするべく、政治家たちが「SNSでの誹謗中傷の規制」に乗り出したというのである。規制が強化されれば、「SNSでの誹謗中傷」は封じ込められ、安倍政権に対する批判も「けしからん誹謗中傷」であるとして取り締まりの対象になる。記事は次のように述べる。

「そもそも、何をもって『ネット上の誹謗中傷』とするかは極めて曖昧であり、かつ、その基準をつくるのは、権力者である政府や政治家だ。これまでの安倍政権の姿勢を考えれば、『政治に対する批判』を『誹謗中傷』にこじつけて取り締まるようになるのは、火を見るより明らかだ。
言っておくが、これは妄想でも決めつけでもない。事実、すでに安倍応援団のタレントやネット右翼たちは、まっとうな『政治批判』を『誹謗中傷』と言い換えて、政権に批判的な声を封じ込めようとしている。」

この「リテラ」の主張がどの程度ホントなのか、残念ながら私には確かめる術がないが、この主張が私・天邪鬼爺の「妄想」のはるか上を行っていることは確かである。

話は変わるが、きのうの本ブログで、私は次のように述べた。
「コロナ感染の拡大防止か、都民経済の衰退防止かーー。この二者択一の問いを前に、小池知事は後者、都民経済の衰退防止を選んだのだろう。当然、前者、コロナ感染の拡大防止という課題はシカトされる。」

この文章を私の「妄想力」によって補強しようという気になったのは、きょう読んだ「リテラ」の記事に大きな刺激を受けたからである。

妄想するに、小池都知事のもとには、「これでは商売にならない。このままでは首をくくるしかない」、「助けてくれ」、「何とかしてくれ」、「おまえは血も涙もない悪魔だ」といった飲食店主たちの悲鳴に近い叫びが数多く寄せられているに違いない。小池知事は、この7月に実施される都知事選をひかえ、都民の民意には敏感になっているはずだ。

民意は、声の大きさに左右される。コロナ感染を怖れる都民の声は、困窮した飲食店主たちの悲痛な叫びに押されて、どうしても聞こえにくくなる。だから小池知事は、都民経済の衰退防止を優先し、結果として、コロナ感染の拡大防止という課題には目をつぶることになったのだろう。

だが、コロナの「第2波」はひたひたと東京都にも押し寄せている。東京都が商店や商業施設に対する規制緩和の段階を現在の「ステップ1」から次の「ステップ2」に進め、緩和の対象を広げたとき、懸案のコロナ対策はどうなるのか。2桁台、3桁台に跳ねあがったコロナ感染者の数字がマスコミで報じられれば、都知事はこれを無視することはできない。といって、一度緩和を進めたら、もう後戻りはできないのだ。

やはり私は、悪い予感を拭うことができないのである。
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第2波がひたひた

2020-05-30 11:57:29 | 日記
ほら、言わんこっちゃない。そのニュースを見たとき、私は思わず膝を打ったが、「やった!」という快哉の気持ちからは程遠かった。私が目にした情報は、きのう私が予想した通りだったが、その内実はどうしようもなく悪い知らせだった。

「北九州市では29日、新たに26人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、北九州市で感染が確認されたのは7日連続で合わせて69人となりました。市は、新たに市内の特別養護老人ホームで集団感染が発生したとしていて、こうした感染者の集団ごとに濃厚接触者の特定と検査を徹底し、感染の拡大を防ぎたい考えです。」
(NHKNEWSWEB5月30日配信)

北九州市を襲ったコロナの「第2波」は、案の定、老人介護施設にまで魔手を伸ばしてきたというのである。私の「リハビリ・デイサへの6月復帰」の計画を、がつんと打ち砕くような事態の展開である。

コロナの「第2波」、あるいはその兆候は、北九州市だけではない。東京でも、きのうは新規のコロナ感染者は22名だったことが分かり、再び増加傾向の推移が不気味な予兆を投げかけている。

「東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、緊急事態宣言の解除を判断した時点に比べて『危険度が上がっているのは確かだ』とみる。院内クラスターは『病院内で流行が終息することが多い。ただ、病院以外の施設で見つかったら注意しなければならない』という。」
(zakzak5月29日配信《東京、北九州“第2波クラスター”で「自粛」逆戻りも!? 専門家「解除時より危険度が上がっている」》)

納得できないのは、このような状況にもかかわらず、小池東京都知事が「ステップ2」への移行を表明したことである。

「(小池知事は)週明けの6月1日から休業要請などの緩和の段階を現在の『ステップ1』から次の『ステップ2』に進め、緩和の対象を広げることを表明しました。
『ステップ2』に進むと、学習塾、劇場や映画館、スポーツジム、それに、百貨店などの小売店も再開できるようになります。」
(NHKNEWSWEB5月29日配信)

コロナ感染の拡大防止か、都民経済の衰退防止かーー。この二者択一の問いを前に、小池知事は後者、都民経済の衰退防止を選んだのだろう。当然、前者、コロナ感染の拡大防止という課題はシカトされる。

政治の世界はしょせん結果がすべてである。小池知事のこの判断は、一体どういう結果を生み出すのか。私は一抹の不安と、悪い予感を拭うことができない。
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デイサ復帰にむけて

2020-05-29 15:12:51 | 日記
きのうのことだが、あのリハビリ・デイサのスタッフ・Aさんから電話がかかってきた。Aさんの声を聞くのは久しぶりである。

「こんにちは。どうもありがとうございます。」
そういえば、もうじき6月である。私は6月からこのデイサに復帰するつもりでいて、そのことをケアマネさんに伝えていた。当面は月曜午後の週1回だけ「通勤」する予定で、さしあたりの模様眺めが終わったら、7月からは月曜、木曜の週2回に戻すつもりだった。このこともケアマネさんに伝えてある。ところが、
「月曜日は、送迎車の手配がうまく行かないのですよ。6月は木曜日ということでお願いできないでしょうか」

このデイサは、午前と午後、それぞれの定員が10名ほど。その10名の利用者の送迎を、Aさんと、所長兼トレーナーのEさんとで行っている。2台ある送迎車のうち、1台は古い日産キャラバンなのだが、これが私は大の苦手で、乗り降りにはえらく難儀する。だからAさんには、できれば私の家にはもう1台の送迎車、セレナのほうを回して欲しいと頼んでいた。

ところが、人数が増えたため、送迎の効率からすると、私の家にはキャラバンで行くしかないのだという。

「いいですよ」と私は答えた。「ぼくはべつの木曜でも構いません。7月になったら、月、木の週2回を考えているのですが、それはまたそのときということで」
「はい。7月になると、また利用者が増えてしまうとは思いますが」

コロナ禍で、「自粛」が奨励されるこんなご時世でも、このデイサの利用者は増えているらしい。それが私には意外だった。
「7月になったら、何が何でも月、木にして欲しい」とは、私は言わなかった。それには訳がある。とりあえず6月は模様眺めの期間にし、状況に応じて通所を考え直すことにすれば、7月から再び利用を見合わせることもあり得るからな、と私は考えていた。

私の脳裏にあったのは、恐るべきコロナ「第2波」の襲来である。我が茨城県は「新規感染者ゼロ」の日がもう10日くらい続いているが、それでも安心はできない。北九州市の例もあるからだ。

北九州市では、「新規感染者ゼロ」の日が23日も続いたが、にもかかわらず突如新たなコロナの感染者が出て、その人数は増えに増え、きょうで計43人に上ったという。新聞は、ここにも「第2波」が来たのではないか、と書いていた。妖怪コロナとは、かくも厄介なものなのである。神出鬼没。とにかく油断は禁物である。やれやれ。
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コロナ下なのに 諍いの種を撒く米中は

2020-05-28 14:58:14 | 日記
世界各国がコロナとの戦いに追われ、ほとほと消耗しているというのに、中国の軍事行動だけは活発で、その膨張主義・軍拡路線は際立っている。中国の「やる気」は軍事予算にも表れている。朝日新聞によれば、中国の今年度の軍事予算は前年実績比で6・6%増の1兆2680億元(約19兆1700億円)。伸び率は前年比では0・9ポイント減だが、依然として高い水準にある。米国に次ぐ世界第2位の規模は変わらず、日本の防衛予算の4倍弱に上るという(朝日新聞DIGITAL5月23日《中国の国防費 危うい軍拡いつまで》)。

この膨大な軍事費の使途は、言うまでもなく覇権の拡大のためである。まずは南シナ海。この海域で、中国はベトナムやフィリピンに対して威圧行為を繰り返し、空母の訓練も行っている。この夏には、台湾が実効支配する島の奪取を想定した上陸演習を計画中だという。

中国の膨張主義の波は、日本の周辺にも押し寄せている。尖閣周辺では、中国公船の活動が活発化し、去る8日には、中国海警局所属の「海警」4隻が2時間にわたって日本の領海に侵入した。このうち2隻は、付近で操業中の日本漁船に接近するなどの威圧行動をおこなった。

しかしなぜなのかーー。中国の共産党指導部は、一体何を狙っているのか。コロナ禍の打撃を受けているのは、中国の内情も同じだろう。それなのになぜ中共指導部はかくもせっかちに軍拡へと邁進するのか。

おそらく共産党の指導部は、国内がコロナ禍で打撃を受けたからこそ、だからこそ軍拡に突っ走るのではないだろうか。コロナ禍で委縮した人民の心を、愛国心によって奮い立たせ、政権への求心力を高めようとしているのではないだろうか。

一方で、米中の対立も激しさを増している。アメリカの場合は、コロナ問題で失政気味のトランプ大統領が、人気を挽回し、再選への求心力を高めるため、有権者の反中感情を煽っているという事情がある。

内政上の理由で国際社会に諍(いさか)いの種を撒くという点では、アメリカの指導者も中国の指導者も、どっちもどっちである。コロナ問題はまだ片付いたわけではない。この難局を克服するため、国際社会が協調して事に当たるべきこの時期に、あろうことか悶着の種を撒くなんて・・・。習くんも、トランプくんも、ああ、困ったものだ。
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正義 そのホンネとタテマエ

2020-05-27 14:57:08 | 日記
昼食のラーメンをずるずると口に運びながら、テレビのワイドショー番組を見ていたときのことである。黒川検事長を「訓告」の処分にした内閣の対応が話題として取り上げられ、黒川氏が行った「賭けマージャン」の犯罪性をめぐって議論が交わされていた。

どこかのテレビ局の「上席論説委員」という聞きなれない肩書を持つゲスト出演者が、次のように発言したときである。

「賭けマージャンは、レートが点ピン以上か、以下かで違ってくるようです。点ピン程度なら、普通は犯罪にはならないのですよ。」

この発言を聞いて、番組のMCのタレントは、あきれ返ったような表情を浮かべ、「はあ~、あなたがそういうことをおっしゃるとは・・・」と驚いてみせた。

ゲストの「上席」氏は、警察が犯罪を検挙する場合の判断基準について、捜査現場の実状を紹介しただけなのに、どうやらMC氏は、この「上席」氏が「点ピンの賭けマージャンは犯罪ではない」という意見の持ち主だと受け取ったようなのである。

MC氏は「点ピンだろうとなかろうと、賭けマージャンはすべて犯罪である」という純な意見の持ち主だった。その彼からすると、「上席」氏はさぞモラルを欠いたトンデモな人物に見えたのだろう。どこまでが彼のホンネで、どこからが演出上の演技なのか、私には判然としなかったが、MC氏の態度には、「上席」氏に対する侮蔑の表情がありありと浮かんでいた。

あほくさ。私はこの番組を見続ける気にはなれず、早々にチャンネルを切り替えた。
「賭けマージャンはどんなレートであれ、犯罪である。」
これはタテマエである。
「賭けマージャンでも,点ピン程度であれば犯罪には当たらない」。
これはホンネである。

我々はホンネとタテマエをうまく使い分け、自分の都合に合わせて事態に対処する。相手が追い落としたい奴なら、我々はタテマエの〈正義〉を振りかざし、「こいつはとんでもない奴だ」と言って厳しく糾弾する。親しい身内が相手なら、ホンネを持ち出し、「これはみんながやっていることだから」と、特段咎めることはしない。

黒川検事長の場合、彼と、彼の背後にいる政権幹部とを叩こうとする一派は、タテマエの〈正義〉を振りかざし、黒川氏を犯罪者に仕立てようとする。黒川検事長を身内に取り込もうとする政権幹部は、ホンネを持ち出し、「彼の行為は犯罪には当たらない」として、黒川氏を穏便な「訓告」の処分で済ませようとする。それだけのことなのに・・・。

私が気にかかるのは、(闘争の武器に過ぎない)このタテマエの「正義」が、モラルに裏打ちされた普遍的な〈正義〉として流通し、同調圧力の源泉になりかねないことである。

いわゆる「自粛警察」がよい例である。今、タレントのNEWS・手越祐也が、世間から非難の礫(つぶて)を浴びている。緊急事態宣言下で「自粛」が求められているのに、女の子らを集めてパーティーを開いたのが、ケシカランとか、自分勝手だ、とか、世間をナメている、とか・・・。そんなくだらない理由で、世間が同調して一丸となり、凶暴な犬のように特定の人物に向かって吠えたてる。そういう事態が、私には何か危ういものに感じられるのである。

ヒトラーのナチス政権にしても、ムッソリーニのファシスト政権にしても、大衆の心に巣食う凶暴な情動をーージェラシーやルサンチマンに由来する凶暴な情動をーー糾合し、そのパトスを自分の勢力拡大のために利用しようとするのは、いつの時代でも変わらない。大衆の情動を操ろうとするのは、独裁化をめざす全体主義政権だということを、忘れてはならない。
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